嵩山でカラビナかけ替え練習

登山ツアーで群馬の嵩山に行ってきました。

今回は継続した登山ツアーの第2回目。ヘルメットを被り、カラビナ、スリングを使って岩場を登る練習です。第1回目は都合により参加できなかったので、今回からの参加になりましたが、いやあ、いい練習になりました。

嵩山は道の駅たけやまのそばに登山口があり、当日のルートは、表登山道~小天狗~天狗の広場~中天狗~大天狗を登り、東登山道を下りていくというもの。嵩山は気持ちのよいハイキングコースになっており、近所の保育園生がちょっとしたお出かけでお弁当を持って遊びに来るようなところのようです(当日も保育園生の集団が楽しくハイキングをしていました)。ちょうど紅葉も良い時期でした。

一応岩場の練習ということで身構えて登山を開始したのですが、大天狗を登るちょっと前の御城の平まではごくごく普通のハイキングコースでした。最初に登る峰、小天狗はちょっとした岩場ですが、特に鎖が設置されているわけでもなく、普通に登れます。登ると視界が開けて気持ちいい。

中天狗はあっという間に通り過ぎ、どこで岩場の訓練をするのかと思っていると、あずまやのある開けた場所に着きました。ここで登山講師が木と木の間にロープを張り、平地でのカラビナ・スリングを使った歩行訓練を開始。細めのスリングの両端にカラビナをつけ、太めのスリングを身体に巻き付けて、張られたロープに沿って順番にカラビナのかけ替えを練習していきます。いい歳をした大人がロープに何かをつけて歩き続けているさまは、何も知らない人がはたから見ると、「あの人たち何?」と奇異に映るだろうな。平地でのかけ替え訓練なので今一つ緊張感がない。右手で片方のカラビナをかけ替え、左手でもう片方のカラビナをかけ替えようとすると、「実際に岩場でカラビナをかけ替えるときは片手は岩をつかみ、もう片方の手だけでカラビナをかけ替えることになります。両方の手でかけ替えをしないように。」と注意されました。

平地でのかけ替え訓練を何往復かすると、次は大天狗でのかけ替え訓練です。参加者が昼食をとっている間に、登山講師が単身、岩場にロープを張りに行きました。先生って大変だな。ロープを張り終えた先生が戻ってきて、みんなで大天狗に向かいました。

大天狗を前にして、「ちょっと待って。本当にここで練習するの?」というのが正直な感想です。一体何メートルあるんだ。先生は「第1回は登りのかけ替え訓練だけでしたが、今回は下りも行います。」とのこと。

次々と参加者が登っていって、自分の番です。岩をつかんで、いい足場を見つけて登り、2~3mごとぐらいに作られたロープの結び目の部分でカラビナをかけ替えます。「片手は岩をつかみ、もう片方の手でカラビナをかけ替える」と心の中で唱えながら、ひたすら集中。足場がしっかりしていて滑らない岩なので登りやすいと言われましたが、確かに足場はしっかりしていて岩は滑りませんでした。ですが、足をかけたい部分に松の葉が積もっていて、それが滑りを誘発します。集中し続けて、何とか岩場を登り終えました。なお、大天狗にはもともと鎖がつけられていて、それを使って登ることが出来るようです。といっても、けっこう長い鎖場なので自分一人だったら鎖頼りに登りはしないかな。

登り終えると標高が書かれた標識が立っていました。標高789m。さらに鎖がつけられた数メートルの岩があり、その上に祠がありました。この山はピークには祠を立てることにしているのだろうか。小天狗でもそうでしたが、この嵩山は標高のわりに展望がききます。周囲に視界を遮るものがなく、360°の展望です。雪に染まった谷川岳が遠くに見える。

全員登り終わったら、今度は下りです。下りは登りより足場を見つけにくくて大変。足場を見つけようとロープの右に行ったり、左に行ったりして下っていたので、ロープとスリングが絡まってしまい、カラビナをかけ替える段になり、かけ替えようとしてもかけ替えられない。あせってカラビナを二つともロープから外してしまい、ここが足場の悪い所だったらかなり危ないことになっていたかもしれません。つまらないミスですが、足場のしっかりした岩場で経験しておいて良かった。そして、登りの時は感じなかったロープ結び目配置の巧みさが、下りになると良くわかりました。ちょうどいい足場に立った時に、ちょうどかけ替えをしやすい位置に結び目がきていました。先生ってやっぱりすごい。

大天狗を下り終えたら、下山です。嵩山はコース途中に奇岩があるようですが、今回は奇岩巡りはなし。下山途中に大きな岩が見え、岩の壁面に仏像が一体安置されていました。さらに行くと、同じ岩に穴が穿たれた、弥勒穴(穴の中に弥勒菩薩像が置かれているらしい)が見えました。鎖が張ってあって弥勒穴まで行けるようになっているようです。岩場好きな人は行ってみるのもいいかも(わたしは行こうと思いませんが)。

今回のツアーはカラビナかけ替えの良い練習になりました。翌日腕や背中が筋肉痛になったので、けっこう腕の力を使って登っていたようです。ふう、次回の第3回目も頑張ろう。