6/10眠れる森の美女(@新国立劇場)

「眠れる森の美女」(6/9@新国立劇場)を観ました。

この日の主役のオーロラ姫とデジレ王子は、小野さん、福岡君。簡単な感想は「やはり小野さんはいい!」(←毎度感想はこればっか)です。1幕から3幕を通して、踊り方が違いました。

1幕、オーロラ姫の16歳の誕生日。王・王妃や姫の求婚者などが主要な人物が待ちわびている中に、オーロラ姫が登場します。

舞台袖から登場した瞬間、小野さん演じるオーロラ姫は「あ!」と発するように大きく口を開け、笑顔を見せます。舞台を観ている観客に向けての笑顔というのではなく、オーロラを待っている王・王妃他大好きな人たちの姿を遠方から見つけたことによる嬉しさにから自然に出てきた動作という感じです。舞台袖から登場したほんの短い時間の演技なのですが、出てきた瞬間から小野さんのオーロラ姫の演技は始まっているようです。そして大好きな人たちの元に早く駆け付けたくて小走りになり、舞台中央に登場という流れ。

演技や踊りから、1幕の小野オーロラ姫は両親の愛情をいっぱい受けて、明朗で快活、そして愛らしさを持つ人物に見えます。ローズアダージオは大抵のバレリーナは緊張するようですが、小野さんの場合も慎重にしている感じを受けました。アティテュードプロムナードの連続で、早く支え手をつかみたいのに、優雅さを失わずキープしながら一人の求婚者から次の求婚者の手をそっと取らなければならないなんて、酷な場面です。

2幕、幻影の場。幻影のオーロラ姫がデジレ王子と邂逅する。この場面の小野オーロラ姫は1幕の踊りとは様子が違い、現実感がありません。眠っているんだろうな、オーロラ姫はデジレ王子と出会った夢を見ている、夢うつつなんだろうなという感じです。

目覚めのパドドゥ。ロメオとジュリエットのバルコニーのシーンのようで別に無くてもいいんじゃないかと個人的には思いますが、オーロラ姫の恋心の芽生えを描く場面として必要なのかも。激しく恋心を燃え上がらせるのではなく、デジレ王子に少しづつ心を寄せていくオーロラ姫。

3幕の小野オーロラ姫も1、2幕とは踊りの質が違います。両親に庇護されている娘っぽさがなくなり、自覚を持った大人の女性を感じさせる踊り。そして足先、指先だけでなく全身で音楽を奏でているような踊りです。きらきらとした姫オーラと幸せオーラが満載。

福岡君のデジレ王子はノーブルで、包容力がある感じです。マネージュは若々しさと健康、力強さを表していました。

グラン・パ・ド・ドゥのアダージュでフィッシュダイブ(?)が3回ありますが、3回目で盛大な拍手が沸き起こりました。フィッシュダイブで拍手したことがありませんが、した方が良いのでしょうか。

他のダンサーについても少し。6人の妖精について。6人の妖精の感想は6/9の初日のものです。(最初、6/9の感想を書いていて、6/10に書き直してたときに、6人の妖精の部分だけ、6/9のものを残してしまっていました。)

寛容の精の飯野さん。このダンサー、良いなと思うといつも飯野さん。言い方は失礼かもしれませんが、名バイプレイヤーです。

喜びの精の五月女さんは、いつも確かなテクニックで安心して観れます。

勇敢の精の奥田さん。勇敢の精、個人的に指差し確認の精と呼んでますが、ピシッと決まるパが観ていて気持ちが良い。良いダンサーです。

気品の精の寺井さんは、顔立ちは大人っぽいですが、女性らしい踊り。

式典長の菅野さんは気の小ささが随所に見られる演技。カラボスに対する動揺ぶりや、編み針を庶民女性から取り上げたものの、王様から問い詰められるとすぐ白状してしまう際の演技に、小心者のキャラをのぞかせていました。

カラボスの本島さんは存在感、演技が抜群。踊りもかっこいい。本島さんの演技からは台詞が聞こえてくるようでした。「それじゃあひとつ、わたしからも贈り物をしてやろうかねぇ。」と。重苦しい場の空気を一身に受けて、観客の注目を決してそらさせない存在感が光ります。

フロリナ王女の米沢さんはとても可愛らしく、青い鳥の渡邊君は力を入れない軽やかで高いジャンプが目を引きました。

 

体力不足を実感、滝子山

登山ツアー2日目は滝子山です。この日は岩場練習より、1000m登って1000m下りる長時間歩行がメインです。

1日目の宿泊施設のビジネスホテルからタクシーに分乗して、桜森林公園登山口まで向かいます。

森林公園登山口からしばらくは穏やかな勾配の道ですが、そのうち林の中の急登になります。そして林道に出合う。林道に出合うまでの急登は、記憶があいまいでうろ覚えですが、休憩が1回もなかったような。鷹ノ巣山の急登を思い出しながら登っていましたが、自分ひとりだったら絶対途中で何回も休憩をとったはず。

林道でしばしの休憩。林道では次の登山道に出合うまで標高をかせがず、人心地つくことが出来ました。林道に出合うまで同じルートを歩んでいた単独行の年配男性がいましたが、その男性は我々ツアー一行とは別のルートである南稜ルートを登っていきました。南稜ルートは林道をちょっと横切ったら、すぐにまた急登の登山道が始まるコースです。見ていたこちらは「えっ、あの男性、あのルート登るの?」と思いましたが、単独行の年配男性はかなりの健脚なのかもしれません。

ほぼ勾配のない林道で人心地ついたと思ったら、次の登山道はまた急登の連続です。やはり4月に登った鷹ノ巣山奥多摩の山々を思い出します。「あと少しでトラバースする道になる。」とスタッフの方に言われても、さっきより急ではなくなったけれど、やはり坂道です。おまけに途中からは、以前は登山道として記載されていたけれど、数年前から登山地図に載っていない、一部崩落しかかった道を行き、ヒヤヒヤものです。

自分ひとりで登るより速いペースで歩みは進み、檜平に到着です。檜平は広く開けた平らな広場。ツツジがきれいに咲いていました。ここで休憩を取っていると、森林公園登山口で颯爽と我々ツアー一行を追い抜いていった単独行の女性登山者が、滝子山山頂に繋がる坂をこれまた颯爽と下りてきました。登山口でお見かけした時からデキそうな女性に見えましたが、もう山頂から戻ってきたようです。早い!

休憩が済んだら、登りは男坂から滝子山山頂を目指します。これまた急登、そして、山頂に近づくと岩交じりの道になります。

檜平から男坂を登っての山頂までのルートタイムは、50分とのこと。この日の登山は原則、急登の途中で休憩は取りません。休憩を取らないのはいいとしても、歩むペースが早い。呼吸が苦しくなってきます。

ツアー一行から抜けて、山頂には行かず、下山時にまた寄ることになる檜平に先に戻って待っていようか。こんな思いが、何度も頭をよぎりました。ですが、他の参加者の歩みが止まる様子はなく、そんな中を一人脱落宣言をする勇気もありません。ツアーの良いところは、他の参加者も頑張っているのだから自分も頑張ろうという気になるところです。結局、他の参加者の歩みにつられて歩き続けて、滝子山山頂(1620m)に到着です。檜平から山頂までにかかった時間は40分。ルートタイム50分より10分早いのだから、どおりでペースが早いはずです。

山頂は晴れてはいましたが、雲が出てきてしまい富士山は見られませんでした。雲がない晴天の日はいい眺めが期待できるのだとか。ここにもツツジがきれいに咲いていました。滝子山は1日目に登った乾徳山のように山頂に着くまでに渋滞があるわけでなく、山頂もある程度広さがあって良いですね。山頂まで行けば、登りの苦しさを忘れるミラクル。

下山は女坂を下って檜平を経由し、藤沢子神社の方に下りていきます。女坂は男坂より勾配は緩やかなものの、なにげに滑りやすい。下山もペースは緩めず、さっさか下ります。檜平で休憩を取ったら、林の中の整備された道をずんずん下ります。林の中で目に付いたのはエゴノキ。見上げれば、真っ白で小さな花がいくつも枝についています。視点を足元に向ければ、その小さな花が地面にたくさん落ちています。地面の濃いこげ茶色と花の白さのコントラストが鮮烈で、薄暗い樹林帯の中にいるのに、どこか他の素敵な場所にいるような気分になりました。

下山していくと、水場に到着。水場は沢の水。登山中は湧き水でない場合は飲まない方が良いということで、飲みはせず、冷たさを楽しむという感じです。水場にはベンチもあります。

水場を過ぎれば、沢沿いの道を下っていきます。登りは急登、下りは樹林帯の後は沢沿いって、ますます4月に行った鷹ノ巣山のコースに似ています。といっても滝子山の沢沿いのコースは道がしっかりしていて危ないと感じるところはありません。渡渉が何か所かありましたが、浅い流れの沢で、渡るのに手こずるようなところではありません。

最後の沢も渡り、あとは広く平坦な道を、タクシーが待っている藤沢子神社まで向かって、滝子山登山は終了です。ああ疲れた。下山後に登山講師から「皆さん、体力は充分です。」とお墨付き(?)をもらいましたが、高山だと酸素が薄いから今回のようなペースで歩き続けるのは、わたしにはきついかもしれません。さあ困った。

温泉に立ち寄り、大月駅へ。大月駅そばの桔梗屋桔梗屋商品が充実していて、なかなか良しでした。大月駅からかいじ120号に乗って、今回の登山ツアーは終了です。

乾徳山で岩場練習

登山ツアー1泊2日で乾徳山と滝子山に行ってきました。

1日目は乾徳山で岩場の練習です。

ツアーは新宿駅から始まりです。前日、「リーズの結婚」を観に行ってしまったせいと、いつもツアー前日はあれこれ考えてしまうせいで、なかなか寝付けず猛烈な寝不足で、すでに頭痛がします。前途多難。

新宿から特急あずさ3号に乗り、塩山駅に到着。ここからはツアー参加者4人づつタクシーに分乗して、大平牧場に向かいます。

大平牧場からは途中車道に合流するところもあったりしますが、車道を過ぎた後は普通の登山道です。この登山道は林の中ですが、ミツバツツジのトンネルになっています。といっても、ツアー参加時はツツジの花が落ちてしまっているものが多く、あと1週間早ければ赤紫色のツツジの花のトンネルの中だったはず。

ミツバツツジが生えているところはなだらかな勾配の登山道ですが、それでも少しづつ標高が上がるにつれ、花が残っているミツバツツジが増えてきていました。植物は環境に敏感のようです。ミツバツツジのほかに、朱色のツツジヤマツツジ?)も時折咲いていました。

楽しいミツバツツジのトンネルを抜けると、樹林帯から視界が開けた草原に到着しました。ここに他のルートとの合流地点がありますが、見ると他のルートから続々と登山者が登ってきます。ミツバツツジのトンネルコースでは他の登山者は見かけなかったので、それほど登山者はいないのかと思っていましたが、とんでもない。きれいに富士山や南アルプスが見える扇平で休憩をとっている先行グループもいるし、そのあとにも別のグループがいくつも続いています。登山日和の5月の土曜だから、たくさんの人が登りに来ていたわけですね。

扇平を過ぎると、岩場が出現してきます。今回のスリングの簡易ハーネスとカラビナを使う岩場の練習は、鎖場になっているカミナリ岩(?)と山頂直下の鳳岩です。

鎖場に行くまでに、片側が崖になっている狭い岩場を通ったり、岩と岩の間の狭い鉄梯子を降りたり、扇平までののどかな登山コースとは様相が異なってきます。寝不足による頭痛でクラクラしていますが、気を引き締めて通過します。

カミナリ岩(?)につくと、ツアースタッフの登山講師がカラビナを通すロープの準備をします。カミナリ岩(?)には鎖が2本垂れていました。下から見て右側の鎖は、岩盤を斜めに上がっていくように垂れており、左側の鎖は上部からまっすぐ下に垂れています。我々ツアーは右側の斜めに垂れている鎖を登ることに。

ここで渋滞が発生です。扇平近辺で他の登山グループが続々と登ってきていましたが、鎖場でも後から後から登山者がやってきます。

我々ツアーはスタッフの方を含めて総勢21名。他の登山者から見れば、土曜日にこんなところで岩場の練習なんかやるなよ、という感じでしょう。ただでさえ人数が多いのに、カラビナのかけ替えをやっているので、余計時間がかかります。他の登山グループに先に登ってもらいますが、次々に他の登山グループも鎖場に到着してくるし、上からは下山者が鎖場を降りてきます。

これでは時間がかかりすぎるということで、ツアーメンバーの残り1/4は上部からまっすぐ垂れている鎖の方を登ることになりました。斜めに登る方が易しそうですが、まあ仕方ありません。ここはまっすぐに登るといっても、岩がゴツゴツと突き出ているところが多くあり、足や手をかけるのに適した場所に不足はなし。といっても、今まで参加した岩場練習ツアーよりはきびしい・・・。

カミナリ岩(?)の次の岩場練習場所は、山頂直下の鳳岩。ここも渋滞ポイントですが、乾徳山というとよく画像に出てくる、ほぼ垂直の切り立った岩場です。

鳳岩は、山頂の方から一本だけ鎖が垂れています。事前にみた画像では、どこに手足を置いたらいいか分からなそうでした。いや、でも、現地に行って実物を見れば意外と登りやすいのではないか、という淡い期待を持っていましたが、鳳岩を前にして打ち砕かれました。どこに足をかければいいのだろうか?

とりあえず渋滞が発生しているので、ここでも他の登山グループに先に行ってもらいます。でもやはり、後からさらに他のグループがやってくるので、どうしても渋滞はひどくなります。

鎖をつかんで腕の力で登っていくのでなく、鎖は補助的に持ち、手足を岩場にかけて登っていく。岩にクラックが入っていて、そこに足をかけられるから、見た目ほど足場がないわけじゃない、というのが登山講師のお言葉。

岩と岩が直角に交わっているところにザックごと背中を強く押しつけ、その反発を使いつつ、クラックを足場にして、身体を上にあげていく、のが登るコツという。

同じツアーの先行者が登るさまを見て、イメージトレーニング。自分の番になり、クラックに足をかけようとしますが、靴がクラックに入りません。講師の先生は「もっとグッと足先に力を入れて、クラックに靴先を入れるんだ。」と言いますが、やはり入りません。靴先がクラックに入らず、もがき続ける。

すると、講師の先生は諦めたのか、「もういい。腕で登っていいから。」

腕で登る方が、足場を探しつつ登るよりはラクでした。が、足場を確保できずに宙ぶらりんになった場合、腕力だけで身体を保持し続けるのは難しい、そのため足場を確保しながら登ること、と以前言われていました。ああ、ダメな登り方をしてしまった・・・。おまけにモタモタしていたせいで、渋滞をさらに酷くしてしまった。

良くない登り方で気落ちしたものの、山頂に着いたら眺望の良さに気分が晴れました。山頂はそんなに広くありませんが、ゴツゴツした岩がいくつも突き出ていて、岩の上に小さな祠があります。360度の展望が気持ち良い。

下山は登りと同じルートで大平牧場まで下りていきました。といっても鳳岩は巻き道を通りました。鳳岩は登りだけの一方通行なのか、下ってもいいのか知りませんが、下るとしたらレスキュー隊員のような下り方をする姿しか思いつきません。

下山中、唯一の慰めは、樹林帯の中で鹿を2頭見かけたことです。靴底が固いと小さな足場でも滑らず、身体を保持できると添乗員さんに教わったのも勉強になりました。

こんな感じで、なんとか1日目の乾徳山は終了しましたが、頭痛を抱えての登山は本当に疲れました。ふう・・・。

 

 

 

 

リーズの結婚

今更の感もありますが、5月のバーミンガムロイヤルバレエの「リーズの結婚(@東京文化会館)」を観たので、だいぶ内容を忘れてしまいましたが、ちょっとメモ。

主役のリーズは平田桃子さん、相手役コーラスはゲストでパリオペラ座エトワールのマチアス・エイマンです。

リーズの結婚を観るのは今回が初めてです。英国ロイヤルバレエ来日時に上演されたり、国内のバレエ団のレパートリーにも入ってたりしますが、タイミングが合わず見逃していました。初見のリーズの結婚ですが、明るくて楽しいバレエでした。

平田さんはとてもスレンダーなダンサー。細いけれど弱々しさはなく、明るく元気、かわいくて茶目っ気のあるリーズでした。ハマっている役柄で、テクニックにも不足がなかったので、リーズって平田さんの当たり役なのでしょうか。

複数名の女性ダンサーがリボンをそれぞれ持って、時計周りに移動していく。その真ん中ですべてのリボンを持って、アティチュードプロムナードでバランスを取り続けるリーズ。眠りのローズアダージオの変形判みたいなものですが、バランスを取るのが大変そうです。平田さんはちっともグラリともせず、笑顔でこなしていましたが。

一方のマチアス・エイマン。雑なところがなくて観ていて気持ちのいい踊り。踊りやスタイルは洗練されているけれど、顔立ちが庶民的なので、ちょっとカッコいい村人という感じです。

リーズの結婚と言えば、リボンを使った踊り。画像でよく見かけていましたが、実際の舞台を観ると、あっという間に対角線状のバッテンマークをリボンで作り上げたり、くるくるとリボンを身体に巻き付けたりほどいたり、よく絡まないものです。ダンサーは簡単そうに見せていますが、普通に踊るより小道具(リボン)を使いながら踊るのは大変なはず。

平田さんとマチアス・エイマンは違うバレエ団ですが、パドドゥは危なげなく、リフトもスムーズで、入念にリハーサルを重ねていた感じを受けました。

にわとりの踊り。全身着ぐるみで踊られる、にわとりの踊り。動き出しは頭からとか、脚の動きとか、よく見るとちゃんとにわとりを観察して作られているのが分かる踊りでした。イギリスのバレエ団って、全身着ぐるみの動物役を出演させるのが好きなのかな。動物ではないけれど、ビントレー版パゴダの王子にも全身着ぐるみの謎の生物(キャスト表によるとパゴダ人らしい)が出ていたし。

にわとりの踊りで演出なのか、アクシデントだったのか不明な点が一つありました。

2幕の冒頭だったか、にわとりが一列になって踊っていて、趾をかたどったダンスシューズが一足、脱げて舞台上に落ちていました。舞台上のにわとりダンサーズはシューズが脱げても慌てず、踊り続けています。その舞台上に転がったダンスシューズが気になり、どうなるのだろうと興味深くジッと観察していました。

にわとりダンサーズが舞台下手にはける段になってもダンスシューズは転がっています。すると、そのうちの一羽のにわとりダンサーが、転がっていたダンスシューズを勢いよくスコーンと蹴りました。そのままの勢いでダンスシューズは舞台下手袖に入っていきました。アドリブのように見えたのですが、蹴る勢いとコントロールが絶妙で、アドリブだったらあそこまでうまくいくものだろうか、いやこういう演出なのだろうか?アドリブでも元々の演出でも、蹴ったダンサーの絶妙さは良い味を出していました。

木靴の踊り。牧歌的な音楽にのせて、タップダンスのように木靴をならす踊り。足さばきが見事で、楽しい踊りでした。シモーヌ母さんの後ろで踊る、木靴ダンサーズが何だがかわいい。

舞台の最後。リーズとコーラスの結婚式が終わってめでたし、めでたし。誰もいないリーズの実家にそっと侵入するバカ息子アラン。置き忘れていた赤い傘を見つけて大喜び!リーズと結婚しそこなったことより、傘の方が大事なんだね、不法侵入しても。憎めないキャラクターです。

舞台にあまり関係ありませんが、農夫男性陣がそろって着ていた水色の上着。幼稚園生や保育園生が着用するスモックに似ています。上演中、あれはスモック?と疑問に思っていて、帰宅後検索。ウィキを見て、納得です。

「農業従事者に使用されていたもの」とあるので、農夫役ダンサーが着用していたものはスモックで間違いなさそうです。バレエ見て、スモックの歴史(といってもウィキをみただけ)を知ることになるとは、思いもよりませんでした。

薬王院のお土産当選

高尾山薬王院のお土産セットが当選しました。

高尾山トクトクブックで4つ以上スタンプを集めると、抽選で当たるプレゼントに応募できます。どうせ当たらないだろうと今まで応募しなかったのですが、今回は気が向いて応募してみました。選んだプレゼントは薬王院のお土産セット(当選数20名)。

すっかり応募したのも忘れていましたが、京王エージェンシーから宅配便が送られてきました。それを開けると、なんと、トクトクブックプレゼント当選のお知らせと景品のお土産セットが入っていました!京王エージェンシーさん、ありがとう。

薬王院のお土産セットの内容は、薬王院茶(18種類の野草茶)、権現力(希釈して飲む健康葡萄酢)、天狗黒豆(豆菓子)です。健康になれそうなアイテムばかり。なかでも薬王院茶は、クコの実、ハト麦、明日葉ほかの野草が原材料で、どんな味か少し心配ですが、健康に良いのは間違いなさそうです。

「商品ご購入のお客様3000名に抽選でプレゼント」みたいなものには全く当選しないのですが、当たることもあるのですね。トクトクブックの抽選プレゼントはいくつかアイテムがあったので、その中で薬王院のお土産セットはたまたま応募者が少なかったのかもしれませんが。

というわけで、高尾山トクトクブックでスタンプを集めているなら、応募すればプレゼントが当たるかもよ、というお話しでした。

破線ルートで小仏城山にいく

日影から破線ルートを登って、小仏城山に行ってきました。このルートで小仏城山に行くのは、今回で2回目です。

日影バス停から駐車場の横を通って、破線ルートの入り口へ。破線ルートの入り口は道標がなく、少し分かりにくくなっているので、(確かこっちの方だったはず。)とキョロキョロしながら歩きます。

しばらくすると、沢の渡り口にたどり着きます。この入り口が日影バス停から歩いてくる時に見えにくい。前回もそうでしたが、今回も入り口のすぐ横に車が停まっていて、入り口が車の陰になってしまい隠れてしまうのです。

そのまま整備された道を歩いていけば、日影林道を行くことになりますが、破線ルートの入り口は右側の沢を渡るところ。渡渉の先に細い登山道が見えます。

さて早速、渡渉するのですが、前回(去年の12月)より水量が多いような気がします。幅が1mもない沢ですが、水にぬれず水上に顔を出している飛び石は一つのみ。他の飛び石は沢の流れで水を被っていたり、ぬれたりしています。滑るかな、大丈夫かなと思いながら、エイヤッと渡ると無事渡れました。

林道を行きつ戻りつしていた登山グループもわたしの様子を見ていたらしく、渡渉してきました。破線ルートを行きたかったけれど、ここが破線ルートの入り口か判断がつかなかったようですね。道標がないから、やはり初めての人には分かりにくいらしい。

破線ルートといっても、道は多くの人に踏まれてしっかりしていて危ないところはありません。ただし道標は、かなり先(小仏城山まであと5~10分くらいのところ)の日影林道に合流する地点までありません。道の途中でカエデの木に、「←(矢印)城山」と直接赤いペンキのようなもので書いてあるのが、唯一の道標かな。

道標がないといっても、しっかりと踏み跡のある登山道で、道迷いを心配する必要はないと思います。道中に東京農大の記念植樹の看板も立っているくらいです。たまに、直進して登る道のわきに、巻き道のような迂回する細い道がつながっているところもありますが、細い道は無視してひたすら登ります。

登山道のイメージは登り続けて急な坂をちょっと下り、平坦な杉林を歩いて、また登るという感じです。登り始めに広葉樹の中が続き、片側広葉樹でもう一方が針葉樹の中の道を過ぎ、針葉樹の林を抜けると、尾根に出て視界が開けます。ずっと林の中を歩いていて、尾根に出たときの解放感がたまりません。といっても、林の中を歩いていたので比較的涼しく、暑すぎてバテることがなかったのは良いところ。人が少なくて静かなところも、このルートの良いところです。

尾根を歩いていると、カメラを構えている人が見えました。カメラの先に、釣り鐘型の濃い紫色の花がいくつも咲いていました。何の花なのか分かりませんでしたが、今回の全行程でこの花を見たのはこの場所だけ。そういえば、頸椎椎間板ヘルニアの放散痛と闘いながら登っていて、花を見る余裕がありませんでした。撮影している人がいなかったら、きっと見落としていたはず。帰宅後ネットで検索してみると、実は、この破線ルートでは色々な花が見られるそうです。花も見ずに登って、もったいないことをしてしまいました。

尾根道を過ぎると、舗装された林道に合流します。ここまでくれば小仏城山山頂まであと少し。

小仏城山に到着すると、中学生か小学6年生くらいの男子生徒がたくさん。どうやら学校の行事で景信山まで行くようです。城山茶屋でかき氷を注文している生徒に、食事をしていないで景信山へ向かうよう、先生が注意しています。でも次から次へとやってくる男子生徒たちは「ここの名物って、かき氷となめこ汁だって。どうする?」と言っては、かき氷を注文して食べています。なおも先生は声を張り上げていましたが、多勢に無勢です。ちなみにわたしは初めておでん(500円)を注文してみました。おでんも悪くありません(添えられた辛子がかなり辛かった)が、滋養のあるなめこ汁の方が身体に染み込む感じでいいですね。

 小仏城山で休んだら、高尾山に向けて出発です。小仏城山を下山していると、小学3~4年生ぐらいの集団が続々とやってきます。今度の集団は女子児童ばかり(と引率の先生)。そのあと、一丁平の巻き道の分岐で保育園生の集団と、高尾山頂でお弁当を食べている小学生の大集団に出くわしました。この日は近隣の市町村の遠足の日だったのでしょうか?

小仏城山から一丁平までの間は、キンラン、ギンラン、エビネの花が咲いていました。これらの花の名前が分かったのは、管理票(?)が花のそばに置かれていたから。記憶にありませんが、こういった管理票って前はあったかな?盗掘防止のための管理票のようですが、思いもよらず花の名前が分かってうれしい。

もみじ台は巻き道を通り、高尾山頂へ。学校行事で来ているらしき小学生の大集団が、至る所でお弁当を広げています。大集団に圧倒されて休憩もそこそこに下山開始をしたら、山頂で見られるというホオノキの花を見そびれてしまいました。巻き道を使ったのでもみじ台のホオノキの花を見られず、山頂でみようと思っていたのですが・・・。残念。

1号路をケーブルカーの高尾山駅まで下りてきたら、駅近くの店舗が視界に入りました。長らく改装中でしたが、お土産屋さんや飲食店がきれいになっています。飲食店は1階は券売機式のカジュアルなお蕎麦屋さん、2階はスミカテーブルというおしゃれなカフェ(入店していないので詳細不明)です。カフェの方はそのうち入ってみたい気もしますが、観光客の中で登山ウェアの自分が浮いてる姿が想像できて、なんとなく入店が躊躇われる・・・。

高尾山駅で高尾・陣馬スタンプハイクのスタンプ、高尾山トクトクブックのスタンプを押したら、琵琶滝コースから下山です。沢沿いの可憐な花、ふもとの民家近くで乱舞する何羽ものクロアゲハが目を楽しませてくれました。

3、4月に集中的に登っていた奥多摩の山もいいですが、アクセスが良くて無理せず登れて安心感のある高尾エリアはやはり良いですね。

5/6白鳥の湖(@新国立劇場)

小野さんと福岡君の白鳥の湖を観てきたので、ちょっとメモ。

GWの最終日ということで、家族連れや普段バレエは観ないらしき(聞こえてきた会話から推測)人たちが、けっこう来場してたような感じです。一方、キャンセル待ちらしき人の列がチケット売り場近くに出来てました。小野さん主演の日は、たまにキャンセル待ちの列が出来ていることがありますね。新国立劇場の日本人バレエ団員主演の日でもキャンセル待ちの列が出来るんだ、と胸が熱くなります。(といっても、そもそも公演日数が少ない。)

さて、主演の小野さん。やはり音楽性があり、音の嵌め方が極上です。リハーサルで音合わせをしているといっても、その都度人間が奏でている音楽なのですから、毎回まったく同じとは限りません。それを自身の動きをコントロールして、きっちりと合わせてきます。ちょっとしたステップも、オケの一音一音を細かくとらえます。

2幕のオデットのヴァリエーション、オケが同じフレーズを4回繰り返しオデットが4連続ピケターン×4をする部分。フレーズが繰り返されるごとにオケの音が強くなっていきますが、そのオケの音の強弱に合わせて、小野さんの踊りも強さを帯びてきます。オケの音を踊りで表現し、オケの音を全く無駄にしません。演技に関しては、福岡ジークフリードとの間に愛が見える。愛を深めていく過程で、柔らかく王子のサポートを受けるパ・ド・ドゥは淀みがなくてうっとりしてしまいます。

3幕の小野オディールですが、妖艶さや邪悪さとは無縁のオディールです。王子を騙そうという気はあるのでしょうが、小悪魔っぽいというか、いたずらが好きで人の注目を集めるのが好きな生身の人間のような人物造形です。オデットの高貴だけど儚げなで現実感が薄い存在感とはまったく違います。

もう少し言えば、小野オデットは男性に守りたいと思わせるタイプ、小野オディールは振り回されるけど自分のものにしたいと男性に思わせるタイプでしょうか。たおやかな白い花のようなオデットと、大きく真っ赤な花のようなオディール。小野オディールは笑顔がこぼれまくり。オデットの笑顔なんて、2幕では皆無でした。

ところで、相手役の福岡君。踊りは悪くはないけど絶好調というわけでもなさそうでしたが、佇まいが高貴で演技も良かったです。2幕では優しくオデットの心を解きほぐす。

3幕の冒頭は、心ここにあらず。昨夜のオデットとの出会いを反芻しているのでしょうか。といっても色ボケしているわけではありません。物思いにふけっているようでも、高貴さは失いません。

花嫁候補がひとしきり踊りを披露すると、王妃が満足げな笑みを浮かべ「選りすぐりの姫ばかりで、どの姫もこの国の妃になるには不足なし。さあ、気に入った姫を選びなさい。」とばかりに王子を促しますが、6人の美姫を前にしても王子は眉一つ動かさない。一人ひとりの姫と対面すると礼儀正しく接し、姫君たちを辱めるような強い拒絶はしないけれど、決して笑みは浮かべない。

そんなところで登場したオディール。魅力的な笑みを浮かべ、昨夜とは雰囲気が違うオデット(本当はオディール)に戸惑う王子ですが、オディールの巧みな演技で「これはオデットだ。」と脳内補正。

小野オディールの存在感、踊り、すべてが魅力的で、(これは持っていかれるわ)と思います。下手にいる王子に向かって、上手から高速ステップを踏みながら近づいていくオディールのさまは、猛禽類が獲物を狙っているように見えました。これは逃げられない・・・。

嘘の誓いをさせられたことが露見すると、福岡ジークフリードはオデットの元に行かなくては、と森を目指します。演出によっては、どうしようと母王妃に泣きつき、そして乱れた心のまま森へダッシュするものもあります。が、福岡ジークフリードは混乱しつつもオロオロしたりせず、オデットの身を案じて森に向かったように見えます。この王子の人物造形の要は、誠実さでしょうか?関係ないですが、福岡君の指に絆創膏が巻いてあったのが目に入りました。舞台の途中で怪我した?

舞踏会に招かれた客の踊りでは、やはり細田さんのルースカヤ。丈の長い衣装のすそ捌きと、回転すると意外に大きく広がるすその遠心力で、結構踊るのが大変そうだと思います。ですが、最初から盛り上がる曲や踊りではないので、その大変さが伝わりにくいかもしれません。フィニッシュに向かって回転に次ぐ回転。よく衣装が邪魔にならないものです。盛り上げて、踊りは終了。うまく纏めていて、細田さんの上手さが光ります。

4幕はオデットとジークフリードの愛の強さが伝わってきました。小野オデットの許しと福岡ジークフリードの誠実さがポイントです。

ロートバルトとの戦いが終わり、夜が明けます。小野オデットは朝日が射しても、人間の姿のままの自分の姿に驚いています。悪魔の呪いが解けた!小野オデットの顔が喜びに輝きます。終始儚げな表情だったオデットの顔が、生き生きとしていきます。傍らには愛するジークフリードがいて、明るい未来が待っていそう。と、希望を持たせたところで、幕。

愛が見えるいい舞台でした。マンネリかと思っていた白鳥の湖ですが、実はオペラ劇場では約3年ぶりの上演(こども劇場は除く)だったので、かなり楽しめました。小野・福岡組の舞台はやはり満足度が高いです。