名に負う雨飾山①

雨飾山登山ツアーの2日目は、待望の雨飾山縦走です。

帰りの新幹線の出発時間と立ち寄り湯の関係で、2日目の出発時間は4:30。本来なら朝・昼ともにお弁当のはずでしたが、雨飾山荘の方の好意で朝4時に朝食を用意してくれることになりました。ありがたい!

3時に起きたら、それ程寒くなく、雨は降っていませんでした。これならアウターを着こまなくても大丈夫そう。

4時前に荷物を持って1階に降りてみると、既に食堂の配膳は済んでいました。メニューは、コシヒカリのごはん、あおさ入り味噌汁、サバの塩焼き、納豆、味付け海苔、ひじきの煮物、生野菜サラダ、スライスハム、卵焼き、漬物、ヤクルト風乳酸菌飲料など。宿の方の話だと、昨晩11時ごろ、夜空の星がきれいだったとのこと。就寝前は曇っていたから星を見ようとも思わず、夜中に起きても外も見ませんでした。残念。

食事を済ませて身支度も済ませ、玄関に行ったら、皆がカッパを着始めています。さっきまで雨が降っていなかったのに、いつの間にか降り始めていました。まったくやむ気配がないザーザー降りで、カッパの上下を着て、ヘッドランプをつけます。思いもよらない本降りの雨で、メンバーの身支度に時間がかかって出発が遅れ、4:40過ぎに雨飾山を目指して出発です。

登山口は雨飾山荘の敷地の端にあり、そばに何かのお堂があります。お堂に手を合わせ、登山の安全を祈願します。日の出前の真っ暗闇の登山道をヘッドランプをつけて進みます。岩や石がゴロゴロと埋まった登山道なので、ヘッドランプでしっかり足元を照らさないと危険。急登の連続だと聞いていましたが、初っ端から急登です。雨だし、真っ暗だし、岩が多くて足元危険だしで緊張しながら歩いていたら、前方の人の「足元カエル注意!」声が。見ると、登山道に体長10センチ位の大きさのカエルが座り込んでいます。ヘッドランプでこうこうと照らされても動じません。木の枝で動かそうとしても、てこでも動きません。生存本能が無いのか、多くの人間に凝視され逃げるのをあきらめたのか。目はぱっちり開いてたので、寝ていたわけではないようでしたが。

まだまだ登り始めなのでカエルは放っておいて、行程を急ぎます。だけど行けども行けどもなだらかな道になりません。ずっと急登。1時間も歩くと何となく辺りが明るくなってきました。といってもまだ日の出前の薄明かりです。雨は一向にやみませんが、周囲が少し見えてくると少しばかり安心感が出てきます。

さらに登り続けると日の出を迎えたようで、かなり明るくなってきました。雨が降っていても日が出るとやはり明るい。周囲の紅葉がきれいに見えます。右手に見える山は禿山の部分がまったくなく、上から下までみっちりと広葉樹の紅葉で様々な色に彩られています。こんなきれいなところを歩いていたのか。写真を撮りたい。でも急ぎの行程で、さらに雨の中なのでカメラを出している余裕は無し。撮りたいという願いが通じたのか、すぐに水分補給のための2回目の短い立ち休憩時があり、その時ににやっと撮れました!

中の池のあたりで、やっと平坦な道になりました。これまで木製のはしごやアルミのはしごを登り、急登続きで、ほんの少しばかりなだらかな道があったくらいだったので、ここで人心地つきました。枯れかかってデローンとだらしなくなった、おばけミズバショウが至る所に生えています。ミズバショウの季節は綺麗なんだろうな。

中の池を過ぎたらまた急登。中の池で気を緩めちゃいけません。

そして長野側の登山道と交わる笹平分岐でなだらかな登山道になりました。登山道の両側に笹が生える笹平に出ると、雨もかなり弱まってきて、楽しい稜線歩きになりました。でもガスっていて、素晴らしい眺めは望めません。

笹平を楽しく歩いていると、前方に雨飾山の山頂に進む道が見えてきます。また、岩だらけの急登です・・・。一瞬、陽が差してきて、美しい紅葉と岩稜の混じった雨飾山の山肌が見えると「こんな綺麗な山なのに、簡単に登らせてくれないな」という思いがわいてきます。

山頂までの岩場の水たまりにヒル(人の血を吸わない種類らしい)をみておののきつつ、気力を振り絞って登って、9:10ごろ山頂到着。祠と石仏があります。登頂すると雨がほぼ止み、ここぞとばかり、雨飾山荘で作ってもらった昼食用のお弁当をほおばります。おにぎり2個(昆布の佃煮×1、梅干し×1)、ゆで卵、鶏のから揚げ、ウィンナー、チーズ、しば漬け。デザートのミニゼリーまでついていた!

雨はやんでもやはりガスが湧いていて、視界はききません。雨飾山から白馬三山を眺めるという趣旨のツアーでしたが、目的は達成できませんでした。また登ってこいということか。