八方池と雨飾山荘

雨飾山登山ツアーに参加してきました。今回のツアーは夏に登った白馬三山を他の場所から見てみよう、という趣旨のもの。

1日目は八方池までトレッキングをして、八方池に映る白馬三山を見る行程です。

ゴンドラやリフトに乗っていると、周囲に見える山々の紅葉がきれいです。八方池に着いたらどんな景色が広がっているのだろうと期待が高まりますが、晴れているものの雲が多いのが気になる・・・。

八方池トレッキングコースは高をくくっていたら、岩がゴロゴロしていて意外に歩きにくい。スタッフさんから「遠くに見えるあれが不帰キレット」などと教わりながら、ゆっくりペースで登っていきました。

途中で昼食休憩や小休憩を取りながら登っていくと、次第に大きな池が見えてきました。あれが、八方池!こんなところにこんな大きな池があるなんて。寒くも暑くもないいい感じのポカポカとした陽気で、池の周りで昼寝をしている観光客がいます。絶景ポイントでシャッターチャンスを狙っている人もいます。青い空と白い雲と緑の湖面のコントラストが美しい。けれど、晴天に映える白い雲は山頂を隠してしまっている。おまけに湖面にさざ波がたって、観光パンフレットにあるような湖面に映る白馬三山の姿は望めませんでした。午前中なら写真で見るような景色が見られたのかもしれません。自由行動の時間中、時折、雲が切れて、白馬三山の山頂が見られただけで良しとしましょう。

トレッキングの復路では翌日登る雨飾山が見えました。こちらも山頂が雲に隠れたり、見えたり。木々に覆われた山肌の間にゴツゴツした岩が見えます。この時は単純に「わぁ、明日登る山だ!」と浮かれてました。翌日のことなど予想もできなかったので。

うさぎ平ではりんご味とミルク味のミックスソフトクリーム(350円)を買い、展望テラスで食べながら、ここでも雨飾山を眺めました。明日はどんな景色が見られるのだろうと期待しながら。相変わらず、翌日の山行がどんなになるか予想できなかったので。

八方池トレッキングの後は雨飾山登山に向けて、宿に向かいます。今回の雨飾山登山は新潟県側から登って長野県の小谷村側に降りてくるという雨飾山縦走コースです。というわけでお宿は新潟県側の登山口にある雨飾山荘です。

乗り込んだバスで、とてものどかな田園風景が広がった中を雨飾山荘に向かいました。「農業車両優先」と書かれた看板がたっている脇道があったり、人っ子一人いないどころか、行きかう車も一切なかったり、田園風景をそれなりに楽しみました。が、どんどん道が狭くなり、バス一台がギリギリ通れるぐらいの道が続きます。(本当にこの先に雨飾山荘があるのか?)と不安になるような場所を進んでいきます。そんな不安を感じている中、道が行き止まり。と思ったら雨飾山荘に到着しました。周りに民家は一切ありません。

雨飾山荘は、外観は年季を感じる建物でした。みると玄関脇に「明治13年創業」と書かれた木の看板が付いてます。屋内はどうなっているのか気になります。

中に入ると、何となく古民家っぽい作りでした。つやつやとした木の柱や廊下。 雰囲気のある和風の山荘です。

我々ツアー一行の女性陣7名は3つにカーテンで区画を仕切れる、畳敷きの大部屋に入りました。男性陣やツアースタッフ、その他のお客は個室で、大部屋を使うグループは他にいないのでどこを使っても良いとのこと。3つの区画のうち、窓際にある一番大きなスペース(25畳)を使うことにしました。窓の外はきれいに山が見えます(山の名前は不明)。天井を見上げると太くてつやつやとした梁がかけられています。立派な梁で、創業当時からのものなのでしょうか。

この雨飾山荘は秘湯ファンも泊まる宿なようで、温泉の内風呂と露天風呂があります。石鹸、シャンプー、歯磨き粉使用OKで、内風呂にはボディソープ、リンスインシャンプーが置いてありました。ですが、温水の出る蛇口やシャワーはなく、湯船からお湯を汲み取って使うことになります。湯船のお湯は最初「熱い!」と思いますが、入っていると慣れてきました。温泉の成分で湯船の中はすこしぬるぬる。でもいいお湯でした。髪を洗った人用のためか、流しには1台だけドライヤーが置いてありました。

外には露天風呂があります。混浴です。他のお客がいない間をぬって、女性陣で入ってみることにしました。入口は木とガラスで作られていて、ここか露天風呂をのぞくことが出来ますが、入口を離れると露天風呂は樹木の陰になっていて外から見えません。ですが、脱衣スペースが入口のガラス戸を通して山荘や敷地内からまる見え。お湯は内風呂より温度が低く、いつまでも入っていられる感じです。ここも露天風呂内は温泉の成分で少々ぬるついていました。

温泉に入ったら、18時の夕食まで館内を物色しました。入口をはいって右手には畳部屋があり、小熊の敷物、神棚、テーブルの上には旅の思い出ノートがありました。ノートを見ると、登山客だけでなくやはり秘湯ファンも来館しているようでした。お手洗いは簡易水洗ですが、清潔で臭くありません。売店の商品はパッと見た感じ、それ程充実していません。ですが、雨飾山登山のイラストルートマップ(100円)を買っておけば良かったと今頃後悔しています。

18時になって、待望の夕食の時間です。ここも食事が充実してました。コシヒカリの新米ごはん、なめこたっぷりお味噌汁、もつ煮込み、ポテサラと生野菜サラダにトンカツ、お浸し、焼き鮭、刺身三点盛り、漬物、デザートのミカン。ふう、美味しくてお腹一杯になりました。

翌日の天気予報は曇りのち雨。下山が終わるまで天気がもってくれればいいなと願いながら、満腹満足で就寝です。