奥多摩むかし道

12月上旬に奥多摩むかし道に行ったのでメモ。

奥多摩登山に行きたいけれど、登山道が凍結していたら厄介。というわけで、奥多摩むかし道をハイキングしてきたわけです。

裏高尾の関東ふれあいのみちみたいなものを予想していたのですが、ちょっと違いました。奥多摩むかし道は舗装道路が多く、自然一杯の山道を歩くという感じではありません。が、神社や吊橋、奥多摩の名所、展望の良いところがあって面白みもありました。それに国道441号線が近くを通っているので、もう歩くのは嫌だとなったら所々にある分岐から国道に出て、バス停でバスを待つのも良しです。

奥多摩駅に着くと青空が広がっていました。吐く息が白いものの、これから歩き続ける身にはちょうどいい寒さです。奥多摩ビジターセンターHPに載っている奥多摩むかし道のハイキングマップを持参して、舗装道路を歩いていきます。

ところでこの奥多摩ハイキングマップ、簡略化された地図ではありますが、結構分かりやすい。奥多摩むかし道はところどころ標識が設置されていて迷いにくいのですが、ハイキングマップに付された説明や写真の図解がさらに行程を分かりやすくしてくれます。

ハイキングマップに従って歩いていくと、「むかしみち」という標識が現れます。そこからしばらく山道を行くと、羽黒坂の説明版と羽黒三田神社に続く長い石段があります。神社の賽銭箱が道路のすぐそばにありましたが、どうせなら神社にお参りしたい。と思って石段を登っていこうとすると、石段脇の茂みに何かの動物がサッと逃げていきました。大きさからいってタヌキぐらい。すぐに逃げていってしまったので、結局何の動物だったのかは分からずじまいでした。何の動物だったのか。

石段を登り終わったら神社の姿が見えるかと思いましたが、見えず、左手を見ると「参道入口」という表示が。これからさらに参道を歩くのは勘弁と、結局神社にはお参りしませんでした。骨折り損のくたびれ儲けという感じです・・・。

舗装道路を歩いていくと、さいかちぎのサイカチという古木ときれいな水洗トイレがありました。この後の小中沢橋近くの水洗トイレ、惣岳の成田不動尊近くの水洗トイレもきれいでした。このハイキングコースのいいところの一つは、トイレのきれいさです。

さらに舗装道路を歩いて檜村集落を抜けていきます。これがハイキングコースなのだろうかと、民家の前を歩いていきます。てっきり未舗装の道を歩き続けるものと、用心のため熊鈴をつけていました。リリン、リリンと音が響くので、熊鈴がならないように手のひらで覆います。歩くと滑るので足元を見ると、舗装道路が白っぽく凍結しています。やはり寒いんですね、奥多摩は。

不動の上滝をみて小中沢公衆トイレを過ぎ、ずんずん進んでいくと「白髭大岩」の説明版があります。白髭神社の境内にある長さ20m、高さ5mのオーバーハングした岩とのこと。見るには石段を登って白髭神社境内まで行く必要があります。下から見ると神社らしきものが見え、さっきの羽黒三田神社ほど登らないでよさそう。

狭い境内に入ると、右手にせり出した大岩がありました。なるほど、大きいです。神社自体は昭和50年代に再建されたものだそうで、建物自体に見どころがあるというものではありませんでしたが、時間や体力に余裕があれば大岩は見てみるのも良いかもしれません。

弁慶の腕ぬき岩、耳神様、いろは楓巨樹を過ぎると、ハイキングマップには「薪のある民家」という表示が出てきます。確かに薪をたくさん備蓄した民家がありました。ハイキングマップ、分かりやすい!

この近くにある公衆トイレもきれいです。ここから先、むかし道の終点までおよそ1時間30分ありますが、その間トイレは1か所設置されているものの、処理能力を超えた場合閉鎖されると注意書きがあります。この後の道中で1か所臨時トイレが設置されていましたが、閉鎖されていました。トイレが心配な場合はここで用を済ませるのがいいですね。

むかし道はほぼ多摩川に沿っているので、道中、谷を流れる水の音が聞こえてきます。惣岳成田不動尊を過ぎたら、惣岳渓谷がチラチラと眼下に見えてきます。むかし道からは木が邪魔で良く見えません。すると「しだくら橋」という吊り橋が左手に見えてきました。

「この橋を渡る際、3人以上で渡らないでください。」という注意看板が立っています。橋はワイヤーと金属の枠組みに木の板を渡しているもの。試しに渡ってみると、思った以上に揺れます。おまけに木の板がミシミシいっているし、橋の中ほどにくると木の板が濡れていて、少々危ない感じです。渡り切るつもりでしたが、戻ってくるのも大変そうなので橋の中ほどで引き返してきました。

橋から下りて舗装されたむかし道を歩き始めましたが、さっきの吊り橋の揺れの感覚がまだ残っていて、舗装道も揺れているような、揺れに酔ったような変な感じが続きました。吊り橋好きな人には楽しめる橋だと思います。意中の人がいる人は、吊り橋効果をねらって、意中の人と来れば効果があるかも(ないかも)。

しばらく行くと、縁結びの地蔵尊の案内板がありました。斜面を見上げると、枯葉に埋もれかかった小さな石のお地蔵さまが安置されています。こっそり二股大根を供えると結縁成就とありますが、斜面を登るか、斜面の上から下りてくるかしてお地蔵様の前にお供えするということでしょうか。あんな斜面にお供えしたら、供物が転がって行ってしまいそうです。素直に道路にお供えしておけばいいのかな。

馬の水のみ場の近くは廃屋が点在していました。これまでも所々で廃屋を見かけましたが、廃屋を見ると寂しい気持ちになります。

牛頭観音様の近くには、茶屋榊というお店がありました。12月から2月の営業日は基本、土・日・祝ということで、平日はお休み。むかし道に行った日はお休みでどんなお店なのか詳しく分かりませんでしたが、なかなかいい感じのお店に見えます。12月のむかし道は既に紅葉が終わり落葉ばかりでしたが、紅葉の季節の散策時に利用するのに良さそうです。

むし歯地蔵尊で昔の人たちの民間信仰にふれ、川合玉堂歌碑 を眺めてサクサク歩いていきます。

するとまた吊り橋が現れました。今度の橋は道所橋というもの。ここには、「この橋を渡る際、5人以上で渡らないで下さい。」という注意書きがあります。さっきのしだくら橋は3人で、こっちは5人。

さっそく渡ってみます。道所橋の方が橋の幅が狭く、長さも短いようで、揺れが少ない。そのため難なく橋の向こう側にまで渡れました。戻って橋の途中で惣岳渓谷を見下ろして、写真を撮る余裕もあり。上から見る惣岳渓谷は水が澄んでいて美しい。紅葉の季節に来たら、渓谷のグリーンと紅葉が相乗効果で絶景だと思われます。

さらに進んで開けたところに出ると、奥多摩むかし道の記念植樹の木があります。テーブルとベンチが設置されていて、日当たりが良く、陽の光が眩しい。仮設トイレが一台ありました。このトイレが、惣岳成田不動尊近くにあった公衆トイレで注意書き対象になっていたトイレのようです。

ここから通行止めの方には行かず、しばらく行くと舗装されていない山道に入ります。今までなだらかな道ばかり続いていたので、ここでの登りが地味にこたえます。奥多摩むかし道は日当たりのいい道を進んでいくことが多く、この登りもポカポカした陽気の中歩き続けます。暑くてアウターは着ていられません。アウターを脱いで少し涼しくなり、落ち葉の積もった山道を登り続けます。落ち葉がたくさん積もっているので足元が滑ります。おまけに急登だし。ハイキングマップによると、ここを登れば見晴らしポイントに着くはず。見晴らしポイントは絶対行きたいとの思いで進むと、また道が舗装され、集落に着きました。

着いた集落は、中山集落という所。自動車が何台も止まっています。おそらくあちらが見晴らしポイントだろうという駐車場らしきところに行くと、多くの山々が目の前に広がっています。尾根、谷がくっきり見えます。確かにここは見晴らしポイントです。

見晴らしポイントで景色を堪能したら、むかし道に戻ります。ハイキングマップには「民家の横を抜ける」と書いてあります。が、こんな軒先の近く、洗濯ものが干してある横を一般のハイカーが通って良いんだろうかという気になります。

集落を抜けると山道になり、左手はがけで柵が設置されていてます。細い道の脇に楓の倒木がありました。完全に根っこが地上に出てしまっていますが、根本近くに若い枝が伸びていて、その部分に生えた葉は紅葉しています。こんな状態でも葉を生やして紅葉するなんて、植物の生命力ってすごい。

青目不動尊には寄らず、サクサクとすすんでいきます。相変わらず舗装道路を歩いて下っていくと、川のそばに作られた歩道が見えました。むかし道はこのまま舗装道路を歩いていくのが本来のルートのようですが、むかし道に沿った川沿いの歩道を歩くのも悪くなさそう。というわけで川(水根沢)沿いの未舗装の歩道を歩くことにしました。

この歩道は見はらしの丘歩道の一部のようで、足元は落ち葉がどっさり。カサカサと音を鳴らしてゆったりと歩き続けます。水根沢に沿って生えた広葉樹は一様に落葉していて、秋の終わりを告げています。ここも紅葉の季節に来たら、さぞ綺麗なのでしょう。

あっという間に歩道は終わり、むかし道の水根入口に合流しました。ここから少し行くと水と緑のふれあい館に到着です。ここまでの行程で所要時間は3時間10分。

太陽光を反射して輝く緑の奥多摩湖を眺めて、ふれあい館でダムカレーを食べ、館内見学したら、今回の奥多摩むかし道ハイキングは終了です。