白馬⑦(栂池自然園、さるなしソフト、からセン)

8月上旬白馬三山縦走ツアー4日目は、朝から栂池自然園の散策です。

といってもゆっくり散策ではなく、往復3時間30分かかるという大雪渓が見える展望湿原までの行程を、3時間で行って帰ってきて、さるなしソフトクリームを食べる時間を確保し、最終的な帰りの準備もしなければなりません。さるなしソフトとは?さるなしという果実を使った栂池山荘限定のソフトクリームで、大人気らしく、前日に山荘に着いた15時過ぎには売り切れでした。急がなきゃ!

急ぐといっても昨日登った小蓮華山を眺め、花や風穴、銀命水も見て、写真もたくさん撮りました。大雪渓を見ることだけが目的ではありません。まだ8時過ぎで、花々が朝露に濡れた姿も日中の風情と異なり、美しい。道々、ツアー仲間とたくさんの花々に感激し、風穴の涼しさを楽しみ、何て良い所だろうとしみじみ思いました。栂池自然園、おすすめです。ニッコウキスゲが見たかったので、ここで見られて満足度高し。

思わぬ花と出会いも。展望湿原に急ぐ途中、一人の青年が身を低くして、ある植物を撮影していました。何を撮影しているのか聞くと、「ミヤマホツツジ」との返答です。なになにと思って見てみると、小さくて目立たない花だけど、とても可愛い花です。青年が撮影していなかったら、きっと見落としていた花です。青年よ、新たな花との出会いをありがとう!行きは存在を知らず目に留めなかった花も、教えてもらったことによって、その後はここにもあそこにも、と気づきました。

展望湿原に着くと、大雪渓が見える!と、思ったら数分後にはガスが湧いて、大雪渓が隠れていきました。山の天気は変わりやすい。

さあ、大雪渓も見たし、休憩もしたので、出口に向けて出発。

復路もさるなしソフトのために急ぎます。急いでいるけど、行きは寄らなかった銀命水に寄って、水の冷たさを楽しむことは忘れません。わたしは飲みませんでしたが、ツアー仲間は手ですくって「ああ、冷たくておいしい!」と言って飲んでいました。

10時過ぎぐらいになるとちょうどいい時間になったのか、子供の自然教室のグループや、旅行会社の団体ツアーのバッチをつけた集団が続々と入ってきます。これが往路で遭遇していたら渋滞が起こって、時間内に往復できなかったかもしれません。

時間内に無事往復して、あとは、さるなしソフト(300円)を食べるだけ。先にも書きましたが、栂池山荘限定。確かにロープウェイやゴンドラを下山しても売っていませんでした。このソフト、味はさっぱりしていて、ソフトといってもクリーミーではなく、ジェラートっぽい食感です。美味しい。

さるなしソフトを食べ終わったら出発です。バスで十郎の湯という温泉に寄ってさっぱりし、さらにバスに乗って松本駅まで行きます。再集合時間までの1時間の間に、松本駅界隈でお土産品などを物色。

松本は蒸し暑く、栂池自然園の爽やかな気候が懐かしい。そんな蒸し暑い中、目指すは駅ビル4階の土産店と飲食店です。松本駅にでかでかとした看板が掲示されていた「からあげセンター」に行ってみたい。

からあげセンターは16時過ぎという中途半端な時間にも関わらず、入店待ちの椅子に座っている人が数名いました。売店が併設されていて、お弁当や単品の唐揚げが買えます。お弁当かパックか単品か迷いましたが、まだ行動食が残っているのでタレからあげとモモとむねを単品で買ってみました。単品は時間を待たずに手渡されましたが、お弁当を注文した人は10分待ちで受け取りでした。

ツアー仲間が買った山賊焼からあげ弁当を見せてもらいましたが、デカッ!からあげ弁当と容器の大きさがかなり違います。からあげとご飯だけかと思っていたら(売り場にお弁当の写真は無し)、ざく切りキャベツがからあげの下に敷いてあり、その他にもおかずが付いてました。なかなかボリュームがあって良さそうです。わたしが買った単品のモモ、むねのから揚げは薄味で美味しく、タレからあげは濃い目でご飯がすすむ味。タレからあげは山で食べたい味付けです。

1時間のフリータイムが終わったら、松本駅から特急あずさに乗車です。2時間50分かけて新宿に到着。新宿はいつも通りの喧騒で、蒸し蒸ししている。東京に帰ってきたなと実感しました。これで白馬三山縦走登山ツアーはおしまいです。

 

白馬⑥(栂池山荘)

8月上旬白馬三山縦走3日目のお宿は栂池山荘。

2泊3日の行程だと、このまま栂池自然園のロープウェイで下って帰宅に途につくわけですが、今回のツアーは3日目に栂池山荘に泊まって、4日目に栂池自然園を散策する日程になっていました。でもこれが大正解。長い下りで足が棒になってしまい、これで白馬とさよならしたら二度と行く気にならないかもしれません。

栂池山荘は、山荘とはいえ普通の町中の宿泊施設のよう。2階の宿泊スペースに泊まりましたが、清潔な畳の部屋で布団も枕もふっくら。もちろん布団の上げ下ろしは宿泊者がやります。タオル、歯ブラシ付きで、廊下に置かれた浴衣を自由に借りられます。

地下1階にはお風呂場もあります。洗い場が少なく、浴槽は白馬鑓温泉小屋の方が大きいほどで、洗面台も一人用の大きさですが、それでも今までの行程の疲れを癒すには充分です。

そして何より夕食が品数豊富で、どれも美味しい。おそば、茶わん蒸し、野菜の天ぷら、サーモンの刺身(スモークサーモンだったかも)に、川魚の塩焼き、蒸した鶏の胸肉と野菜、デザート他で、一人分のテーブルのスペースにはお皿を置ききれません。フキノトウの漬物に至るまで、美味しいものぞろい。登山ツアーでは食事に期待をしていないので、こんな食事ができるとは感激しました。

夕食食べて一息ついたら、ストレッチを開始。夕食前から足が重だるくなって、ストレッチをしていたのですが、念には念を入れて、前腿やふくらはぎを十分伸ばします。ツアー仲間の「バンテリン塗るより、湿布貼るより、ストレッチよ。ストレッチをしっかりしておけば明日も動ける!」の声に励まされ、イテテテと言いながらストレッチを続けました。外は雨で、今夜も星空を拝めそうになく、早々に就寝。

4日目朝目覚めてみると、前日のストレッチの効果は抜群!前日つらかった階段の下りがスムーズに行え、どこも痛くない。快眠もできて、成長ホルモンがたくさん出たせいもあるのかもしれません。

山荘の朝食も美味しかったです。好物の温泉卵がついていた!

朝食の後はツアー最後のお楽しみ、栂池自然園です。

 

 

白馬⑤(栂池山荘まで)

8月上旬白馬三山縦走3日目は白馬山荘から白馬岳に登って、小蓮華山、白馬大池白馬乗鞍岳、栂池山荘までの行程です。休憩時間を除いた歩行時間は5時間30分の予定。3日目はたいしたことないよ、と事前に聞いていましたが、結構きつかった・・・。

 

3日目の朝は前日の高山病の症状もひいて、無事朝食を食べられました。めかぶの小さなパックが気圧でパンパンになっていましたね。美味しい朝食でした。今日は元気に行動できそうです。

朝食済ませて、出発前に売店でポカリスエットを購入。1本500円也。山の上まで運んでくるのだから値段はしょうがないとしても、ドローンで山荘まで配送できるようになったら、もう少し値下げされるかな?

 6時集合で準備体操をして、すぐ近くの白馬岳に向け出発。6:20には山頂に登頂です。雲海がすごい。「あれが槍だよ。」と言われ、見ると遠くにあの特徴のあるとんがった形が見えます。とりあえず撮っとかねばと写真を撮りましたが、肉眼で見るより、写真に撮ったものが不鮮明になってしまうのは何故だろう。(カメラの機能が低いゆえか?)

白馬岳を下山して三国境に向かう途中、大雪渓が見え、登っている人も点々と見えます。3日目は天気が良くて、下りということもあり、和やかに歩が進みます。ザレてる道も通りますが、コマクサがたくさん生えているところにさしかかって喜んだり、「ここが三国境かー」などと言ったりして、休憩も何度かとって、8:20頃、小蓮華山に到着。この山も大小の岩、石だらけ。前方には白馬大池が良く見えます。振り返ると、朝イチで登った白馬岳が見えます。今朝登ったばかりなのに、何だか既に懐かしい感じ。

小休憩終わって、またひたすら下り。

ザレている道を下っているとき、後ろの同じツアーのおじさんが何やらぶつぶつ言っているのが聞こえます。

「・・・のためー。二つ積んでは母のためー。」

ここ、賽の河原じゃないから・・・。口ずさみたくなる気持ちは分かりますけどね。

そんな下り道の中、何度も女子高生の集団に行き会います。同じシャツを着ているので、同じ学校(女子高)の山岳部が何グループかに分かれて行動している模様。元気があって爽やかで、山で見る若い女の子はいいな!彼女たちからいつも元気をもらってしまう!

白馬大池が近づいてくると、登山道の両側にお花畑が続いてきます。チングルマハクサンイチゲタテヤマリンドウにイワカガミなどの花が咲き乱れています。「ここ良いね~」などと言ってなだらかな道を下り、10:45頃に白馬大池山荘前に到着です。

ここで昼食を取ることになりましたが、行動食がまだまだ残っているので食堂には入らず、外で行動食を食べます。ツアー仲間は何人か山荘の食堂で昼食をとったようです。外で行動食を食べていると、日差しが強い。日影が欲しいと思って探しても、建物のなか以外、日影はありません。暑い!

お手洗いは募金式。使用料を明示するのではなく、利用者のお気持ちでということらしい。

昼食後は白馬乗鞍岳に向けて出発です。池沿いの大きな岩ばかりのところを進みます。池を見ると、イモリがたくさん。乗鞍岳から下りてくる人が口々に、「雷鳥がいたよ!ちっとも動かないから、きっと見られるよ!」というので、期待が膨らんでしまいます。雷鳥上野動物園でしか見たことありません。雷鳥見たい!

ですが延々と続く岩場。いつまでこの岩場は続くんだ、と思いながら歩を進めていくと、12時過ぎに乗鞍岳頂上に到着。

岩の上に鳥がいるけど、あれが雷鳥だろうか?でも誰も何も言わないし、雷鳥ではない別の鳥だろうか?結局、岩の上の鳥は何か分からず、小休憩を取ったらすぐに出発です。というのも、雲行きがどんどん怪しくなっています。白馬大池付近までのピーカンの天気はどこへ行ったのだ?

乗鞍岳を下っていくと、目の前に雪田が!2日目も思いもかけず雪田が現れ動揺しましたが、3日目にも雪田があったとは。確かに山と高原地図にも記載がありましたが、雪田上に霧がたっていて、どこまで続いているの見えず、こんなに大きいものとは予想していませんでした・・・。

見ると雪田を前にして、渡るか渡るまいか躊躇しているグループがいます。そりゃ、霧で前方が見えなくなっていて、渡っている人も渡って来る人も見えないのですから、ためらうのも当然でしょう。

そんな雪田をわれわれ登山ツアーグループは、軽アイゼンをつけずに下っていくことになりました。シャクッ、シャクッ、シャクッと靴の下で雪の音がします。団体ツアーが何事も無いかのように雪田を下っていくのを見て、雪田を前に躊躇していたグループも続いてきます。あの人たち(中高年団体ツアー)ができるなら、自分たちも大丈夫だよねと勇気を得たのだろうか?

雪田が終わった!と思っても、岩場は続く。下りが長い。膝にくる。相変わらず霧が出ていて、どこまでこの岩場が続くのか分かりません。ついでに雨が降ってきて、カッパを着たり、雨脚が弱まってカッパを脱いだり。

もう少し行けば木道があるから、と励まされても、なかなか木道に着きません。着いた!と思って喜んでいると、しばらく行って木道終了。えっ、栂池山荘付近まで木道が続いているのではないの?ぬか喜びであった・・・。

相変わらずのゴロゴロ道。いい加減終わってくれと何度思った事か。15時過ぎ、やっとやっと栂池山荘に到着。3日目の宿はここです!

やれやれと思ってふと周りを見ると、岩場で追い越され、追い越しを何度も繰り返した若者グループがいます。わあ、よくお会いしますね。お互いお疲れ様です!

 

 

白馬④(白馬山荘)

やっとこさっとこ白馬山荘に到着。

白馬山荘、人が多くて活気があります。

山荘玄関に入ってビニール袋に靴を入れ、部屋まで持っていきます。

部屋は畳敷きの個室!ツアー参加者の女性陣だけで一部屋です。これは嬉しい。HPを見ると、7人用個室というものに該当するよう。

部屋に着いたら既にみっちりと布団が敷いてありました。枕は鑓温泉小屋と同じ高い枕で、布団の柄も鑓温泉小屋と同じ。でも布団はふかふかです。

とりあえず頭痛薬飲んで、荷物の整理などして夕飯の時間まで待ちます。

夕飯の時間になったので、食欲はないけどツアー仲間と食堂へ。

事前に渡された食券の夕食分を切り取って食堂入り口で渡し、お盆を取って、調理場の前まで行き、夕食を受け取ります。社食とか学食みたいなものですね、メニューはみんな同じだけど。夕食を受け取ると、小屋の係りの人がそれぞれのグループごとに座るテーブルを指示して着席、食事開始です。

やはり食べる気になれず、しば漬けとお味噌汁を2杯飲んでみましたが、胃が受け付けません。念のため、エチケット袋を持ってきておいて良かった。

そのまま早々に食堂を後にして部屋で休んでいましたが、しばらくすると体調が安定してきたので気分転換のため、山荘内を散策。

白馬山荘の歴史を紹介した部屋があって、携帯のつながるエリアのマップや花の時期が記されたファイルが置いてあります。白馬山荘にいろいろと変遷があったのだなと感慨にふけったり、かなり昔の大雪渓を登っている記録写真に驚いたり。

読書室もあって、漫画や雑誌が置いてあります。「JIN-仁」を読みたかったのですが、ちょうど1巻を他の人が読んでいたようで、読めず。

お手洗いは嫌な臭いもなく、気分良く使えます。流しにはそこで使ってよいハンドソープ(?)が置いてありました。

そして気になって何度も前を行ったり来たりしたのが、昭和大が開設している山荘内の診療所。「扉を開けずにノックして、スタッフが出てくるまで待っていてください」と書いてあって様子が分からないし、診療時間も書いてない。行きつ戻りつしつつもノックできず、部屋に戻りました。

部屋で栄養補給のためアミノバイタルともらったポカリスエットを飲んでいると、夕食後スカイプラザで飲み食いしていたツアー仲間が戻ってきました。「診療所があるからみてもらった方が良い」、「ダイアモックス貰えるかも」、としきりに勧めます。もう20時になってしまうし、閉まっているんじゃ、と思いましたが、背中を押され、診療所の扉を叩いてみました。

すぐに学生らしき若い医療スタッフの人が出てきたので、「頭痛と吐き気がしていたけど、頭痛は頭痛薬を飲んだらほぼ治まり、吐き気も吐いたらほぼ治まりました。でも、夜と明日が心配です。」と症状を訴えました。すると症状を聞き取った医療素スタッフの人がいったん診療所に入っていきます。ピッタリ扉を閉めているので、中の様子は伺えません。

そして医療スタッフの人が再度出てきて「高山病の症状と思われるので、飲酒はしないで、ポカリスエットをたくさん飲んでください。」とアドバイスをもらいました。症状はかなり軽くなったので、処置するもないので医療アドバイスだけなのでしょうね。それでも夜中に症状が悪化したら怖いので、診療時間を聞いてみると、24時間対応だとのことです。一安心。

2日目は1日目よりも寝られず、「眠れないから乾燥室に置いてある衣類を取り込みに行くか。」と夜中の0時ごろ起きだしました。途中、診療室の前を通ると、なんか、中で盛り上がっているぞ。宴会か?

翌朝ツアー仲間に話すと、「ああ、飲食物たくさん運び込んでいるの見た~。」

医療従事者って、ほんと元気だなあ、と思った白馬山荘の夜でした。

 

 

白馬③(ネガティブ2日目、白馬山荘まで)

8月上旬白馬三山縦走2日目は、終始良い天気の中の登山でした。

途中までは快調でしたが、その後は・・・。ネガティブ2日目始まりです。

 

2日目は白馬鑓温泉小屋から白馬鑓ヶ岳、杓子岳を登って白馬山荘に行く、休憩含まず約6時間の行程です。

鑓温泉小屋からほどなくして急登。鎖場が続き、慎重に足を運びます。後ろの方にいて気づかなかったのですが、後で聞いたところによると同ツアーの男性が鎖場で足を滑らせ、少し落ちたそうです(怪我は無し)。

鎖場を過ぎて延々と登りが続きますが、周りの景色が良い!雪渓のそばを登っているので、登っていても汗だくにならず涼しい!ピンク色の花を見つけたからイワカガミかと思いよく見ると、コマクサが咲いている!「天然クーラーだ」「こんな景色のところ、本当に自分が来られるとは思わなかった」と楽しみながらツアー一行は登っていました。

かなり登ったなと思ったら7:40頃、大出原に出ました。チングルマ、イワカガミなどお花がたくさん。ロープがはってあって、ルートを外れてはいけないということらしい。ここで小休憩。

花に癒され、進んでいくと、9:10頃、目の前に紅がらがまかれた緩い傾斜の雪田がどーん!と出現。ちょっと待って、雪は昨日で終わりじゃなかったの?

一行を率いるツアースタッフの登山の先生が雪田を行って戻って、キックステップで登れると判断し、軽アイゼンはつけません。慎重に登って、登り終えて振り返ると、迷いの無い足取りで雪田をすごい速さで登ってくる人を発見。軽装で水だけ持っている、若い女性のようです。

結局、ツアー仲間が全員登りきる前に軽装の女性に追いつかれました。件の女性は鑓温泉小屋のスタッフの方。「久しぶりに良いお天気になったので、天狗平の方まで時間内に行けるところまで行こうと思って」と爽やかな笑顔です。山に若い女の子がいるといいな!・・・って、燕岳でも思ったな。

白馬鑓ヶ岳に登る前の開けた所で昼食。

さてさて、出発前に水を入れて仕込んでおいたアルファ米はどんな感じかと見てみると、ふっくらずっしりとして食べごろになっています。きのこご飯を持ってきましたが、山で食べるにはもう少し塩気があった方が良いと思いました。聞くところによると、ちらし寿司やおこわ系のものが美味しいらしい。一方、小屋で幕の内弁当を頼んだ人によると、「やっぱり山で食べるのはおにぎり弁当が良い!」そうです。中身見せてもらわなかったので、どんな内容の幕の内弁当か分かりませんが・・・。

白馬鑓ヶ岳はザレた道を登り、ザレた道を下ります。「これは、コンクリート屋さんが喜びそうな場所ねー」って、そんな冗談言ってるツアー仲間もいましたが、こっちはそんな余裕ないから!ザレた道の下りが苦手なんだよ、しかも急坂で転げ落ちそうなんだよ。

何とか白馬鑓ヶ岳を下って、次は杓子岳です。巻き道があるので杓子岳を登らなくても、白馬山荘に行けます。杓子岳の登山道もザレています。砕石を盛って作った山という感じ。ここで杓子岳に登る人と登らない人に別れました。もう来ないかもしれないかも記念にと思い、登ったのが運の尽き。登りはいいとして、下りは「来るんじゃなかった」と心の中で後悔しきり。

杓子岳を下ってきたら、白馬山荘に続く稜線上をゆっくりペースで登っている、杓子岳に登らなかった組が見えました。向こうもこちらが下山してきたことに気づいたらしく、手を振っています。杓子岳に登った組は、白馬山荘に着くまでに、登らなかった組に追いつこうとしたのかな、丸山までのペースが速かったです。

そんなハイペースの中、丸山に登る途中で息が苦しくなりました。先頭のツアースタッフさんに訴えても単なる弱音と思われペースは変らわず、ツアー仲間は力強い足取りでそれに続いています。わたしも必死で歩いていましたが、ガンガンガンと脈打つような強い頭痛と吐き気がしてきて、もう駄目だ!と思い、足を止めて後続のツアー仲間に道を譲ることに。ツアー仲間が異変に気付き、先頭のツアースタッフさんにストップを呼びかけてくれました。

ペースダウンしたり深呼吸したりしたものの、症状が出てしまった高山病は収まりません。珍しいクロユリが咲いていても撮る気もおこりません。白馬大雪渓に下る分岐のところで、あとは危険個所がないのでツアー仲間は先に白馬山荘に向かい、わたしはツアースタッフさんにザックを持ってもらい、ゆっくり登りました。

燕岳でも軽い症状が出たので気をつけて水分多めに取ったり、塩飴舐めたり、エネルギーもちゃんととって、燕だけツアーで教えてもらった五苓散という漢方を数日前から飲み続けていたのに、症状が出てしまいました。ハイペースに高度順応しきれなかったのが原因だと思いますが、体質のせいもある気がします。ふう・・・ミウラドルフィンズの富士山テストを受けた方が良いかもしれません。

 

 

白馬②(鑓温泉小屋)

8月上旬、白馬三山縦走1日目の宿泊先は、白馬鑓温泉小屋。

残雪が多くてオープンが遅れたとか、天候不順でヘリが飛ばず食材が不足するとか、やっとヘリが飛んで食材が確保されたとか、行く前から不安一杯だった白馬鑓温泉小屋。

さすがに17時を回っていたので、他の登山者はかなり前に到着済みで、ゆったりくつろいでいました。

屋根がある屋外にカッパを干し、見ると、水の代わりにチョロチョロと温泉水が流れています。これで洗って大丈夫だろうかと心配になりつつ、泥だらけの靴をサッと洗って、部屋にGO。

2段式の小屋で、上段は同じツアーの男性陣、下段は女性陣。通路を挟んだ反対側は関西弁の女性の団体が既に入ってました。今回の小屋の就寝場所もそんなにキツキツではなく、いい感じ。

夕食前に身支度整え、目指すは温泉。露天風呂は混浴で、水着を着て入る女性もいるそうですが、ツアー仲間の女性は誰も露天風呂に入りませんでした。時間帯によっては露天風呂も女性専用になりますが、そこまでして入る気力は既になし。

女性専用内風呂は屋根付きで囲いで覆われた簡易なもの。脱衣所からすぐお風呂で、もちろん洗い場はありません。もっと小さい浴槽かと思っていたら、女性4人が入っても余裕がありました。源泉かけ流しのお風呂です。「いいお湯!」「こんな山の上で温泉に入れるなんて贅沢だね。」と言いながら、ゆったりお風呂に浸かりました。

お風呂が終われば夕食です。

ヘリコプターが飛ばなかったらカレーだけ、ライスは無いと言われてました。が、無事ヘリが前日に飛んで確保された食材で提供された夕食は、半熟スクランブルエッグがのったハヤシライス、お味噌汁、ブロッコリーやプチトマトなどの野菜やカットフルーツ(オレンジ)、コロッケ(メンチカツかと記憶していたのですが、ツアー仲間多数がにコロッケだったというので、コロッケということにしておきます。)などでした。

どれも美味しい!コロッケはサクサク、お味噌汁は五臓六腑にしみわたり、ハヤシライスは明日への活力を養ってくれます。生のフルーツが出てくるとは思わなかったので、これも嬉しいポイント。満足の夕食でした。

明日の行程が長いので、夕食が済んだら明日の準備が終えて、さっさと就寝です。ガスが出ていて夕陽もきれいに見えず、満天の星空も望めそうにないし、明日は5:30朝食、6:30出発予定ですから。向かいの関西弁女性グループは既に就寝しています。きと私たちより出発が早いのでしょう。さっき夕飯を食べ終えたと思ったら、明日のお弁当を小屋のスタッフさんが届けに来ました。行動食多めに持ってきたので注文はしませんでしたが、幕の内弁当だそう。

さあ、寝ようと思うのですが、鑓温泉小屋の敷布団は薄くて背や腰が痛い・・・。枕は高くて違和感があります。うつらうつらして寝ては覚めてを繰り返し、午前1時ごろでしょうか、半袖で寝ていると寒くなってきました。それに用をたしたい気もする。

足元の棚に吊るしていたカッパの上を羽織り、ヘッドランプの明かりが漏れないように手で押さえてソロソロと出ていきます。鑓温泉小屋のお手洗いは小屋の外にあります。簡易水洗で、息を止めたくなる、進んで使いたくないお手洗い。

お手洗い使いたくないと重い気持ちを抱えながら小屋の外に出ると、夜空に星がいっぱい。寝ぼけまなこで見ても、すごい!到着時や就寝前はガスがかかっていたので、こんな星空を見られるとは思いませんでした。これは小屋の中にお手洗いがあったら、気づかずにいたもの。小屋の外にお手洗いがあるのは不便ですが、思いもかけず満天の星空を拝めて嬉しい。

4時には向かいのグループが出発に向けて起きだしたので、釣られてこちらも起床。まだ夜明け前ですが、ほのぼのと明るい。支度を整えていると、小屋の窓からご来光が見えました。窓が開き、「外に行かなくても、ここからご来光見られて便利だね。」とツアー仲間と盛り上がりました。

朝食をもりもり食べて、済んだら集合して準備体操。出発前から青空で、周囲の山がきれいに見えます。

登山日和になりそうな2日目、6:30前に出発です。

 

 

白馬①(鑓温泉まで)

8月上旬に白馬三山縦走ツアーに参加してきました。

一人参加でしたが、以前のツアーでご一緒した人が参加していたり、基本一人参加の人ばかりだったりしたので、ツアー中、不安になったり寂しくなったりすることは全くなし。

2日目、3日目は疲れ切って、もう白馬はこりごりと思いましたが、喉元過ぎれば熱さ忘れて、また行きたいと思い始めてます。これが山の魔力。

 

東京駅から新幹線に乗って2時間弱で長野駅に到着し、バスに乗り換え11時前に猿倉に到着。

猿倉荘から白馬鑓温泉小屋までが1日目の行程です。

猿倉荘でくつろいでいる人から「これから登るの?遅いよ!」と忠告されましたが、東京朝発の団体ツアーではこの時間になってしまうのです、というのは燕岳ツアーでも思ったな・・・。

小雨が降ったり止んだりだったので最初からカッパを着て出発。やはり最初からカッパを着ていると暑い・・・。

最初は普通の登山道。近場をハイキングしてきたらしきグループと何組かすれ違います。

道々、やたらと大きな葉っぱだけになったミズバショウが至る所にあります。ミヤマキンポウゲや黄緑色になったキヌガサソウも咲いています。黒っぽいエンレイソウの実やブルーベリーのような色合いのサンカヨウの実がなっていて、「食べられるのかな」とツアー仲間と話したり、まだまだ余裕があります。

休憩時間を除いて4時間30分の行程なので、サクサク進みます。ガスが湧いてて、天気が良ければ白馬三山が見えるはず場所で山が見えないのが残念でした。雨が強くなったり小雨になったりで、カッパの下も身に着けます。

登っていく途中で出会った下山者は2グループ。いずれも高齢者のグループでした。追い越しは単独行の男性2人。平日だったせいなのか、登るのに遅い時間だったからか、はたまた天気が悪かったせいか、行き会う登山者が少なかったです。

下山者が口々に「温泉良かったよ!」「温泉が待っているから頑張れ!」と言うので、鑓温泉への期待を膨らみます。

途中トラブルがあったりして行程が遅れたこともありましたが、温泉を目当てに登って行った先に待っていたのは・・・。

雪渓です。

 

杓子沢の雪渓を渡る前に、石がゴロゴロしているところで小休止。ネットで写真付きのルートを下調べしてましたが、ネットの写真より残雪多くないか、特に落石沢。

午後で雪渓が柔らかくなっていて、既に登山者が渡った跡がしっかりしているので、軽アイゼンはつけずに渡ることになりました。ストックの先端キャップをはずし、上流側にストックをつくようにしてトラバースしていきます。

引率している登山ツアースタッフが「知り合いが雪渓のクレバスに落ちて、未だに発見されてないから気を付けてね。」って、そんな怖がらせるような情報いりません・・・。

そんな中、ツアー仲間が次々と雪渓を渡っていきます。一人だったら引き返したくなるところも、ツアー仲間が進んでいくのを見て、自分の勇気に変えられるのが登山ツアーの良いところ。若干、へっぴり腰になりながらも渡り切りました。

紅がらがまかれた登りは、夕方になって気温も下がり雪が固まってきたので、念のため軽アイゼンを装着して登りました。

結局、一つ終わったら、またすぐに現れ、またしばらく行くと現れ、という感じで4つ(5つ?)小さな雪渓をトラバースし、紅がらがまかれた雪渓を一つ登りました。

今年は残雪が多くて鑓温泉小屋のオープンが遅れただけあって、雪渓も去年より断然残っている状態だったようです。

雪渓が終わると、後は雪のない登山道を登ります。見上げると白馬鑓温泉小屋が見えて、硫黄のにおいが漂ってきます。もう少し!

やっと白馬鑓温泉小屋です。もう17時を回ってました。

右を見れば浸かっているいる人がいない足湯が見えます。前方には噂の露天風呂が。

早く温泉入りたい!と本日最後の気力を振り絞って登りました。おそらくほとんどのツアー仲間も同じ気持ちだったはず!