入笠山でスノーハイク

軽アイゼンの練習を兼ねて、スノーハイキングをしたい。

というわけで、入笠山スノーハイキングのツアーに参加してきました。

富士見パノラマリゾートのゴンドラ山頂駅に着いたら、さっそく軽アイゼンを装着です。

軽アイゼンを使うのは、昨年8月に参加した白馬ツアー以来。今回で軽アイゼンを使用するのは3回目ですが、ベルト式のアイゼンのつけ方をすっかり忘れていました。ええと、この紐はどこに通すんだったっけ。参加する前につけ方の復習をしておくんだったと反省です。

軽アイゼンをつけ終わったら、準備運動をしてスノーハイクを開始。天気は曇りで、雪はたまにチラッと降る感じですが、気温は比較的高めで極寒というわけではありません。このまま天気が崩れないでくれるとうれしい。

入笠山トレッキングコースはたっぷりの雪で埋まり、春~秋のシーズンに見られる花々や湿原は当然のことながら見えません。木道と思われるところの上を、踏まれた雪道ができていて、その上を歩いていきます。歩いていると、雪道脇の窪んだ所に、無雪期には木道と湿原を分けている杭の頭が出ています。この雪の何十センチも下にある湿原で、植物が春の目覚めを待っているんだな。

トレッキングコースにはアイゼンをつけている人だけでなく、スノーシューを楽しんでいる人や、斜面でヒップソリを楽しんでいる人もいます。そりをしているのがとても楽しそうに見えましたが、比較的高めな気温の中、雪崩が起きたりしないのだろうかと余計な心配も。

そしてワンコを連れて雪原で楽しんでいる人が結構います。グループらしき人たちが、それぞれの愛犬を連れて遊んでいて、ワンコも飼い主も楽しそうです。

マナスル山荘前を過ぎたら、ほどなくして入笠山の登山口に至ります。ここからは雪の下は登山道。傾斜のほぼない湿原部分とは違って、山頂に向かって坂道です。

スノーハイクが始まる前に、登山講師の方が予測をしていました。雪が固まっていないので、10本爪アイゼンの人は大丈夫だが、6本爪アイゼンの人は山道で滑るだろうと。

前日降り積もった雪は柔らかく、無雪期の登山のときのように、フラットフッティングで足を置くと、足が雪に埋まります。埋まりつつズルっと下方に滑るので、踏みとどまるようにグッと足に力を入れる。そんな繰り返しをしていると、重心が後ろに持っていかれて危ないし、地味に脚が疲れてきます。新雪ではアイゼンはあまり役立ちません。

「こんなときはキックステップで登ります。」との登山講師の指示が飛び、言われたとおりにキックステップをしてみます。雪の斜面につま先を蹴りこむと、足元が安定し、滑らない。これは登りやすい!

キックステップをするたびに、ザッ、ザッと足先の雪が飛び散ります。普段はしないキックステップなので多少脚は疲れます。が、フラットフッティングで滑って踏みとどまって、の繰り返しで坂道を登る方がもっと疲れます。

入笠山の山頂に着くと、雪は降っていないものの風が強い!ビュービューと風が吹いています。途中の山道では風は強くなかったので、これほど山頂の風が強いとは思っていませんでした。山道を登っているときに登山講師の方が「山頂は風が強いので、休憩する時間はあまり取らない予定です。」と予言していましたが、山頂はのん気に昼食を取れるような天気ではありませんでした。

登ったものの風が強くて早く下山したいのですが、とりあえず山頂の写真を撮ります。天気が良ければ富士山をはじめとする周囲の山がきれいに見えて気持ちがいいそうですが、富士山が少しだけ見えたと思ったら、あっという間に雲に隠れてしまいました。他の山々もきれいに見えず、物足りません。去年2月に行った雪があまり無かった飯盛山は、青空を背景に冠雪した富士山が大きく見えて良かったな、としみじみ。

山頂からは諏訪湖が見えます。ですが諏訪湖方面を眺めていると風上に身体を向けることになってしまい、冷たい風が容赦なく吹きつけてきます。それに耐えられず、山頂にいる人は一様に風下に身体を向けます。そんな強風が吹きつけるなか、単独行らしき人が風上に身体を向けて、動じずに食事をしていました。山頂から少し下ればだいぶ風が弱まるのですが、どうしても山頂で食事を取りたかったのですかね。

雪が固まっていない下りもキックステップで降ります。下りのときは、かかとに体重をかけて。教えに従いかかとで強く雪面を踏むと、滑りません。雪面に対してフラットに足を置いたり、つま先に体重をかけたりするとたちまち滑りました。

帰り道は少し冒険して、踏み跡がついている雪道の少し脇、あまり踏まれていない部分も歩いてみました。歩くたびにズッ、ズッと少しだけ身体が沈むのが楽しい。調子に乗ってまったく踏み跡がついていない所を歩いていたら、ズボッと片足が膝上まで埋まりました。見るとそばに、雪に埋まった灌木が生えています。「木のそばは、他のところより温度が高くて雪が柔らかくなっているから埋まりやすいんだよ」とのこと。

楽しく歩いていたら、ゴンドラ山頂駅に到着して、この日のスノーハイクは終了です。

入笠山スノーハイクは、山頂は強風で景色も楽しめず残念でしたが、新雪の山道の歩き方が学べて軽アイゼンの復習になりました。寒すぎず、靴の中に雪が入ったりしみたりすることもなく(靴の中に雪が入ったまま行動していると、足指が壊死する場合があるという)、安全なツアーでした。忘れないうちに、雪がある山(難易度の低い山に限る)に行って行動範囲を広げてみようと思います。