草紅葉の尾瀬

尾瀬至仏山の登山ツアーに参加してきました。

1日目は草紅葉の尾瀬ケ原散策、2日目は紅葉の至仏山登山です。

直前まで新幹線・路線バスによる尾瀬フリープランツアーに申し込んで、一人で尾瀬ケ原と至仏山登山に行ってこようと思っていました。が、プランで予約できる山小屋や至仏山へのアクセス、乗換にかかる所要時間を考えて、結局、団体登山ツアーに参加しました。登山ツアーだと乗換なしで、東京から一気に鳩待峠まで行けてしまうのが良い。

鳩待峠に着くと、尾瀬ケ原の日帰りツアー用らしきバスが何台も駐車していました。天気が良く、暑くも寒くもないハイキングに最適な日です。

鳩待峠から山の鼻まではところどころにウルシやナナカマドの紅葉が見られ、それほど紅葉は進んでいないようでした。植物の緑の葉と赤い実のコントラストを楽しみながら歩いていきます。

ミズバショウの葉っぱはクタッとした感じ。もうとうに花の時期を過ぎていますが、果穂の部分がごっそり無くなっていました。切断された部分が刃物で切られたようではなく、動物に食いちぎられたかのようになっています。「ニッコウキスゲの蕾のように、鹿に食べられちゃったのかね。」などと、ツアー仲間と推測しあいましたが、どうなのでしょう。

山の鼻が近づくにつれ、紫色のトリカブトの花が増えてきました。花だけ見ると美しく、とても全体に毒がある植物のようには見えません。

山の鼻に着いたら、ビジターセンターでこの時期の植物や、熊の冬毛と夏毛の違いを触って分かる展示などを楽しみました。そして翌日登る至仏山にある蛇紋岩の展示もチェック。ツルツルの暗い緑色~黒色に、ところどころに白地が入っています。展示のために表面を平らにしたのかもしれませんが、それにしても滑らかな表面です。こんな岩がそこら辺にある山なのか。

その後は、その日泊まる山の鼻小屋に荷物を置いて、尾瀬ケ原の散策へ。

日帰りハイカーが続々と尾瀬ケ原から鳩待峠への帰路につくなか、我々ツアー一行は尾瀬ケ原を進んでいきます。草紅葉が先端の茶色から黄色を経て、緑色へのグラデーションになって良い感じです。エゾリンドウの青紫の花が目を引き、葉っぱが赤紫色っぽくなっています。リンドウの葉も紅葉しているのでしょうか。池塘ヒツジグサも紅葉して黄色。カモが一羽、池塘でのんびりしていました。

途中で休憩を取りながら、どこまでも続く木道を歩きます。池塘に映る逆さ燧はさざ波がたっていたため、山容がきれいに映っていませんでした。とりあえず、池塘に映し出されたゆらめく燧ケ岳を撮っておきました。きれいな逆さ燧じゃなくても、遠くに見える燧ケ岳との対比が面白い。

だんだん冷たい風が吹き、雲が出てきて、だいぶ陽も傾いてきたので、キリのいいところで折り返して、山の鼻へ向かいました。もうこの時間帯では日帰りツアーの人たちは尾瀬ケ原にはおらず、竜宮や美晴方面の山小屋に向かうらしき人たちにちらほらと行き会います。

山の鼻への帰り道で、個人的に忘れずにチェックしておきたいものがありました。それはモウセンゴケ。ビジターセンターで山の鼻と牛首分岐の間の池塘で、紅葉したものが見られると教わっていたのですが、行きは頑張って見つけようとして見つけられず。ツアー一行のサクサクとした速いペースで見逃してしまいました。帰りは絶対見つけるぞ。

速いペースで歩きながらも、目を皿のようにして必死に探します。無いな、無いな・・・。

やはり見つけられないのだろうかとガッカリしていたら、ツアースタッフさんが前方で「モウセンゴケ!」と教えてくれました。赤く紅葉したモウセンゴケが群生してます。写真ではズームアップしているのでもっと大きいのかと思っていましたが、結構小さい。教わらなかったら、絶対また見逃していました。スタッフさん、ありがとう。

目当てのモウセンゴケをみたら、あとはゆっくり草紅葉を楽しみながら歩きました。まだ陽が夕焼け色になるには早く、だけど日中より柔らかな日差しになっています。そんな陽に照らされて、草紅葉が黄金色に輝いていました。同じところなのに行きに見た草紅葉の色とは色合いが違って見える。

お宿の山の鼻小屋に戻り、夕食までは薬草湯のお風呂に入ったり、窓の外の景色を眺めたり、ツアースタッフさん開催のお茶会に参加したりして、のんびり。お風呂の帰りに足裏マッサージ器が置いてあるのを見つけて、グイングインと足裏マッサージをしてみたり。流しに設置してある、給湯器に見せかけた給茶機でお茶を飲んだり。

部屋は8畳敷の和室で、真ん中にこたつが設置されていました。4人で8畳の部屋なんて、贅沢。ふとんを4人分、こたつを囲むようにして敷くことができた!

トイレは水洗、ウォシュレット付きで自動洗浄です。扉やドアノブは年季を感じるのに、トイレの設備自体は新しくて快適です。

夕食は品数豊富で、どれも美味しい。ごはん、小さなお椀に入った山菜そば、川魚の甘辛煮、花豆の炊きもの、田楽みそがけこんにゃく、なすのお浸し、根菜と山菜の煮物、卯の花の和え物、野菜ときのこの巾着煮、ポテサラ・野菜添えの鳥の炭火焼き風(?)、など。

夕食後は夜空に輝く星を見たかったのですが、曇っていて見えませんでした。山小屋に泊まって星空に恵まれないことが多いので、今回こそはと思っていたのですが、残念。