燕岳①

10月の3連休は燕岳に行ってきました。燕山荘のケーキフェアでケーキを食べ、ブロッケン現象と流れ星を見ることが出来ました。

今回の登山で利用したのは、毎日あるぺん号で土曜深夜に竹橋を出発し、翌日早朝に中房温泉の燕岳登山口に到着、燕山荘で1泊して、バスで新宿まで帰ってくるというプランです。深夜出発のバスは7月に行った尾瀬バスツアーで懲りたはずですが、毎日あるぺん号はどんなものかと性懲りもなく乗車です。

出発の23時の15分前から受付開始ということで、22:30頃には竹橋に到着。毎日新聞社ビルB1は閑散としていましたが、受付の1Fに行ってみると、いるわいるわ、登山の格好をした人々が。

3連休は台風25号の影響がどの程度になるのだろうかと、何日も前からやきもきしていて天気予報をチェックし続けていました。が、登山することになる日曜日はそれほど悪影響がなさそう。内心台風が不安になりつつ竹橋に到着したわけですが、同じく台風は大丈夫そうと判断した人たちがわんさかここにいるようです。

出発時間になり、バスに乗車。今回のバスは中型バスです。尾瀬の時は小型バスで前後左右の間隔が狭く、道路の凹凸をいちいち拾ってガタガタと眠れたものじゃありませんでした。中型バスならもう少し快適かもと期待していると、前後左右は小型バスより広く、ガタガタと振動がひどいということもありませんでした。そうはいってもやはり普通の観光バスなので、眠りが浅くなります。

バスは翌日4:30頃に常念岳の登山口にあたる一ノ沢林道に到着しました。夏ならこの時間帯ならうっすら明るいものですが、秋のこの時期、辺りは真っ暗です。駐車場にはわりと自動車が停車しているように見受けられます。狭い道路を通行して一ノ沢林道終点で下車する乗客を降ろし、ここを抜けて次の目的地、有明荘前に出発です。

ですが狭い道路の幅いっぱいの中型バスは、駐車場に自動車がけっこう駐車していることもあり、方向転換が出来ません。そしてバックして狭い道を抜けようとするにも、辺りが暗くてスムーズにバックできません。そんなわけでバスが一ノ沢林道終点から抜け出るのに一苦労したため、燕岳登山口に到着したのは予定よりやや遅れた5:45頃となりました。

燕岳登山口に到着すると、思ったよりも人がいます。同じバスで来た人だけでなく、グループや単独の個人登山客が既に20名以上はいたでしょうか。朝食をとって、登山案内所(?)に登山届を提出し、6時過ぎに登山開始です。ところで登山案内所(?)のような小さな建物(6時前には係員の方が出勤していました)はいつの間に出来たのでしょう。去年来たときは気づきませんでしたが、去年もあったっけ?

燕岳への道は登山開始直後から急登が始まります。燕岳までの道で難しいところが無いのは、去年参加した燕岳登山ツアーでチェック済み。ですが、深夜発のバスでよく眠れなかったため、身体が重いです。紅葉している木もあり、楽しそうに写真を撮っている登山グループもいましたが、紅葉を楽しむ余裕もなくバテバテ。やたらと疲れながら、すでに西瓜の販売は終わった合戦小屋まで登っていきました。来年は、表銀座を縦走したいと思っていますが、毎日あるぺん号で中房温泉登山口まで来るのはやめとこう・・・(安さに負けて毎日あるぺん号にしてしまうかもしれないけれど)。

ところで台風の影響ですが、道中雨は降られず。そして稜線に出るまでは木々がブロックしてくれて風の影響もなし。稜線に出たら風が吹いていましたが、登山に支障をきたすような風速でもなし。空は多くの雲が出てて合間から青空が見えている、寒くも暑くもない天気です。そんなわけで、寝不足でバテてはいるものの、10時には燕山荘に到着しました。

燕山荘に到着したら、チェックインしてザックを置かせてもらってから、アタックザックで身軽に燕岳まで行こう。というわけにはいきませんでした。宿泊の受付は出来るものの、11時過ぎにならないと部屋の案内は出来ないといいます。しかも今受付をしてしまうと、夕食は一番早い4:30の回になってしまうと。いま受付を済ませるべきか、迷う・・・。3連休の中日で天気も悪くなく、多数の宿泊者が見込まれ、受付が遅れて去年泊ったような大部屋に案内されるのも嫌だし・・・。

受付は保留しておいて燕山荘の外に出ると、ベンチ近くにいくつもザックが置かれています。どうやら最少の荷物で燕岳に行っている人たちがデポしているザックのようです。それでは自分もと、アタックザックに貴重品と飲み物を入れて宿泊受付は後回しにして、燕岳に向かうことに。

白い花崗岩のさらさらとした道を歩く。雲の間から漏れてくる陽の光が白い花崗岩に反射して、まぶしい。風雪に侵食された奇岩は、堅い岩石のずっしりとした重量感、人を寄せ付けない雰囲気のものに比べてどこかユーモラスです。

もう少し晴天だったら、青空、白い花崗岩、緑のハイマツのコントラストで見ごたえあっただろうなと思いながらハイキング気分で歩いていると、あっという間に燕岳に到着です。山頂には標識は立っておらず、表面が平らな石の上に「燕岳頂上2763m」と刻まれています。ちょうどその石の隣で皆さん記念写真を撮るらしく、座るのにちょうどいい感じに山頂部が平らになっています。

山頂からは晴れていれば360度の展望があるのですが、雲が多い日だったので遠くの山々は全く見えません。燕岳のごく近くの北燕岳は良く見えます。北燕岳頂上に立っている人が見えます。ちょっと足を延ばして北燕岳まで行こうかという気にもなりましたが、コマクサが咲いている季節でもないので止めておきました。夏だったら北燕岳に行くまでの間に白いコマクサが咲いているというので、白コマクサ見たさに足を延ばしたかも。

一人で歩いていると、同じく単独行の人と自然に話しをし始めます。他の人のプランを聞くのが楽しい。

山頂で出会った若い女性は、これから大天井岳まで行き、翌日に槍ヶ岳に登る予定とのこと。すごいなぁ。単独行の年配男性は、自家用車で埼玉の自宅から夜に出発し、5:30に到着して登りはじめ、この後燕岳登山口まで下山して埼玉の自宅に日帰りするといいます。燕岳って埼玉から日帰りで登りに来る山なんだ!と驚きました。

燕山荘に戻ると11時を過ぎているので、受付を済ますと部屋に入れます。受付のスタッフさんに顔を覚えられていて、「今からの受付だと、まだ4:30の夕飯なんです。」と申し訳なさそうに言われましたが、夕飯4:30でいいやと受付を済ませます。

通された部屋は山小屋によくある2段式のもの。1階部分のスペースを割り当てられ、3畳に布団が3枚敷いてあります。混雑が予想されるので一人半畳になることもありますと案内役のスタッフさんに言われましたが、最終的には4人で使用できました。きつきつで寝ることにならなくて良かった!

割り当てられた部屋はどうやら女性専用に仕切ったブロックだったようで、隣や上、向かいのスペースに男性が宿泊していることはありませんでした。窓からは正面に燕岳が見えます。向かいの部屋の窓からは天気が良かったら、もしかしたら槍ヶ岳等が見えるのかも。到着順に部屋を案内してくれるので、良い立地の部屋を案内してくれたのかもしれません。食堂からは少し遠いですが、窓から燕岳を見られるのは素敵です。

さて、燕山荘のHPには10/3までと載っていたケーキフェア。10時過ぎに受付に行ったときに、「本日ケーキフェア開催」のお知らせを見逃しませんでした。燕岳に登っている時も、燕山荘に戻ったらケーキを食べるんだと心に決めていました。というわけで、部屋にザックを置いたら、さっそく喫茶サンルームに向かいます。

つづく。