雲取山①

西暦と標高が同じ山、雲取山。今年中に行っておきたい、雲取山荘では記念バッジをくれるというし。紅葉の時期の土日、祝日は既に雲取山荘では予約締切、というわけで平日休みをとって行ってきました。

コースは自宅からアクセスの良い鴨沢ルートにしました。登りは8:38JR奥多摩駅着、8:42奥多摩発、9:16鴨沢着の西東京バスに乗って行きます。

奥多摩駅に着いたら既にバスには登山者がたくさん乗り込んでいました。8:03奥多摩着の電車でやってきた人達らしい。8:38着の電車に乗ってきた登山者も乗車し、増便はせず、ぎゅうぎゅうのバスで発車です。

満員のバスはつらい・・・。そんななかバスの運転手さんが気の利いた人で「左手をご覧ください。ダムの放流を行っています。」と車内アナウンスをしてくれて、期せずしてダムの放流を車内から見ることが出来ました。放流は初めて見ましたが、滝のように垂直に流れ落ちる水流と水量がものすごい迫力。

バスは東京から山梨に入って、鴨沢に到着。バス停近くにはお手洗いやちょっとしたスペースがあり、登山開始前のお手洗いと準備運動をすませ、9:30に登山開始です。

民家のある舗装道路を行き、雑木林を抜け、右手に村営駐車場を見ながらさらに舗装道路を行き、登山道入口に到着。ネットで見た「雲取山YEAR」の丸い看板が掲げられています。看板デカッ!思っていた以上に看板は大きかったです。

ここから林道に入り、植林された針葉樹の林や紅葉した広葉樹を黙々と歩きます。平日だったせいか単独行の登山者が多い。鴨沢ルートはアップダウンはあまりなく、危ない所や難しい所もなく、道をひたすら登り続けるというイメージです。あまり変化に富んでいないので、退屈だと思う向きもあるかもしれませんが、樹林帯の中は静かで風が吹きつけたりもせず穏やかで、嫌いじゃないルートでした。なにしろ雲取山荘まで行程が長いので、変化がありすぎると体力を消耗してしまい、日の入りまでに山荘に到着できなくなってしまう恐れもあります。

樹林帯を抜けると周りの山の紅葉がきれいです。しばらく行くと、七ツ石小屋・七ツ石山に行くルートと巻き道ルートが現れます。当然、七ツ石小屋・七ツ石山ルートを選びます。

七ツ石小屋は自炊小屋。外から窓の中を覗くと、畳まれた布団が見えます。ベンチが置かれた眺望のきくスペースでは、単独行らしき登山者が何人も行動食を取りながら休憩していました。休憩したい誘惑にかられましたが、さっき休憩取ったばかりだし、先は長いから、と一通り七ツ石小屋の様子を眺めたら七ツ石山へと急ぎます。

七ツ石山への登りは、地味にきつい・・・。急登というほどではありません。七ツ石小屋まで、単独行同士で同じバスに乗っていた70前後ぐらいの女性とご一緒していたのですが、その方のペースがいつもの自分のペースより早くて、オーバーペースで歩き続けてきたツケが回ってきたようです。七ツ石小屋からは単独行に戻って自分のペースで歩き始めましたが、一度消耗した体力はなかなか回復しません。すっかり疲れ果てて七ツ石山に到着しました。山頂からは雲取山に続く石尾根縦走路が見えます。せっかく登ったのにこれを下るのか・・・。雲取山荘までの行程を考えたら、体力のある人以外は巻き道を使った方が良さそうです。

七ツ石山を下りて、縦走路の途中には、眺望のきく小高いところが何か所かありました。よせばいいのに一つ一つ登り下りしていたら、さらに疲れることに。雲取山荘までの行程を考えたら、体力のある人以外は(以下略)。

石尾根縦走路では冷たい風が吹いてきて、アウターと手袋を着装。空を見ると曇ってきて、雨は降りそうもないけれど、気温の低下が心配になってきます。急がなきゃ。カラマツかな、黄色く紅葉していてきれいです。

平坦な道を急ぎ、ヘリポート、奥多摩避難小屋を過ぎたら、小雲取山への登り道と巻き道が目前に。残りの体力を考えたら小雲取山に登ることは考えられず、巻き道を選びました。何となく心の中には敗北感が。

と、小雲取山から軽装でスイスイと下ってくる人たちが見えます。あの特徴のある髪型の人たちは、行きのバスで見かけた人!このときは走っていませんでしたが、トレランをやっている人たちかも。この時間に下ってきているということは、日帰りをするということ?

雲取山を巻いたら、雲取山山頂ルートと、雲取山荘へ行く巻き道ルートの標識がありました。山頂に行かずそのまま山荘に行こうか一瞬心が揺れ動きましたが、結局山頂に行くことに。山頂までの登りを休み休みして登った先は、山梨県側の雲取山の表示がありました。記念撮影をしている人もおらず、ひっそり。東京都側の山頂はもう少し先です。東京側では「雲取山西暦二千十七年記念」の木柱があり、どーんと「雲取山 東京都最高峰」の石柱が。風が強く寒くて曇り、そして15時少し前という時間帯でもあったため、山頂にいたのは数人程度でした。この2017年記念の木柱は、来年になったらなくなっているのだろうか。

やっと登頂できたという感慨よりも、早く山荘に行かないと、という思いが強く、写真を撮り終わったら山荘へと急ぎます。宿泊者が多く雲取山荘の廊下で寝ている人を見たことがある、と知人から聞いたことがあるので、変なところで寝ることになりたくない。

山頂から三峯ルートを20分下っても、ちっとも山荘の姿が見えてきません。ルートはあってるはずですが、不安になってきます。が、25分位下ったら、人工物らしきものが見えてきました。15:30ごろ、やっと到着。ふう、長い行程でした。