奥多摩10座コンプリート①

鷹ノ巣山に登ってきました。

4月の中旬の川苔山から始まって、次の週は御前山、そして4月最後の週の土曜日に鷹ノ巣山。4月は毎週ひとつづつ登って、去年から今年の3月までに登った御岳山、大岳山、雲取山、日の出山、浅間嶺、高水三山、三頭山と合わせて、ヤマスタの奥多摩10座コンプリートです。ちなみに鷹ノ巣山に登った後は、昭島のモリパークアウトドアヴィレッジに寄ってオリジナルピンズをもらってきました。

鷹ノ巣山は日帰りできる奥多摩の山の中では、行動時間が長い。公共交通機関を使っていく場合、行動時間は短いものでも6時間以上かかります。行動時間の長い、初めて行く山は時間に余裕をもって臨みたいので、いつもより早めの時間に出発です。

7:18に奥多摩駅に到着すると、思ったより登山者が多いです。お手洗いを済ませ、東日原方面に行くバス停に向かうと、すでに30人ぐらい並んでいます。しまった、お手洗いは後にしておくんだったと後悔です。

が、出発時間を待っていると西東京バススタッフから、「川乗橋に行く増便を出します。川乗橋に行かれる方はこちらからご乗車ください。」とアナウンスがありました。登山者が多く見込まれる日には予め人員を手配しておいてくれるのか、登山者が多いときにすぐに増便を決定してくれるのが西東京バスの良いところ。ぎゅうぎゅう詰めで登山前から疲れるようなことはなく、快適にバスに乗れます。

川乗橋への増発便が発車した後、7:27に東日原行きの定刻便が出発です。東日原への途中、川乗橋ゲート付近で川苔山への登山準備中の人の姿が何人も見られました。2週間前に川苔山に行ったときは、林道工事のため川乗橋ゲートからの登山道は通行止めということで、鳩ノ巣駅方面から登りました。川乗橋ゲート方面は、GW期間中は一時的に通行止めが解除されているんですね。舟井戸コースはあまり面白くなかったので、川苔山に登るならこっちの方が良さそうです。

バスはほどなくして東日原バス停に到着。バス停には公衆トイレがありました。ここで降りた人がすべて、稲村岩経由で鷹ノ巣山を目指すわけではなさそうです。鷹ノ巣山登山口は中日原バス停近くにありますが、さて中日原バス停は左右どちらの道をいったものか?バス停近くには大きなイラストマップが掲示されていて、このバス停からの徒歩での目的地のルートが描かれています。こういうものより、「鷹ノ巣山登山口はあちら→」のような標識がある方がありがたいのですが、みた範囲では標識はありませんでした。持参した登山詳細図とにらめっこしていたら、次々と他の登山者が出発してしまったらしく、いつのまにかバス停が閑散としていました。

右側に行った人もいるし、左側に行った人もいる。バスが帰っていった方は中日原バス停方面ではないはずなので、あちらの方に鷹ノ巣山登山口があるはずと思い、歩き始めます。交番前を通って、猫がのんきに水を飲んでいる、蛇口がついてる水くみ場(?)を過ぎたら、鷹ノ巣山登山口です。

階段を下りて、下りの登山道もずんずん下りて、渓流沿いへ。この下った分だけ後で登ることになるわけなので、下るのがもったいない気がします。といっても渓流から吹いてくる風が涼しくて気持ちがいいし、新緑に彩られた岩の間から流れてくる急流をみるのも楽しい。

渓流を間近に見るまで下ったら、後はアップダウンはなく、ほぼ登り一辺倒です。斜度は南高尾や奥高尾の一部の急登と変わりがなさそうに感じましたが、とにかく登りが長い。下から見て、その先が見えないところで一旦登りが終わるのかと思いきや、登ってみるとまた次の登りが見えてきます。

そんな中で、登った先に大きな岩が見えました。表示はありませんでしたが、これが稲村岩のようです。掲示板によると死亡事故が起こったことがあるそうで、不用意な立ち入り禁止とありましたが、岩の下部にザックが二つ。登っているところは見えませんでしたが、岩の上に2人いるようです。わたしは登る気がまったくなかったので、見送って次の登りに取り掛かります。

鷹ノ巣山への登山道は、一部杉林もありましたが、広葉樹の明るい林の中が多いです。そこを延々と登り続ける。道は広くて、危ないところはありません。カエデの木がたくさん生えていて、秋は紅葉がきれいだろうと思います。人が少ない登山道は静かで、鳥の鳴き声がのどかさを添えます。広葉樹の倒木が何本かありましたが、根元から掘り返したかのように、土のついた根っこから豪快にバッタリと倒れています。針葉樹ではあまり見ない倒れ方だなと思いながら、倒木した落葉樹のそばを通ります。

相変わらず登りは続く。広葉樹の林は新緑できれいなのですが、いつまでも続くと飽きてきます。おまけにやたらと顔の周りを虫がまとわりついてきます。虫よけスプレーをしたらマシになりましたが。そしてだんだん頚椎症による首の神経痛と、その放散痛の背中・肩甲骨付近・腕の痛みが辛くなってきます。いつもは使わないストックを使うと、ザックの重さが軽減し、登りの補助にもなって楽になってきました。ですが、脚だけで登っているのに比べ、上半身も使っているので一気に身体が暑くなってきます。山頂が待ち遠しくなります。

この登りはこれで終わりと登った先は、平坦な道が続いています。標識があって、ここが「ヒルメシクイのタワ」だと分かります。やっとここまで登ったと安心するものの、標高1562m。標高1736.6mの鷹ノ巣山山頂までまだまだです。

それにしても、ヒルメシクイのタワにタバコの吸い殻が、ぱっと見でも10本以上は捨ててあります。食後の一服?こんなにタバコの吸い殻が密集して捨てられているところって、奥多摩の他の山であったかな?たくさんタバコの吸い殻が捨てられていると、「ここは捨てていい場所なんだ」と考えて、吸い殻をポイ捨てしてしまう人もいるかも。

ヒルメシクイのタワを過ぎ、もういい加減登るのは嫌だとなったところで、前方に画像でみたことのある石の標識が目に入ってきました。あれは、たぶん鷹ノ巣山の山頂標識。やっと、着きました!

山頂から他の山々が良く見えます。春霞もかかっておらず、くっきりと。富士山もきれいです。山頂から見える山についての解説板がなかったので、どれが何の山か分かりませんが、右手に見える雪がたくさん残る山々はどこの山系でしょうか。今まで登った奥多摩10座の中では一番の眺めです。他の山では登頂時間が遅くて雲がかかってしまったり、曇りだったり、晴れていても木が生えていて眺めがよくなかったりで残念な思いをしていました。10座の最後でご褒美のような眺めが待っていたとは!

眺めがいい一方、鷹ノ巣山山頂に日陰はありません。日差しが強い。日に焼けると身体が疲れてしまうので、昼食をサッと取ったら下山開始です。下山は沢沿いを水根方面にいくルートを選択です。