不思議の国のアリス(@新国立劇場)

不思議の国のアリス(@新国立劇場)を観ました。観たのは11/3の小野さん主演日です。感想は、楽しかった!そして、本島さんファンも、ファンじゃない人も、ハートの女王のタルトアダージオは必見!です。

タルトアダージオは、3幕で披露されるダンスです。ハートの女王が4人のトランプたちを相手に踊る、眠れる森の美女のローズアダージオのパロディ。演技力抜群の美人ダンサー、本島さんならきっとやってくれると思っていましたが、期待にたがわぬ舞台を見せてくれました。

3幕で、大きなセットのような赤いドレスに包まれて登場するハートの女王。みた瞬間、その大きさに驚きます。そしてセット的な真っ赤なドレスがパカッと真ん中から割れて、出てくるのは赤いチュチュに赤いタイツ、赤いトウシューズを身にまとったハートの女王です。セット的な女王が脱ぎ捨てた(?)ドレスの中には、ハートの王が縮こまって隠れていました。この家庭は、かかあ天下らしい。ちなみに1・2幕で女王が登場したときのセット的な赤いドレスは、3幕のものより大きさが小さかったです。(当然、ハートの王はドレスの中に入っていません。)

あたりを睥睨して、ハートの女王が踊りを始めようとします。ところが相手役のトランプ4人は、ガタガタと震えて女王の相手をすることに腰が引けてます。粗相をして首をちょん切られてしまっては・・・とビビる気持ちも分かります。互いに「お前が先に行けよ」「いや、お前が」という感じです。「しょうがない、俺が先にいくよ」と意を決して1番手になり手を差し出したものの、うなだれ方がすごい。そんなうなだれなくても・・・。元ネタのローズアダージオでは、気品を持ちつつもお互いけん制しあって、オーロラ姫の相手を我先にしたがる4人の求婚者とは大違い。

11/3の4人のトランプは豪華メンバーで、奥村君、井澤君という主役級ダンサーと、もう一人は小柴君かな?、あともう一人は誰だろう(最初、渡邊君と思いましたが、やはり違うと思う)無駄に豪華というか、格の高い本島ハートの女王の相手役ならこのメンバーで当然かという気もします。新国が推すダンスールノーブルたちがビビり役を演じるのは(おそらく)めったにないことなので。ここも必見ポイントです。

本島ハートの女王は、怖い女王の雰囲気を漂わせて、トランプを相手に踊り続ける。女王が怖いトランプはまともにサポートが出来ず、女王はバランスを崩したり、尻もちをついたり。リフトされたかと思うと、カエルみたいに足を曲げ、お尻を見せたり。無様な恰好ばかりで、ちっとも美しいポーズを見せません。ですがそんな変なダンスを踊り続けても、醜悪にも下品にもなりません。女性ダンサーが踊っているからか、美人ダンサーが踊っているからなのか、やり過ぎにならないような振付になっているからなのか。

ローズアダージオと違い、タルトアダージオでは女王はミニタルトを男性陣からもらいます。一口食べて「あら、おいしい」、また食べて「あらやだ、歯の間につまっちゃったわ」と台詞が聞こえてきそうな変顔が続きます。といっても変顔・変ポーズだけでなく、アティチュードバランスもしっかりきまって、ただのドタバタ場面ではないのです。

そして、本島ハートの女王が「首をちょん切っておしまい!」の変顔(?)を見せ、拍手喝采でタルトアダージオは終わります。変顔をいとわない美人演技派ダンサー、本島さんのタルトアダージオ、楽しかったです。

ドンドンドンドンという打楽器のリズムがなり、金管の緊迫感をあおるメロディが印象的な、トランプたちが踊る群舞。カッコよかったです。そんなに難しい踊りを踊っているわけではないんですが、女性陣のスタイルの良さが目を引いて、何だか目が離せません。

トランプの女性陣のチュチュがハートやスペードなど4種類のマークの形になっており、回転をするとそのチュチュが不思議な軌道を描きます。変な遠心力が働きそうですが、踊りにくくないのでしょうか。ヒラヒラしすぎないチュチュの作りで、かえって踊りやすいということもあるかもしれない。

パソコンの調子が悪いので、とりあえずここでお終い。ほぼ本島さんのハートの女王の感想しか書いてないな・・・。