涸沢ヒュッテ

奥穂高岳登山ツアー2日目は、雨のため当初の予定の穂高岳山荘まで行くことはできず、涸沢ヒュッテで足止め。

酷い雨で徳澤園の出発時間を遅らせましたが、雨は弱まらず涸沢ヒュッテに到着です。涸沢ヒュッテで雨の様子を見ながら休憩。冷えた身体におでん(700円)の温かさが染みわたります。個人的には城山茶屋(小仏城山)のおでんより美味しいかと。

山の天気予報では11時過ぎから雨が止むとのことで、涸沢ヒュッテで30分くらい休憩を取ったら再出発です。3日目の方が2日目のこの日より天気が悪いという予報で、2日目のうちに穂高岳山荘まで行き、奥穂高岳にも登ってしまおうということです。

出発して間もなくは、まだ元気。ですが降り続く雨の中、すぐに体力が消耗していきます。

この日は準備万端、立山の時とは違ってスパッツをつけていたので、靴の中に雨水が入ってぐちゃぐちゃにはなりませんでした。ただし、ひどい雨のなか何時間も歩き続けていると、靴に雨水が浸み込んできます。

雨用手袋として使っていたテムレスは、雨が浸透してきます。立山の時もテムレスを使っていて雨が入り込んでた経験があり、今回はきっちり防御するようにつけていましたが、やはり雨が入ってきます。今回の経験で、つけ方の問題ではなく、テムレスは雨が浸透してくるものだということが分かりました。テムレスは弱い雨なら効果があるのかもしれませんが、強い雨には効果がないようです。

そしてテムレス内にたまった雨水が、腕を上げたはずみに肘、脇の下まで流れ込んできて、ウェアが濡れてしまいました。冷たい!雨具のボトムから雨が浸透したのか、汗のせいなのか、ズボンも濡れています。

雨はやむ気配がなく、雨中の行程は通常より体力消耗が激しいです。つらい・・・。ザイテングラートの手前まで行きましたが、予定の11時を過ぎているのに雨足は弱まらず。結局、雨でぬれたザイテングラートは危ないという判断で、涸沢ヒュッテに戻って急遽泊ることになりました。

素人目線でもこの雨は止まないだろうと思いましたが、涸沢ヒュッテに戻る途中も、その後も、強まりはするものの止むことはありませんでした。山の天気予報は当たらない・・・。そんな雨の中でも、徳澤園で一緒だった他の登山ツアーの人たちや2~3名位の個人グループは、ザイテングラートを登っていきました。ガッツあるなぁ。

急遽泊ることになった涸沢ヒュッテ。本来なら3日目朝に奥穂高岳に登り、ゆっくりペースで涸沢ヒュッテまで下りてきて3日目の宿泊地になるはずでした。予定変更したため、2日目涸沢ヒュッテ泊、3日目涸沢ヒュッテから奥穂高岳に行き、戻ってきてまた涸沢ヒュッテに泊ることとなりました。

紅葉の涸沢の画像を見て、憧れていた涸沢ヒュッテ。ですが、憧れは消え去りました。部屋はまだいいとして、トイレの臭いがつらい・・・。ツアー参加者が「これでもきれいになったのよ。前はもっと汚かったんだから。」と言ってましたが、そうなのか・・・。槍ヶ岳山荘のように小屋内にひどい臭いのトイレがあるのではなく、外にあるのでまだいいと思うことにします。ちなみに、トイレの隣が乾燥室になっていますが、トイレの入り口扉をきっちり閉めているので、隣の乾燥室にトイレの臭いは漂ってきません、おおむね。臭い対策には扉をしっかり閉めることが重要なのが、ここでも証明されました。

談話室は居心地良いです。ですが、雨で行き場のない登山者がストーブがあり温かい談話室に集合し、談話室はみっちみち。

泊った部屋は別館の大部屋。男女同室の相部屋で、ツアー参加者スタッフも含めて同じ部屋です。部屋内にカーテンの仕切りがないのがつらいところ。(外のトイレのそばに更衣室があり、そこで着替えはOK。更衣室は一人用らしく、狭いです。)そして、一人一布団ではありません。あらかじめ敷かれた布団一枚につき、枕が互い違いに2つ置いてあり、2人で一つの布団を使う仕様になっています。紅葉シーズンの涸沢だとこれが普通なのだとか。ツアー人数はそれより少なかったので、もう少し余裕はありましたが、一人一布団でふかふかと清潔だった前日の徳澤園との落差が厳しい。夕方の宿泊締め切り時に余裕があれば、もう1部屋使えるということでしたが・・・。

館内探検であちこち行ったり、別館入り口そばの乾燥スペースでウェアを乾かしていると、次から次への登山者がやってくるのを目にしました。この日、上高地に到着してから涸沢ヒュッテまで登ってきた人たちのようです。16時を過ぎてもやって来ます。17時になってもやって来ます。みんなずぶ濡れ。余分な部屋はなくなったようで、結局ツアー参加者は一つの部屋に雑魚寝です。

どの宿泊者もずぶ濡れでやって来ますので、乾燥室、乾燥スペースに空きスペースはほぼなし。きっちきちに隙間は僅少に、ウェアを吊るしています。そのため自分のウェアが乾きつつあっても、新たにかけられたポタポタとしずくがしたたる雨具により、元の木阿弥に。というわけで、乾燥スペースに置いてあるストーブの前に陣取り、ストーブの熱気にあてて地道にウェアを乾かすことにしました。みっちりと隙間なく吊るされた状態より、気長にストーブの前で乾かす方が断然早く乾きます。

夕食メニューは、白米、お味噌汁。がんもどき、ちくわの磯部揚げ、ハンバーグ、ブリの照り焼き、トマト1切れ、千切りキャベツ、漬物。涸沢ヒュッテの食堂では、長野県警の2山岳救助隊員による、安全登山のための啓蒙スピーチを聞きながらの夕食です。2日目に撮った写真は、この夕飯のみ。館内の写真は1枚も撮っていなかったことに、今更気づきました。立山登山ツアーで大雨に降られた時も、写真を撮ったのは夕飯だけだった気がする・・・。雨中の行動で精神的・肉体的に消耗すると、写真を撮る余裕がなくなります。

そんなこんなで、9月中旬奥穂高登山ツアー2日目のメモ、終了。