花粉で散々、高水三山

日差しが強く、暖かくなってきました。春の陽気に誘われて、奥多摩の高水三山に行ってみよう。

青梅線無人駅、軍畑駅の改札出て右手にあるお手洗いを済ませてハイキング出発です。お手洗いは、小さいけれど手入れが行き届いていて清潔。

高水三山登山口までは、軍畑駅改札出て左方面をしばらく舗装道路を歩いていきます。細い脇道に入ったりせずに、舗装道路を道なりに歩いていくと、登山口近くの高源寺に到着。登山の安全を祈ってから登山口に向かいます。

高源寺から登山口までの舗装道路の両側は、ロウバイの小さく黄色い花が咲き、たわわに実った柚子が。柚子の木にゼリー飲料の光沢のある空き容器が下がっていましたが、鳥よけ対策でしょうか?ちなみに春先の今はここから先、高水三山ハイキング中は下山まで目ぼしい花は見られませんでした。花好きはここでロウバイの花を楽しむべし。

登山口に着くと砂防ダム脇の階段を昇ります。しばらく行くと普通の登山道になりますが、道は整備されていて歩きやすいです。

ふと見ると登山道脇には「二合目」「三合目」などと彫られたかなり年季の入った石の道標が設置されています。合数だけでなく、含蓄のある一言も彫られています。うろ覚えですが「人生はこの登山道のごとし」とか。ラクと思えばラク、大変と思えば大変、自分の感じ方次第ということかな。

木が伐採されて視界が開けたところを過ぎると、再度樹林帯の中に入りますが、休憩のためのベンチが設置されています。続く登山道を見ると、急登が。急登の前の一休みにちょうどいいベンチです。なにより暑いので、一休みしなくては。何しろ陽気が良く、ついでに花粉症対策のためマスクをしていたので暑くてしかたありません。

一休憩したら高水山を目指します。が、さっきからくしゃみがひっきりなしに出ます。こんなにくしゃみが出ていると、体力が奪われてしまう。まだ行程は長いのにバテてしまったらと心配になってきます。

急登を登って、花粉症の症状に折り合いつけながら歩き続け、常福院不動堂に到着です。近くに車道が見えるので、この近くまでは車で登ってこられるようですね。梵鐘があったり、お手洗いがあったり(使っていないので状態は不明)、小高いところにあずま屋があったりで、観光客が気軽に立ち寄れそうです。といってもわたしが行った日は境内にいるのは登山者のみでしたが。

高水山頂は常福院不動堂の近くをさらに登ったところです。標高759m。落葉した広葉樹や、針葉樹が生えているので、暗くはないけれど眺望はききません。

高水山から岩茸石山までは、ほぼ平坦な尾根道です。尾根道に残雪あり。念のため持参した軽アイゼンを使うか、どうするか。道にある程度の広さがあり、残雪のガケ側への傾斜もないので、尾根道の山側に出来るだけ近づいて、アイゼンなしでソロソロと通過します。よし、滑らなかった!

岩茸石山に近づいていくと、目の前に岩がごつごつと突き出した登りが待っていました。岩とか石とか山名についているので岩場があるんだろうなと予想していましたが、やはり岩場がありました。巻き道もありますが、巻き道を使ってしまうと高水三山の中で唯一眺望が楽しめる岩茸石山山頂を通らないことになってしまいます。眺望を楽しみたかったらここを登るしかありません。

「悪路注意」の標識がありましたが、登りより降りの方が大変そうです。岩だらけでどこに足を置いていいか分からないという感じの道ではなく、岩まじりの山道なので、手も使って慎重に登れば、危ないことはありません。

岩場を過ぎれば岩茸石山まで、厳しい道はありません。山頂に向かって辺りが開けてくるのでワクワクしてきます。岩茸石山につくと山頂(標高793m)は見晴らしがきいて気持ちがいい。どれが何の山か分かりませんが、近くに見えるあの山頂は、さっき登った高水山でしょうか。

それよりなにより気になるのは、遠景、近景に見える杉の木です。さっきからくしゃみ鼻水に加えて、眼のかゆみも出てきました。遠景の茶色っぽく見える杉の木は、枯れているのではなく、まさか花粉?近景に見える杉の木には、明らかに花粉がわんさかついています。この大量の花粉が風に乗って都内に運ばれてきているのかー。

岩茸石山は下りも急。慎重に下ります。高水三山は奥多摩登山の入門編と聞いていたので、少々軽く考えていましたが、意外に大変です。花粉症の症状が集中力に影をさすし。

岩茸石山から惣岳山への尾根道にも残雪の凍結部分あり。残雪が凍ってガケ側に傾斜し、しかも表面が溶けていて滑ります。ここでも軽アイゼンはつけませんでしたが、かなり慎重に歩きました。緊張して歩いていたせいか、始終出ていたくしゃみは止まりましたよ、ピタリと。もしくしゃみが出ていたら、バランスを崩してツルっと滑っていたかもしれません。リスキーな場所なので、軽アイゼンをつけておいた方が良かったかも。

惣岳山山頂は針葉樹に囲まれて薄暗い。山頂は青渭神社の奥宮もあり広い空間がありますが、眺望は望めません。惣岳山の標識がありましたが、標高の記載がなし。よく見ると手書きで760mと記されてます。他の2山は標識に標高が記載されていましたが、なぜここは手書き?

青渭神社奥宮は金網に囲われたお社です。金網の隙間から賽銭箱にお賽銭を入れると、ジャリンとお賽銭同士がぶつかる音がしました。廃神社というわけではなく、いたずら防止のための金網なのですかね?良く見ると、鶴、人(仙人?)とカエルなど出来の良い彫刻がしっかりと施されています。地域の人に大事にされているお社のようです。

惣岳山から先は御嶽駅まで下ります。地図を見ると、ルートタイムは休憩なしで65分となっています。くしゃみ鼻水目のかゆみに悩まされ続けのハイキングでしたが、あと少し。杉林のなか、眩しくもないのに目のかゆみ対策のためサングラスをかけ、くしゃみ鼻水対策のためマスクをしていても、花粉症の症状はひどくなる一方。鼻のかみすぎで頭痛までしてくるし、のどもかゆくなってきてるし。いつもより体力が奪われ、早く駅に着きたい気持ちは募ります。

ですが、なにげにアップダウンがあります。もう充分歩いたから、アップダウンはいらないのですが、そうは問屋がおろしません。なぜすんなり下山させてくれないのだろうか?

竹林が見えてきてやっと御嶽側登山口に近づいてきました。登山道に生えた竹の表面がツルっとしています。みんなが触っているせいですかね。こんな近くに竹が生えていたら、たけのこの季節になると、登山道を突き破ってたけのこが生えてきそうです。

登山口に到着。あとは踏切渡って、舗装道路を下れば御嶽駅です。

休憩込みで5時間弱の行程でしたが、今回は疲れました。スギ花粉の故郷(?)、奥多摩の花粉の多さは覚悟してハイキングに来ましたが、症状のひどさは想像以上。しばらく大人しくしていて、花粉飛散が落ち着いたらまた奥多摩に来ますかね。