国際こども図書館

UENO WELCOME PASSPORTを使って4~9月の間、上野界隈の施設を訪ね歩いていました。

このパスポートは上野動物園や博物館・美術館の常設展などを1回づつ入場できるお得な代物です。

スタンプを集めると小さなクリアファイルをもらえたり、存在をしらなかったり入っていいのか分からなかったりする施設に入場するきっかけになるのも楽しみの一つ。

そんな施設の一つが国際こども図書館です。

こども連れでない大人が入っていいのか分からず、興味があるけれど入館するきっかけがなかなかありませんでした。パスポートの特典の一つとして、国際こども図書館の受付でポストカードがもらえます。というわけでポストカードをもらいにこども図書館に行ってみました。

国際こども図書館のレンガ棟は、外観からして豪華。建物はルネッサンス様式というやつらしい。石積みで建物を建築しているように見えますが、石を積み重ねている部分と、中はコンクリートになっていて、表面だけ石を貼り付けている部分があるそうです。

入口を入ってみると、外観からの予想と違い、意外に現代的な感じがします。ポストカードをもらって、恐る恐る1階の図書室内に入ると、天井が明るくて、開放的な感じがします。子供が楽しく過ごせそうな室内で、大人でもベンチに座って目についた本を読みたくなる空間です。

隣の世界の絵本が置いてある部屋は、寄木細工の床になっています。来館者に踏まれて傷がつきそうな部分にもこんな装飾を施しているなんて、昔の建物って凝っています。

吹き抜けの階段の手すりや扉、窓、照明も雰囲気があります。照明を吊り下げる天井には左官職人のフリーハンドによって一気に作られた装飾があって、職人の技術の見事さに感銘を受けました。どれほどの研鑽を積んだのだろうか、と。

2階の図書室には、過去に出版された児童書がたくさん。子供の頃に親しんだ「ちいさいおうち」が何冊もありました。版違いで絵本の大きさが違います。自分が読んでいたころの「ちいさいおうち」はどの版だったのだろうか、とワクワクしながら手に取ってみるのも楽しい。漆喰の白と木製品のこげ茶色で、落ち着いた室内でした。

レンガ棟はその他にも見どころたくさん。ガイドツアーに参加すると、見どころを職員さんの解説付きで見て回れるので、より楽しい。ガイドツアーでは一般来館者がふだんは入れない書庫の入場もありました。平日だけの開催なのがもったいない。

レンガ棟は時代の重みを感じさせる建物ですが、新しく作られたアーチ棟はまさしく現代建築という感じ。ですが、不思議とレンガ棟と調和し合っています。レンガ棟とアーチ棟に囲まれた中庭は、天気の良い日はすこぶる気持ちが良い。

細かいところまで手をかけた昔の建物や児童書好きの人は、一度来館してみるのがおすすめ。にぎやかな上野公園のすぐそばで、落ち着いた空間に身を置きたい時に寄ってみるのも良さそうです。