アルチンボルドメーカー

先週アルチンボルド展(@国立西洋美術館)に行ってきました。9/24までの開催なのをすっかり忘れていました。

今回の展覧会はアルチンボルドの四季すべてと、それに対応する四大元素の絵画が全部そろって見られるので、そんな機会はめったにないらしい。なんでもヨーロッパの富豪が個人的に所有している絵が含まれているらしく、貸す貸さないは富豪の判断次第。お金に困っていない人なので、レンタル料を積めば喜んで貸すというわけではなかったようです。

さて、アルチンボルドの作品は、動物や植物などを組み合わせて人物を造形する見事さは、じっくり見ても見飽きません。どうしたらこんな組み合わせを思いつくのだろうと見入ってしまいました。

展覧会ではアルチンボルドに影響を受けた、他の画家の同様な作品も展示されていました。アルチンボルドの作品とその後継者たちの作品では、その出来に格段の違いがあるものが多く、アルチンボルドの卓越さを良く感じることが出来ました。後継者たちの多くは人間の顔を単純な組み合わせで表そうとしている一方、アルチンボルドはいくつものパーツを複雑に組み合わせて表現しています。

ハプスブルク家のイベントディレクター(?)としてのデザイン画も興味深かったです。

作品について難しいことは分からないのでこれくらいにして、四季・四大元素だけでなく展覧会に行く誘因になったのが、アルチンボルドメーカーの存在です。アルチンボルドメーカーはその前に立った人の顔を分析し、CGでアルチンボルド風に野菜や果物で人物の顔を描き出してくれるという代物です。

アルチンボルドメーカーは展覧会場の展示室に入る前に設置されていました。20人くらい並んでいましたが、どんな風になるのか試してみたいと思い、並んでみます。

待っている間、順番が来た人のアルチンボルド肖像画が次々に作成されていくのを見ることが出来ます。見ていると、似てないんじゃないかと思われる肖像画ばかり。

「え、あのきれいな子の肖像画がアレなの?」と、何をもってしてその造形にした?という出来です。まあ、本人たちは喜んでいたので良いのでしょうが、自分の番でどんな出来になるのか不安になってきます。自分のアルチンボルド肖像画は他の人に見られたくない、とんでもない肖像になりそうで・・・。

順番が回ってきました。「ドヒャーン」と鳴って、野菜と果物が次々と組み合わさって顔が形成されていきます。

出来ました!

目は開いておらず、唇は不明な野菜(?)で出来ててドス黒い。髪の毛は春菊のような葉っぱがあちらこちらに向いて生えてます。わたしの髪がボサ髪ということか!?(その通り。)ただの化け物にしか見えない・・・。いや、客観的に見たら、もしかしたら似ているのかも。

肖像画用に別料金払ってこの出来だったら納得いきませんが、展覧会に行った記念の一品としては良いのかもしれません。でも、もう少し盛ってくれてもいいじゃないかとも思います。