コンテンポラリーはやはりよく分からない

ザハロワの「アモーレ」(@オーチャードホール)に行ってきました。

事前にHPに載っている作品の解説を読まずに行ったので、白紙の状態で観ました。観ていて伝わってくることも、何を表しているのか分からないこともありました。

1作目は「フランチェスカ・ダ・リミニ」。

座って本を読んでいるザハロワのすぐそばにミハイル・ロブーヒンがおり、ザハロワの後方にそっとザハロワを見つめるデニス・ロジキンがいます。ロブーヒンが去った後、ザハロワとロジキンのパ・ド・ドゥが始まります。動きの速いリフトあり、ザハロワのラインの美しさをたっぷり堪能できる振付あり、感情を抑えられず交わす口づけあり。

恋人同士を描いている場面のはずですが、二人とも逢瀬をあからさまに楽しんでいる雰囲気ではない。禁断の愛っぽい感じがします。二人のパドドゥを観ていて、以前みたザハロワの「トリスタンとイゾルデ」をまた観たいとぼんやり考えていました。

と、恋人同士の逢瀬の最中、それを目にしたロブーヒンが怒りを爆発させます。ロブーヒンがザハロワの夫役で、ロジキンは不倫相手役なのだなと、ここでやっと分かりました。ロブーヒンの踊りが激怒をよく表現していて、全身からメラメラと怒りの炎が上がっているかのように見えました。怒りのあまり、ロブーヒンは二人を亡き者にしてしまいます。

帰宅してHPの解説を読むと、この作品はダンテの「神曲」地獄篇を元にしているとあります。ザハロワ演じるフランチェスカと夫の弟ロジキン演じるパオロは惹かれ合い、ロブーヒン演じるフランチェスカの夫ジョヴァンニがそれを知り、恋人同士を殺してしまう、と。なるほど、なるほど。細かい設定は分かりませんでしたが、大筋は間違って受け取っていなかったようです。

ちなみにWikiで「フランチェスカ・ダ・リミニ」を検索すると掲載されている絵が、「あ、この絵、知ってる。」何の場面を表しているのか今まで分かっていませんでしたが、ダンテの地獄篇を題材にした絵だったのか、と一つ知識が増えました。

2作目はパトリック・ド・バナ振付の「レイン・ビフォア・イット・フォールズ」。

こういう完全なコンテンポラリーは、本当によく分からない・・・。動きは面白いのですが、何を表現しているのか分かりません。そして、眠くなる。

紫色の衣装が美しいザハロワなのですが、腕を奇怪な動きにするところから内面のドロドロを表現しているようには見えます。舞台の端に座ったままのデニス・サーヴィンは気になるけれど、その存在も何なのか分からない。

と、思ってぼーっと観ていたら、いつの間にか寝てしまい、ハッと気づいて起きたらザハロワがテーブルの上にうなだれた格好で座っています。ん?と思ったら、演目終了。

「ブラボー!」と歓声をあげる観客もいて、拍手もすごい。寝落ちしていた間にすべてが終わっていました。

解説によると、「部屋、女、二人の男、愛、三角関係、調和、欲望、敗北、孤独、虚無」。そんなものを表していたのか。暗いトーンだったし、そんな内容なら寝落ちするのも無理はないです。

3作目は「ストロークス・スルー・ザ・テイル」。

とてもユーモアのある作品で、面白いザハロワが見られました。一人の動きが次の人に伝染し、また次に伝染し、を繰り返したり、ザハロワの衣装に似た衣装を男性ダンサー陣が着替えてきたり、男性ダンサーの動きが軟体生物のようだったり。面白い作品ですが、しっかりした技術を持つダンサーが踊っているので、変に下品だったり、ばかばかしかったりしません。観ていてクスッと笑える作品でした。

解説では振付家が「観た人が軽やかな気持ちで、嬉々として帰ってほしかった。」とコメントしています。振付家の意図通り、軽やかな気持ちになりました。

今回の公演は姫じゃないザハロワ3連発でした。1作目はザハロワらしい踊りを楽しめ、2作目、3作目はいつもとちょっと違うザハロワを味わえました。テクニックやラインの美しさではなく、ザハロワの表現力を味わいたい人なら存分に楽しめるラインナップだったのではないでしょうか。

 

 

 

 

アルチンボルドメーカー

先週アルチンボルド展(@国立西洋美術館)に行ってきました。9/24までの開催なのをすっかり忘れていました。

今回の展覧会はアルチンボルドの四季すべてと、それに対応する四大元素の絵画が全部そろって見られるので、そんな機会はめったにないらしい。なんでもヨーロッパの富豪が個人的に所有している絵が含まれているらしく、貸す貸さないは富豪の判断次第。お金に困っていない人なので、レンタル料を積めば喜んで貸すというわけではなかったようです。

さて、アルチンボルドの作品は、動物や植物などを組み合わせて人物を造形する見事さは、じっくり見ても見飽きません。どうしたらこんな組み合わせを思いつくのだろうと見入ってしまいました。

展覧会ではアルチンボルドに影響を受けた、他の画家の同様な作品も展示されていました。アルチンボルドの作品とその後継者たちの作品では、その出来に格段の違いがあるものが多く、アルチンボルドの卓越さを良く感じることが出来ました。後継者たちの多くは人間の顔を単純な組み合わせで表そうとしている一方、アルチンボルドはいくつものパーツを複雑に組み合わせて表現しています。

ハプスブルク家のイベントディレクター(?)としてのデザイン画も興味深かったです。

作品について難しいことは分からないのでこれくらいにして、四季・四大元素だけでなく展覧会に行く誘因になったのが、アルチンボルドメーカーの存在です。アルチンボルドメーカーはその前に立った人の顔を分析し、CGでアルチンボルド風に野菜や果物で人物の顔を描き出してくれるという代物です。

アルチンボルドメーカーは展覧会場の展示室に入る前に設置されていました。20人くらい並んでいましたが、どんな風になるのか試してみたいと思い、並んでみます。

待っている間、順番が来た人のアルチンボルド肖像画が次々に作成されていくのを見ることが出来ます。見ていると、似てないんじゃないかと思われる肖像画ばかり。

「え、あのきれいな子の肖像画がアレなの?」と、何をもってしてその造形にした?という出来です。まあ、本人たちは喜んでいたので良いのでしょうが、自分の番でどんな出来になるのか不安になってきます。自分のアルチンボルド肖像画は他の人に見られたくない、とんでもない肖像になりそうで・・・。

順番が回ってきました。「ドヒャーン」と鳴って、野菜と果物が次々と組み合わさって顔が形成されていきます。

出来ました!

目は開いておらず、唇は不明な野菜(?)で出来ててドス黒い。髪の毛は春菊のような葉っぱがあちらこちらに向いて生えてます。わたしの髪がボサ髪ということか!?(その通り。)ただの化け物にしか見えない・・・。いや、客観的に見たら、もしかしたら似ているのかも。

肖像画用に別料金払ってこの出来だったら納得いきませんが、展覧会に行った記念の一品としては良いのかもしれません。でも、もう少し盛ってくれてもいいじゃないかとも思います。

 

 

 

 

 

 

金時山

しまった、不定期日記をしばらく書いていなかった。

先日行った金時山について記録しておこうと思ったら、時間が経ってかなり忘れてしまっています。というわけで、簡単に金時山登山についてメモ。

何となく晴れているけれど雲が多い天気のなか、金時山登山ツアーに参加しました。今日のコースは、乙女峠入口から金時山に登り、下りは分岐で夕陽の滝方面に進んで地蔵堂がゴールです。雲がはれて富士山が見られるといいな、と思いながらの登山開始です。

登りはところによってゴロっとした岩があったりしますが、おおむね普通の歩きやすい登山道です。低山は酸素が豊富で体力的にラク。一方で残暑による暑さと湿度がやっかいです。

乙女峠に着くと木製の展望台が設置されています。天気の良い日だったら富士山の眺望が望めるらしい。だいぶ曇ってきたので富士山の眺望は叶わないと分かっていつつも、記念にとりあえず展望台に登ってみました。が、やはり何も見えず、蜘蛛の巣がはった展望台の階段を空しい気持ちで降りました。

秋の花にはまだ早く、夏の花は終わって、笹が茂る登山道を黙々と歩き続けます。曇天で花も素晴らしい景色も望めないなか、足元にへびいちどのようなベリー系の果実がところどころなっているのを見かけるのが、少しの慰めになります。

長尾山という開けた場所に出たら、いい時間になったので昼食です。かなり広い場所でゆっくりお弁当を食べることが出来ます。「長尾山頂」という標識があり、その下に「植物を採らないでください。植物を植えないでください。」と注意書きがあります。「植物を植えないでください。」って、良かれと思ってどこからか持ってきた植物を植えてしまう人がいるのでしょうか。

自然に生えたのか誰かが植えたのか分かりませんが、この長尾山頂で気になる花を見ました。白いユリが咲いていたのですが、どうみてもヤマユリではありません。ヤマユリの特徴的な斑点が花弁についてないし、花の開き方もヤマユリほど開放的ではなく、控えめな感じ。

種類が分からず後で調べてみたら、見た目から判断するとどうやらタカサゴユリのようです。3本くらいタカサゴユリ(?)の株を見かけました。人工的に植え付けられた感じは受けなかったけれど、これはどうなのだろう。花の少ない時期に思わず大きくきれいなユリを見られて、登山者の目を楽しませてくれました。人工的に植えられたものだとしても、抜いたりせずそのままにしておいて欲しい。

長尾山から金時山までは標識によると35分。ゆっくりペースだったのでもう少しかかりましたが、山頂はすっかり曇っていました。おまけに小雨まで降ってくるし(すぐ止みましたが)。「天下の秀峰金時山」の看板のバックに本来なら富士山が見えるはずのロケーションです。まったく富士山の影も形も見えず、「天下の秀峰金時山」の看板が小雨の中、空しい・・・。

金時山のトイレはチップ制で100円。金太郎茶屋には赤ちゃんにおすすめ、金太郎の腹掛けが売っていました。

金時山山頂で15分位休憩をとって、下山を開始です。普通の登山道を下っていくのかと思っていたら、階段を下ります。結構急な階段ですが、危険な感じはありません。階段が終わったら、滑りやすいところなのか、ロープが張られています。さらに下って、木製の渋い鳥居を抜けて、どんどん樹林帯に入っていきます。

樹林帯は日中でも薄暗い。ツアー仲間は「もう陽が落ちてきているのかしら」と勘違いしてましたが、場所によっては陽が差し込むところがあり、日暮れにはまだ時間があることが分かります。そんな薄暗い樹林帯ですが、丸太を組み合わせた橋や浅い沢を渡り、濡れた岩の上を歩き、登りとは全く違う趣で楽しく歩けます。

樹林帯を抜けたら夕日の滝には寄らず、地蔵堂へと向かいます。舗装道路になり、民家や田畑がたくさん。田圃は棚田でした。東京の隣の神奈川県で棚田を見られるなんて予想していなかったので、興味深い。そして民家のそばには猪の皮が干してありました。両国のしし鍋店の店外に、猪のはく製(背中の真ん中部分が通行者に触られすぎてはげている)が吊るされてますが、それとは違い何だかワイルドな感じ。中身の肉はどうしたのか、皮の用途は何なのか気になります。

そんなこんなで地蔵堂に到着。整備されたトイレがあり、近くに茶屋もあります。甘酒を売っていて、登山で消耗した体力を補うのにピッタリ、かもしれません。冷やし甘酒があったら飲みたかったところですが、温かいものだけというので残念。

富士山を見られなかったので少々残念な金時山登山でしたが、登り下りで変化があり、疲れもなく程よい登山でした。次回行くときは「天下の秀峰金時山」の看板バックにそそり立つ富士山を見られますように。

 

 

 

アイスポテト(名称うろ覚え)

白丸湖1日カヤック体験ツアーが終わ御嶽駅に行くと、駅前で出店がありました。

登山の時も、今回のカヤックの時も朝は出店がないけれど、夕方帰路に就くため駅に行くと、出店があります。わさびを売っていたり、梅干しや漬物を売っていたり、その時によって売っているものや、販売している人が違います。地元のお店の人が駅前に出張してくるのかな?

今回はさつまいも菓子を売っている出店がありました。

さつまいもチップス美味しそうだな、どうしようと迷っていると、アイスポテト(名称はうろ覚え)と書かれた中身が見えない箱が置いてあります。100g200円。

気になってお店の人に聞いてみると、シルクスイートという種類のサツマイモを凍らせたものだと言います。想像してみるに、焼き芋を凍らせたところで、繊維質が目立って大して美味しくなさそうに思えます。

が、「これは美味しいんだよ。」ということなので、箱の中から出して見せてもらいました。冷凍と解凍したものがあるというので、解凍したものを出してもらいます。

ゴロっとした、なんの装飾もないただの焼いたか、ふかしたかしただけに見えるサツマイモが出てきました。見た目が素朴すぎる・・・。美味しいようには見えません。冷やした焼き芋とどう違うのか、見た目では見当がつきません。

買うか、どうしようか。

でもせっかく箱から出してくれたものを、買わずにその場を去るのも気まずいので、小さめのものを買ってみました。125gで250円です。

改札を通り、電車が来るまで時間があるので、駅のベンチに座り、さっそくアイスポテトをいただいてみました。

一口食べると、「なにコレ、おいしい!」

なめらかで、ねっとりした食感で、自然な甘みで美味しい!さつまいもの繊維質はどこにいったのだ?そんじょそこらのスイートポテトなんて目じゃないくらいの滑らかな美味しさです。

どうやって調理したものなのか分かりませんが、買ってきたシルクスイートを家庭で焼いて凍らせてもこんな美味しさになるのだろうか。冷凍みかんのように、駅の売店で買ったものと家の冷凍庫で凍らせたものとでは、全く美味しさが異なる別物になってしまうような気がする・・・。

もっと買っておけばよかったと後悔。よそで買えないだろうか、と「御嶽、アイスポテト」でググってみると「御嶽大学いも学部」がヒットします。御嶽駅そばの大学いものお店。ここのお店の出店だったのだろうか。

紅葉の季節になったらまたカヤック体験に参加するつもりなので、御嶽大学いも学部に行ってみよう。

 

カヤック(@白丸湖)

奥多摩白丸湖カヤックをしました。

白丸湖の大岩の上にはローレライがいた・・・かもしれない。

 

御岳山に行ったとき、御嶽駅そばの多摩川でラフティングやカヤックをやっている人をみかけました。カヤックやりたい、でもあんな流れが早い所では無理・・・。

というわけで、初心者OKの白丸湖カヤックツアー1日体験コースに参加してみました。

御嶽駅そばの店舗でライフジャケットと水遊び用のシューズを借りて、身支度整え、車でインストラクターさんと一緒に白丸湖へ。

車はSUP体験の人と同乗です。SUP体験は参加者が多く、人気みたいです。SUPは旧中川でしかやったことないので、きれいな湖でSUP体験するのも良さそう。

白丸ダムの駐車場についたら、体験場所まで10分くらい多摩川沿いの散策コースを下っていきます。(白丸ダム駐車場にはトイレあり。)

白丸湖多摩川を堰き止めた白丸ダムにある湖で、Googleマップをみても「多摩川」と表示されているだけで、川と明確に区分された湖ではないようです。御嶽駅近くの清流とは色が違い、エメラルドグリーンがきれいな湖で、両岸を木々が覆っています。湖面には、既に朝早いSUPツアーの人たちの姿が。楽しそうです。

カヤックに乗る前に、まずカヤックの乗り方とパドルの使い方を練習。すぐにカヤックに乗り込みます。

インストラクターさんに引っ張ってもらって、とっぷん、という感じでカヤックが湖に浮きます。静かで穏やかな湖面。カモが泳ぎ、ダムの近くの水辺にはとんぼが群れています。遠景には奥多摩の山々も見えます。といってもどれが何の山か分かりませんが・・・。

浮いてるだけではしょうがないので、パドルで漕ぐと、右に回りすぎたり、左に回りすぎたりで前方に進むのが困難。以前他のところでカヤック体験したときは、こんなに左右に回らなかったのにな、と思いつつ、一つ所で、もがき続ける。(後で教えてもらったのですが、以前観光地で乗ったことのあるカヤックは直進しやすい形状のものだったようです。)

インストラクターさんに「もっと左を強く!」、「カヤックのそばではなく、離れたところを漕いで!」とアドバイスされますが、言われたようにやってるつもりですが、なかなか出来ません。

「カモを追いかけるようにして漕いでみると、コツがつかめてきますよ。」というインストラクターさんの言葉を信じ、必死でカモに近づこうと漕ぎ進めます。すると、さっきよりスムーズに前進できるようになってきました。

前進できるようになると、周りをみる余裕も出てきます。SUP体験の人たちが岩から湖に飛び込んだり、犬と一緒に乗ってたりして、楽しそう。澄んできれいな水だから、飛び込んでもへっちゃらだそうです。一つのSUPにカップルで乗っている人もいます。

湖岸には、シュウカイドウや名前が分からない紫色の花が咲き、木々の濃い緑が美しい。春には湖岸の木々に藤の花が巻き付いて咲く中を、秋には湖面にこぼれるような紅葉の中をカヤックで楽しめるらしい。水中には小さな川魚が集団で泳いでいるのが見えます。ヤマメかイワナの稚魚らしい。

1日体験ツアーなので、午前の部が終わったらお昼ご飯です。お昼はカレーうどん。あらかじめ店舗で仕込んでおいた具材入りスープを湖岸で火にかけて、生うどんを投入し、あつあつカレーうどんをインストラクターさんが作ってくれます。お腹が空いていたのもあり、美味しくいただきました。カレー味って、はずれが無い!

午後は午前中漕いでいた場所より、流れがある場所に漕ぎ進めていきます。

流れに逆らって漕ぎ進めていくのですが、漕いでも、漕いでも進みません。ちょっと気を抜くと、流れにとらわれて押し戻されてしまう。そんなこんなを繰り返して、技術ではなく、力づくで漕ぎ進めていったら、何とか流れの無い場所まで到着。力づくなので、腕が痛い・・・。漕ぎ進めた辺りは、けっこう大きな岩がいくつも水面から露出していて、その岩の辺りで流れを作っています。

さらに漕ぎ進めると、また流れが強いところに差し掛かり、今回は頑張っても、頑張っても漕ぎ進めることが出来ません。さすがに力尽き、これ以上進むのは断念。

さあ、戻るかと漕いで行くと、水面から3m以上は顔を出していると思われる大岩の辺りを通ります。先だってインストラクターさんが「あの大岩は気をつけて。」と言っていた場所です。

行きは慎重に大岩に近づかないように漕いでいたので大丈夫だったのですが、帰りは目測を誤った・・・。というより川の流れの仕組みが分かっていなかった。

大岩から何メートルも離れている大丈夫そうな所を通りかかったら、大岩に向かう流れに捕まってしまいました。こんなに離れているのだから頑張って漕げば、流れから逃れられると必死に漕ぎましたが、どうしても流れから逃れることが出来ません。どんなに漕いでも大岩がどんどん近づいてきます。

大岩に激突は避けたい。

大岩に激突はしませんでした。とん、と手で大岩を触った次の瞬間、カヤックが転覆!

気が付いたら顔と上半身が水中に没し、鼻と口から水が入り込んできます。まずい、と思いカヤックから身体を出して離れ、水中で上を見ると水面まで1メートルくらいありそう、下は底が見えない。

みょうに冷静に「ライフジャケットつけてるから、ジタバタしないでも水面に浮く!」と思っていたら、勝手に水面に上がっていきました。ああ良かった。

転覆したとき、今までの人生が走馬灯のように流れた、ようなことはありませんでした。走馬灯が流れていたら、きっと今頃こんな不定期日記は書いていない状態になっていたと思う。思ったより湖の温度が低くて、湖面に浮いているとどんどん足先が冷えてきて、だんだん脚が動かなくなっていったのは予想外でしたが。

ふう、白丸湖の大岩の上にはローレライが住み着いていたか・・・。というのは冗談ですが、大岩のそばは変な流れがあって、その流れに飲み込まれると、どうあがいても逃れられないということを学びました。昔の人が航海の難所にローレライという魔女(妖精?)がいると考えた気持ちが分かりました。こんな実体験で分かりたくなかったですけどね。

 

 

 

ゴーヤが苦手にワケがあり

ゴーヤが苦手です。

ゴーヤがというより、苦い食べ物が苦手です。

子供の頃はピーマンが苦手でした。母が何とかピーマンを食べさせようと、肉詰めピーマンを作ったり、小さく切って野菜炒めに入れたりしても、どうしても苦くて食べられず、「わがまま言わずに食べなさい。」と怒られてました。

ピーマン嫌いは小学生の時に克服しましたが、ゴーヤは今でも食べられません。

そんなゴーヤ嫌い、単なる嗜好の問題ではないと理由が分かかりました、遺伝子検査で。

 

好奇心で遺伝子検査をしてみたのですが、その結果が戻ってきて検査結果を見てみると、「苦み感知度遺伝子」という項目があります。

苦み感知度遺伝子?初耳です。

「この遺伝子は苦み成分の受容体として、食品などに含まれる苦み成分と結合することで苦みを感知する機能があります。」と説明があります。

遺伝子の型によって、検査結果が「低い」「やや高い」「高い」の3つに分かれることになると。

結果は、苦み感知度が「高い」。

苦い食べ物が苦手なワケが分かった!

遺伝子の型の違いで、普通より苦みを感じやすくなっているわけです。

自然界で苦みは毒をあらわすので、こどもは苦みが苦手、成長していくに従い大人の味覚になれば苦みを楽しむことが出来る、出来ないのは味覚がまだこどもだからだ!というわけではなかった。

ただの好き嫌いのせいでもなかった。

大人なのにゴーヤが苦くて食べられません、なんて恥ずかしかったのですが、遺伝子の型のせいなら、まあしょうがないかと受け入れられます。

 

ちなみに子供の頃のピーマン嫌いを克服したレシピは、ピーマンとフジッコの炒め物。

ピーマンが油でコーティングされて苦みが若干マイルドになるうえ、フジッコの旨味がピーマンの苦みに勝ち、美味しく食べられました。フジッコって優秀です。

 

 

 

 

御岳山、大岳山

8月といえば、御岳山のレンゲショウマ。8月中旬は雨続きで、花も見ごろではないというので行く気になれず。レンゲショウマが見ごろになったというので、残暑厳しいなか、行ってきました。

今日のコースは、行きはケーブルカーで御岳山駅まで行って、富士峰園地~御岳山(御岳神社)~長尾平~七代の滝~ロックガーデン~綾広ノ滝~芥場峠~鍋割山分岐~大岳山。帰りは鍋割山を通らない天狗ノ腰掛杉方面に行くルートをとりました。

 

御嶽駅に着いたら、登山者がたくさん。レンゲショウマが見ごろを迎えたし、ぐずついた天気におさらばした今を逃したらもったいないと思うのは、誰でも一緒ということですね。

こんなに人が多いと、急がないとバスに乗れないかもしれない、と道をはさんだ向かい側の停留所へ急ぎます。バスに乗り込み、後ろを見ると、乗れない人の長蛇の列が。車内をつめても乗れない人が多数のため、やっぱり出ました、増便が。

こういう登山口に行くまでのローカル路線のバスって、行きは登山者を乗せて運賃をしっかり稼げますが、帰りは地域住民がたまに乗るくらいで、かなり空いているはず。ましてや増便した日には、ガラガラの車両が2台走ることになるので、経営的にはどうなのだろう、といつも思います。

バスが終点に着いたらケーブルカーに乗り、御岳山駅へ。御岳山駅に着いたら、レンゲショウマが咲き誇る富士峰園地はすぐ。

富士峰園地では、レンゲショウマがそこここに咲いています。薄い藤色で花弁の先が濃い紫色に染まった、レンゲショウマ。うつむき加減に咲いている花がおくゆかしい。かさのように広がった部分は、じつはガクだといいます。そう言えば、よく見ると黄緑色になっている部分があったりする・・・。レンゲショウマが圧倒的に多いですが、タマガワホトトギスとヤマジノホトトギスも少し咲いてました。

レンゲショウマの鑑賞が終わったら、御岳ビジターセンターを経由して御岳山へ。御岳の集落を歩いている途中、ピンク色のシュウカイドウが目につきます。景信茶屋の野草天ぷらのシュウカイドウが、酸っぱくて美味しかったことを思い出します。

ビジターセンターでは御岳山の花々の写真が載ったA4サイズのシートを入手。きれいな写真で、道中出会った花の確認に役立ちました。

御岳山(御岳神社)は、暑い!御嶽駅に着いたときは、都心よりは涼しいという感じでしたが、日を遮るものの無い参道や境内は、やはり暑い。参道に設置された、両端にカッパが配された石のベンチも、熱い。

御岳山の後は、涼しさを求めて七代の滝とロックガーデンへ。七代の滝へ続く道はひたすら下ります。この下っているところを後から登り返すのは大変そう。子供がはしゃぐ声や滝の音がするので滝が近いのか、と思ってもなかなか着きません。ところどころで滝の音とはしゃぐ声が聞こえては、遠くなり、やっと到着。長尾平からのコースタイム20分より、長くかかりました。滝のそばはさすがに涼しく、清涼感があって気持ちがいい。

七代の滝から、鉄はしごを登ってロックガーデンへ向かいます。鉄はしごが長く、地味に疲れます。ロックガーデンに着くと、ここも涼しい!起伏がほとんどない所なので歩きやすく、岩の上をひょいひょい渡っていけるところもあり、楽しい。確かにロックガーデンです。渓流ぞいの散策というと奥入瀬が有名ですが、奥入瀬ほど圧倒的な緑はないけれど、ここも手軽で良い所です。清流を見て、「わさびを買わなきゃ。」とわさびを買う予定だったことを思い出しました。

ロックガーデンを散策中、渓流のそばでオレンジ色のとても目立つ花が咲いていました。渓流ぞいの彩りは、植物の緑、土の茶、小さめの花の白か黄色というのが定番のイメージなので、中型サイズの鮮やかなオレンジ色の花は際立って見えます。誰かが勝手に植えた園芸種の花か、と思ったら、御岳ビジターセンターでもらった一枚シートの花カタログに「フシグロセンソウ」と載っています。「夏の終わりをつげる花」と解説があります。暑いといっても8月下旬、確かに夏の終わりが近づいているのだな。

ロックガーデン、綾広ノ滝が終わったら、大岳山を目指します。ここからは鍋割山分岐まで、基本登りです。道は整備されていて大変な場所はありません。が、寝不足の上、なにしろ暑くて予想以上に汗をかいてしまい、体力を奪われます。夏の低山はやはり暑い。

大岳山に近づくにつれ、岩場が出現します。危険を感じる岩場ではなく、登りの時は楽勝。でも、疲れている下りの時は用心しなきゃと感じる場所です。ところどころに「これより岩場。滑落注意」の看板が立ってます。

危ないところも終わって、廃屋の大岳山荘のそばが大岳神社。神社のへんな狛犬を横目で見て、大岳山まであと少し。と思っても、意外に時間がかかります。階段昇って、また岩場を登って、登って。

そして大岳山に登頂。視界が開けると同時に、サーッと涼し気な風が吹いてきて、気持ち良い。前回はガスが広がり眺望がまったくきかなかった大岳山山頂でしたが、今回は曇りでありながらも周りが見えます。冬場だったら、もっとクリアに見えそうです。それにしてもトンボがやたらめったら飛んでいます。一体どこから飛んできているのやら。

ここまで想定以上に時間がかかってしまったので、サクッと昼食をとったら、下山を開始です。行きは余裕がなくチラ見だった大岳神社に参拝します。社殿に狼みたいな絵が描かれた護符が貼ってあります。後で調べてみたら、大岳神社は狼信仰の神社なのだそうです。そしてあの他では見ない特徴的な狛犬も狼を模しているらし

い。新種のバクに見えましたが、違った。それにしてもきらびやかな御岳神社に比べて、さびれていて物悲しい・・・。

帰り道は疲れているので、岩場・鎖場を慎重に進みます。登りではこんなところに鎖は不要では、と思うところでも、疲れている下りでは、やっぱり鎖がある方が安心感が違います。下りの方が脚の筋力や膝の力を使うので、登りでギリギリの思いをしていたら登頂せず、余力を残して下山するのも勇気ある選択なのかもしれない、などと思いながら下っていきます。

鍋割山分岐を過ぎたら、あとは危険な箇所はなく、安全な道が続きます。長尾平の辺りでしょうか、きれいなトイレが。ロックガーデンのあずまやにあるトイレは使う気になれなかったので、こんな清潔なトイレがあると嬉しくなります。きれいなトイレがあると、歓迎されている気になってしまう。

気持ちに余裕が出来たので、道端に咲く花にも目が留まります。薄い赤紫色っぽい花が咲いています。ビジターセンターでもらった花シートの夏バージョンには載ってません。あ、秋バージョンに載ってる!「ツリフネソウ」です。ほんと、この一枚シートの花カタログは使えます。厚みのあるコート紙で出来ているため耐久性があり、写真がクリアでそれぞれの花の判別がしやすい。ちょっとした解説も味がある。

帰りは予想以上に疲れたので、徒歩で御嶽駅まで下りる予定変更、ケーブルカーの御岳山駅へと向かいます。御岳山駅では、御岳山近辺を楽しんだ人々が長蛇の列。そしてケーブルカー下では、バスに乗る人の長蛇の列。御嶽駅でも家路につく登山者がたくさん。みんな楽しそうです。これにて今回の御岳・大岳山登山は終了。

忘れずにケーブルカーの滝本駅で わさびを購入しました。JR御嶽駅改札前でもわさびを売ってましたね。