「タイ~仏の国の輝き~」展

「タイ~仏の国の輝き~」展(@トーハク)に行ってきました。

行ったのは、7/21の金曜日です。通常17時で閉館してしまう博物館が、金曜日は21時まで開館しているのが社会人には嬉しいところ。社会人が行きやすい土日祝日の特別展は、とにかく混んでますからね。

サクッと気に入った作品3点を挙げてみますと、①ナーガ上の仏陀坐像②仏陀遊行像③ラーマ2世王作の大扉、です。特別展のサイトでも見どころとして紹介されている作品群ですが、素人がみても分かる素晴らしさがありました。

タイ展に入ってすぐに見られる作品が「ナーガ上の仏陀坐像」です。

ナーガも仏陀も美しい造形で見入ってしまいます。

像には所々、緑色の石が嵌め込まれていたり、赤い石が嵌め込まれていたらしき痕跡がありました。

なくなっている部分の石は、剥落したのか、誰かに取り外されてしまったのか、解説に何の記載もありませんでしたが、派手な装飾がなくてもその造形だけで美しさを堪能できる作品です。

トーハクの東洋館には材質も大きさも違うけれど、ナーガ上の仏陀像が展示されているので、帰りに忘れずに見てみるのも良しです。

ナーガ上の仏陀坐像が展示されているパートは、全体が水色多め、黄色を少し配色した展示室になっていて涼しげ。

外の暑さでバテながら展示室に入り、展示室内の涼し気な色合いを目にして、引きずっていた暑さが引き、すーっと静かな気持ちで鑑賞に移れる効果があると思いました。

次に、仏陀遊行像。

日本では立っているにしろ、座っているにしろどーんと構えている仏像が多いので、歩いている姿を写し取った仏像というのは新鮮な気がします。

文化や仏教の流派の違いが見えて面白い。日本みたいな大乗仏教の国では仏さまは頼りがいのある安定した感じ、タイのような上座部仏教の国では民衆の中に入り込んでいく仏さまという感じなのかな。

柔ってらかで力のよい入っていない体のラインや、歩くのに伴って揺れる衣の柔らかな感じが良いです。

最後に、ラーマ2世王作の大扉。

展示室内でこれだけは写真撮影可なので、すかさず撮影!

見上げる程大きく、様々なものが彫りこまれています。ムカデやカエル、しか、さる、ザクロ、種類が分からない花などたくさん。しかも金で塗装されていて豪華です。

火災にあい修復した貴重な品で、輸送も大変だったそうですが、一見の価値のある大扉だと思います。

これら以外も、金製品は豪華かつ細かな細工で目を奪うし、ニエロ装飾を施した水差しも素敵でした。

そして今回の展示で思わぬ驚きが、展示室内の豆知識的な解説で、日本に本物の仏舎利があると知ったこと。タイから友好の証として贈られたもので、日泰寺にある、と。どこのものとも分からない、馬の骨を仏舎利と偽称しているものばかりだと今まで思っていましたが、本物が実在していたとは驚きです。