御岳山、大岳山

8月といえば、御岳山のレンゲショウマ。8月中旬は雨続きで、花も見ごろではないというので行く気になれず。レンゲショウマが見ごろになったというので、残暑厳しいなか、行ってきました。

今日のコースは、行きはケーブルカーで御岳山駅まで行って、富士峰園地~御岳山(御岳神社)~長尾平~七代の滝~ロックガーデン~綾広ノ滝~芥場峠~鍋割山分岐~大岳山。帰りは鍋割山を通らない天狗ノ腰掛杉方面に行くルートをとりました。

 

御嶽駅に着いたら、登山者がたくさん。レンゲショウマが見ごろを迎えたし、ぐずついた天気におさらばした今を逃したらもったいないと思うのは、誰でも一緒ということですね。

こんなに人が多いと、急がないとバスに乗れないかもしれない、と道をはさんだ向かい側の停留所へ急ぎます。バスに乗り込み、後ろを見ると、乗れない人の長蛇の列が。車内をつめても乗れない人が多数のため、やっぱり出ました、増便が。

こういう登山口に行くまでのローカル路線のバスって、行きは登山者を乗せて運賃をしっかり稼げますが、帰りは地域住民がたまに乗るくらいで、かなり空いているはず。ましてや増便した日には、ガラガラの車両が2台走ることになるので、経営的にはどうなのだろう、といつも思います。

バスが終点に着いたらケーブルカーに乗り、御岳山駅へ。御岳山駅に着いたら、レンゲショウマが咲き誇る富士峰園地はすぐ。

富士峰園地では、レンゲショウマがそこここに咲いています。薄い藤色で花弁の先が濃い紫色に染まった、レンゲショウマ。うつむき加減に咲いている花がおくゆかしい。かさのように広がった部分は、じつはガクだといいます。そう言えば、よく見ると黄緑色になっている部分があったりする・・・。レンゲショウマが圧倒的に多いですが、タマガワホトトギスとヤマジノホトトギスも少し咲いてました。

レンゲショウマの鑑賞が終わったら、御岳ビジターセンターを経由して御岳山へ。御岳の集落を歩いている途中、ピンク色のシュウカイドウが目につきます。景信茶屋の野草天ぷらのシュウカイドウが、酸っぱくて美味しかったことを思い出します。

ビジターセンターでは御岳山の花々の写真が載ったA4サイズのシートを入手。きれいな写真で、道中出会った花の確認に役立ちました。

御岳山(御岳神社)は、暑い!御嶽駅に着いたときは、都心よりは涼しいという感じでしたが、日を遮るものの無い参道や境内は、やはり暑い。参道に設置された、両端にカッパが配された石のベンチも、熱い。

御岳山の後は、涼しさを求めて七代の滝とロックガーデンへ。七代の滝へ続く道はひたすら下ります。この下っているところを後から登り返すのは大変そう。子供がはしゃぐ声や滝の音がするので滝が近いのか、と思ってもなかなか着きません。ところどころで滝の音とはしゃぐ声が聞こえては、遠くなり、やっと到着。長尾平からのコースタイム20分より、長くかかりました。滝のそばはさすがに涼しく、清涼感があって気持ちがいい。

七代の滝から、鉄はしごを登ってロックガーデンへ向かいます。鉄はしごが長く、地味に疲れます。ロックガーデンに着くと、ここも涼しい!起伏がほとんどない所なので歩きやすく、岩の上をひょいひょい渡っていけるところもあり、楽しい。確かにロックガーデンです。渓流ぞいの散策というと奥入瀬が有名ですが、奥入瀬ほど圧倒的な緑はないけれど、ここも手軽で良い所です。清流を見て、「わさびを買わなきゃ。」とわさびを買う予定だったことを思い出しました。

ロックガーデンを散策中、渓流のそばでオレンジ色のとても目立つ花が咲いていました。渓流ぞいの彩りは、植物の緑、土の茶、小さめの花の白か黄色というのが定番のイメージなので、中型サイズの鮮やかなオレンジ色の花は際立って見えます。誰かが勝手に植えた園芸種の花か、と思ったら、御岳ビジターセンターでもらった一枚シートの花カタログに「フシグロセンソウ」と載っています。「夏の終わりをつげる花」と解説があります。暑いといっても8月下旬、確かに夏の終わりが近づいているのだな。

ロックガーデン、綾広ノ滝が終わったら、大岳山を目指します。ここからは鍋割山分岐まで、基本登りです。道は整備されていて大変な場所はありません。が、寝不足の上、なにしろ暑くて予想以上に汗をかいてしまい、体力を奪われます。夏の低山はやはり暑い。

大岳山に近づくにつれ、岩場が出現します。危険を感じる岩場ではなく、登りの時は楽勝。でも、疲れている下りの時は用心しなきゃと感じる場所です。ところどころに「これより岩場。滑落注意」の看板が立ってます。

危ないところも終わって、廃屋の大岳山荘のそばが大岳神社。神社のへんな狛犬を横目で見て、大岳山まであと少し。と思っても、意外に時間がかかります。階段昇って、また岩場を登って、登って。

そして大岳山に登頂。視界が開けると同時に、サーッと涼し気な風が吹いてきて、気持ち良い。前回はガスが広がり眺望がまったくきかなかった大岳山山頂でしたが、今回は曇りでありながらも周りが見えます。冬場だったら、もっとクリアに見えそうです。それにしてもトンボがやたらめったら飛んでいます。一体どこから飛んできているのやら。

ここまで想定以上に時間がかかってしまったので、サクッと昼食をとったら、下山を開始です。行きは余裕がなくチラ見だった大岳神社に参拝します。社殿に狼みたいな絵が描かれた護符が貼ってあります。後で調べてみたら、大岳神社は狼信仰の神社なのだそうです。そしてあの他では見ない特徴的な狛犬も狼を模しているらし

い。新種のバクに見えましたが、違った。それにしてもきらびやかな御岳神社に比べて、さびれていて物悲しい・・・。

帰り道は疲れているので、岩場・鎖場を慎重に進みます。登りではこんなところに鎖は不要では、と思うところでも、疲れている下りでは、やっぱり鎖がある方が安心感が違います。下りの方が脚の筋力や膝の力を使うので、登りでギリギリの思いをしていたら登頂せず、余力を残して下山するのも勇気ある選択なのかもしれない、などと思いながら下っていきます。

鍋割山分岐を過ぎたら、あとは危険な箇所はなく、安全な道が続きます。長尾平の辺りでしょうか、きれいなトイレが。ロックガーデンのあずまやにあるトイレは使う気になれなかったので、こんな清潔なトイレがあると嬉しくなります。きれいなトイレがあると、歓迎されている気になってしまう。

気持ちに余裕が出来たので、道端に咲く花にも目が留まります。薄い赤紫色っぽい花が咲いています。ビジターセンターでもらった花シートの夏バージョンには載ってません。あ、秋バージョンに載ってる!「ツリフネソウ」です。ほんと、この一枚シートの花カタログは使えます。厚みのあるコート紙で出来ているため耐久性があり、写真がクリアでそれぞれの花の判別がしやすい。ちょっとした解説も味がある。

帰りは予想以上に疲れたので、徒歩で御嶽駅まで下りる予定変更、ケーブルカーの御岳山駅へと向かいます。御岳山駅では、御岳山近辺を楽しんだ人々が長蛇の列。そしてケーブルカー下では、バスに乗る人の長蛇の列。御嶽駅でも家路につく登山者がたくさん。みんな楽しそうです。これにて今回の御岳・大岳山登山は終了。

忘れずにケーブルカーの滝本駅で わさびを購入しました。JR御嶽駅改札前でもわさびを売ってましたね。