衣装が気になる

衣装について、独り言。

イーグリング版の「眠れる森の美女」を観ていて、気になるものに衣装があります。

気になる衣装の一つ目は、リラの精の衣装です。2014年の初演の初日に見たときに、色もデザインもきれいなのに、なぜモッサリ見えてしまうのだろうと不思議でした。

今回素人目線で分析すると、

① スカート部分が4段重ねのフリル状になっており、動くときにそれぞれが広がってしまう必要以上に膨らんでしまう。(他の妖精やオーロラなどのチュチュは下部はギャザーの寄ったレースですが、その上に被さる部分がレースを押さえて変な広がり方をしません。)

② 中途半端な丈と広がり方の袖。

③ スカート部分他のキャラのものより長く、傘状で下に広がっているように見える。(他のキャラのスカート部分は、下方より横に広がっている。)

④ 後頭部にかけてリラの花をたくさんつけた頭飾りのデザインになっていて、頭が大きく見える。

ここら辺りがモッサリ見えた原因なのかと。

ただ、今回の「眠り」のリラの精にキャスティングされている木村さん、細田さん、寺田さんは長身スレンダー、手足の長いダンサーなので、モッサリ感はありません。着る人を選ぶ衣装のようです。

気になる二つ目、頭に目立つ飾りをつかたがる。

以前上演していたマリインスキー劇場版では妖精やワルツのダンサーがかつらを被っていて、「うーん・・・」と思っていました。

イーグリング版ではワルツのダンサーの植物の冠や、2幕幻影の場のオーロラ姫の花冠、3幕のフロリナ王女の羽毛の飾りが「うーん・・・」と感じます。

日本人ダンサーはヨーロッパ系ダンサーと頭の形が違うので、目立つ頭飾りをつけてしまうと頭が強調されてしまう。といっても、無ければないで、何か物足りなく感じるかもしれませんが。

気になる三つ目、王様と王妃様の衣装がトリコロールを強調しすぎ。

王様と王妃様はトリコロールを強調した色の衣装、帽子をつけています。王妃様はまだいいとして、一幕の王様の帽子周りにつけられた羽毛のような毛皮のような紅白のフワフワ。帽子の青色とのコントラストが強くて、洗練されているのかそうじゃないのか、微妙に感じます。

気になる四つ目、幻影の場の森の精の衣装。

はっきりした緑色の衣装で、もう少し淡い色の方が個人的には好み。そして、あの裾広がりの衣装の形が不思議ですが、モミの木や杉をモチーフとしたものでしょうか?

気になる五つ目、2幕のデジレ王子の衣装の胸元開きすぎ。

デジレ王子の衣装は、白いレース(?)の襟がついてますが、その襟が深いVの字に開いていて、大胸筋が見えています。

男性ダンサーの衣装で、胸元が大きく開いているのは、2幕のデジレ王子と村人、3幕のゴールドと青い鳥。

村人と青い鳥は王子の衣装と別系統ということで、これらはこういうものと納得しますが、デジレ王子とゴールドの衣装の胸元の開き方が不思議です。熱さ対策でしょうか?

2幕の狩りに参加している貴族たちで、胸元が大きく開いた衣装を身に着けている人はおらず、デジレ王子の衣装だけ胸元が開いています。ネットで西洋の服飾史を見てみましたが、胸元が大きく開いた貴族の服は見つからず、なぜ一人だけ違うのか疑問が解決しません。

2幕の目覚めのパドドゥで、薄く軽やかな衣装(ネグリジェ?)を身に着けているオーロラ姫との釣り合いで、デジレ王子の胸元に軽やかさを出しているとか?

劇場のホワイエに衣装のデザイン画が掲示されていましたが、デザイン画では細かいところは分かりませんでした。

どういった意図でデザインされたのか解説があれば、疑問点が解消されたかも。