金時山

しまった、不定期日記をしばらく書いていなかった。

先日行った金時山について記録しておこうと思ったら、時間が経ってかなり忘れてしまっています。というわけで、簡単に金時山登山についてメモ。

何となく晴れているけれど雲が多い天気のなか、金時山登山ツアーに参加しました。今日のコースは、乙女峠入口から金時山に登り、下りは分岐で夕陽の滝方面に進んで地蔵堂がゴールです。雲がはれて富士山が見られるといいな、と思いながらの登山開始です。

登りはところによってゴロっとした岩があったりしますが、おおむね普通の歩きやすい登山道です。低山は酸素が豊富で体力的にラク。一方で残暑による暑さと湿度がやっかいです。

乙女峠に着くと木製の展望台が設置されています。天気の良い日だったら富士山の眺望が望めるらしい。だいぶ曇ってきたので富士山の眺望は叶わないと分かっていつつも、記念にとりあえず展望台に登ってみました。が、やはり何も見えず、蜘蛛の巣がはった展望台の階段を空しい気持ちで降りました。

秋の花にはまだ早く、夏の花は終わって、笹が茂る登山道を黙々と歩き続けます。曇天で花も素晴らしい景色も望めないなか、足元にへびいちどのようなベリー系の果実がところどころなっているのを見かけるのが、少しの慰めになります。

長尾山という開けた場所に出たら、いい時間になったので昼食です。かなり広い場所でゆっくりお弁当を食べることが出来ます。「長尾山頂」という標識があり、その下に「植物を採らないでください。植物を植えないでください。」と注意書きがあります。「植物を植えないでください。」って、良かれと思ってどこからか持ってきた植物を植えてしまう人がいるのでしょうか。

自然に生えたのか誰かが植えたのか分かりませんが、この長尾山頂で気になる花を見ました。白いユリが咲いていたのですが、どうみてもヤマユリではありません。ヤマユリの特徴的な斑点が花弁についてないし、花の開き方もヤマユリほど開放的ではなく、控えめな感じ。

種類が分からず後で調べてみたら、見た目から判断するとどうやらタカサゴユリのようです。3本くらいタカサゴユリ(?)の株を見かけました。人工的に植え付けられた感じは受けなかったけれど、これはどうなのだろう。花の少ない時期に思わず大きくきれいなユリを見られて、登山者の目を楽しませてくれました。人工的に植えられたものだとしても、抜いたりせずそのままにしておいて欲しい。

長尾山から金時山までは標識によると35分。ゆっくりペースだったのでもう少しかかりましたが、山頂はすっかり曇っていました。おまけに小雨まで降ってくるし(すぐ止みましたが)。「天下の秀峰金時山」の看板のバックに本来なら富士山が見えるはずのロケーションです。まったく富士山の影も形も見えず、「天下の秀峰金時山」の看板が小雨の中、空しい・・・。

金時山のトイレはチップ制で100円。金太郎茶屋には赤ちゃんにおすすめ、金太郎の腹掛けが売っていました。

金時山山頂で15分位休憩をとって、下山を開始です。普通の登山道を下っていくのかと思っていたら、階段を下ります。結構急な階段ですが、危険な感じはありません。階段が終わったら、滑りやすいところなのか、ロープが張られています。さらに下って、木製の渋い鳥居を抜けて、どんどん樹林帯に入っていきます。

樹林帯は日中でも薄暗い。ツアー仲間は「もう陽が落ちてきているのかしら」と勘違いしてましたが、場所によっては陽が差し込むところがあり、日暮れにはまだ時間があることが分かります。そんな薄暗い樹林帯ですが、丸太を組み合わせた橋や浅い沢を渡り、濡れた岩の上を歩き、登りとは全く違う趣で楽しく歩けます。

樹林帯を抜けたら夕日の滝には寄らず、地蔵堂へと向かいます。舗装道路になり、民家や田畑がたくさん。田圃は棚田でした。東京の隣の神奈川県で棚田を見られるなんて予想していなかったので、興味深い。そして民家のそばには猪の皮が干してありました。両国のしし鍋店の店外に、猪のはく製(背中の真ん中部分が通行者に触られすぎてはげている)が吊るされてますが、それとは違い何だかワイルドな感じ。中身の肉はどうしたのか、皮の用途は何なのか気になります。

そんなこんなで地蔵堂に到着。整備されたトイレがあり、近くに茶屋もあります。甘酒を売っていて、登山で消耗した体力を補うのにピッタリ、かもしれません。冷やし甘酒があったら飲みたかったところですが、温かいものだけというので残念。

富士山を見られなかったので少々残念な金時山登山でしたが、登り下りで変化があり、疲れもなく程よい登山でした。次回行くときは「天下の秀峰金時山」の看板バックにそそり立つ富士山を見られますように。