バックステージツアー

ちょっと前にアイーダのバックステージツアー(@新国立劇場)に参加したので、覚えている範囲で。

バックステージツアーは参加前に、ツアー参加前に舞台に外のゴミなどを持ち込まないよう、靴カバーを靴にかぶせます。靴カバーをつけたら、さっそくバックステージツアー開始です。

まずは楽屋から。休演日のバックステージツアーツアーで楽屋内は使用中ということで、中は見られませんでした。が、廊下のところどころに衣装が並んだラックが置いてあり、間近に見られるのが楽しい。出演者が多い分、いろいろな衣装があります。出演者の参考のための、衣装、装飾具、かつらなどすべて身につけた出来上がり後の写真も貼ってあります。

電子レンジやマッサージ器が置いてあるエリアも。このあと進んだ先にあった張り紙によると、マッサージ器利用料は100円。張り紙には値下げしたと書いてあったので、以前はいくらだったのか気になります。

ポットやインスタントのコーヒーなども置いてあり、1日100円とのこと。1杯ではなく、1日100円。100円で飲み放題といっても、インタスタントではないコーヒーを飲みたい人もいるでしょうから、利用者はどれくらいるんでしょうか。

床山さんの部屋はバックステージツアーのために扉が開いていて、中には入れませんでしたが、扉の外から中の様子が見られました。中にはアイーダで使うかつらがいくつも。部屋の外にも、ラックにいくつもの女性出演者のかつらが並んでいます。オペラ鑑賞時に遠目からだとストレートのロングヘアに見えましたが、近くでみると違いました。細かく編んでいたり、ウェービーヘアーだったり。ブルゾンちえみさんのツルサラヘアとは質感がまったく違います。

バックステージツアーはさらに進み、オーケストラピットへ。オーケストラピット入り口の黒い壁には、新国立劇場で振った指揮者のサインが多く書かれています。この中で最も多くサインを書いているのは、バレエ公演でおなじみ、アレクセイ・バクランさんとのこと。バクランコーナーを作っているかのように、日付、演目、サインが振ったすべての演目ごとに並んでいます。他の指揮者もバクランコーナーを侵食するよう野暮なことはせず、避けて自分のサインを書いている感じを受けます。4月下旬からの白鳥の湖を振ることになっているので、バクランコーナーの空いたスペースに新たなサインが加わるはず。たまにダンサーの踊りやすさより、自分の音楽性を追求するタイプのバレエ公演指揮者もいますが、バクランさんは、さにあらず。バクランさんが指揮をしていると、安心して公演を見られます。今度の白鳥も楽しみです。

オーケストラピットでは、内部には入れませんでしたが、プロンプターボックスの見学は出来ました。プロンプターボックス内部って思ったより小さい。入ることはできなかったので実際座ったらどの程度圧迫感があるのか、それとも思ったより快適なのかは不明です。

この後バックステージツアーは待ちかねた舞台へ。大道具や小道具が間近に見られました。アイーダの舞台は上演中ずっと紗幕が張られていますが、休演日も紗幕は張りっぱなしでした。上演時と違うのは、交通整理の赤いコーンと、コーン同士をつなぐ黒・黄色のバーが紗幕の前に設置されていることです。なんでもこの紗幕、とても薄くもろいので、リハーサル中に出演者がぶつかってしまうだけで破れてしまうといいます。実際破れたことがあるそうで、防止のため上演時以外はコーンとバーを置いてぶつからないようにしているとのこと。破れたら部分的に補修することはできないので、全とっかえですから大変なものです。

神殿・宮殿のセットの柱は舞台に設置されたままでした。柱は場面によって、表・裏を変えているといいます。このバックステージツアー時は、ヒエログリフが刻まれた面が客席から見えるように向いていましたが、その後ろ側は縦の模様が入った宮殿の柱。セットの柱のヒエログリフは意味をなしているものなのか、気になります。楕円に囲まれたヒエログリフカルトゥーシュなのか、何となくそれっぽいものを描いているだけなのか。ヒエログリフを解説した本を持っていけば解読できたかも。

オペラ劇場には客席から見えている主舞台の左右と後ろに、主舞台と同じ大きさの舞台が合計3面あります。そこには主舞台で使わない大道具・小道具が置いてあったり、出演者の衣装替えスペースなどがあったります。アイーダはエキストラが多いので、舞台に出た後、裏で次の衣装に着替えて、また何食わぬ顔で新たな役柄になって舞台に出ているとのこと。そのため下手側にはけた出演者の通路として、急ぎ用とそれ以外用があります。急ぎ用の通路にはビニールテープで「イソギ」と大きく表示されていました。

通路の先はズラッとエキストラの人の椅子が何十脚も並べられています。それぞれの椅子に役柄名、次の役柄との間の時間数が書かれた紙が貼ってあります。何気なく見ると、3役掛け持ちで、役と役の間が50秒というのもあります。はけてから次の役で出演するまで50秒しかないのなら、そりゃ急ぎ用の通路が設置されるのも、納得です。モタモタしていたら、次の出演に間に合いません。

アイーダには本物の馬2頭が出演しますが、馬用の臨時のスペースもありました。ベニヤ板のような薄い板と鉄パイプで作った簡素なものですが、藁がしいてあって、一頭づつのスペースが設けられています。知らないところに連れてこられた馬は、当初は落ち着かなかったそうですが、徐々に慣れていったとか。

ツアーの最後は奈落の見学です。奈落は地下3階。地下3階にある通路から奈落の底を見下ろします。奈落の底は、地下3階の通路には金属製の網目の細かく丈の高い柵が設置されていて、人もモノも奈落の底に落ちないようになっているので、安心して奈落の底を覗けました。雑然としているのかと思いきや、奈落の底はスッキリしています。

こんな感じでバックステージツアーは終わりました。もっと色々話しを聞いたし、色々見せてもらったのですが、あんまり覚えていないものですね。そうそう、厚さ5センチのゴムがたくさんついたバレエ床をみました。バレエダンサーはちょっとした床の凹凸に敏感で、段差が無いように設置するのに注意を払うのだとか。GWの白鳥の湖公演、マンネリの感もありますが、観に行く予定です。ですが、GWの公演って、過去の公演時からみると何となく入りが寂しいかんじがします。みんな遠出してしまうのですかね。