12/21くるみ割り人形(@新国立劇場)

12/21新国立劇場くるみ割り人形を観てきたので、主役の2人について簡単にメモ。

この日のクララ役は木村さん。

1幕の夢の中でねずみたちとの戦いの場が始まる前に、木村さんは初めて舞台に登場します。

木村さんは登場した瞬間、戸惑った子供の表情をしている!見知った自分の家のはずが、どことなく変で、どこか不思議なところに迷い込んでしまったといった戸惑った顔です。夢の中でも、最初は現実の子供の姿のままということが、木村さんの表情の作り方から分かります。

ねずみたちとの戦いを経て、くるみ割り人形の傷ついた姿に泣きじゃくる時の姿も、まだ子供。

そしてドロッセルマイヤーの甥に変身したくるみ割り人形とパ・ド・ドゥを踊るときは、乙女の顔をしている!あどけなさを残す子供の顔ではなくなっていました。

一方、相手役のドロッセルマイヤーの甥役は渡邊君です。士官学校の制服(?)らしき衣装がとても似合っています。この衣装は長身細身のダンサーに似合うようです。いつものようにジャンプは高く、爽快な踊りを披露。

さて、2幕のグラン・パ・ド・ドゥ。

木村さんのこんぺい糖の精はキラキラ。衣装もティアラもネックレスもキラキラして照明もカッと明るいので輝いて見えるのは当然ということではなく、存在自体がキラキラしています。1幕のねずみとの戦いやパ・ド・ドゥ、2幕のお菓子の国に到着したばかりのクララとは違う。現実離れした美しさが光を放ち、クララとは全く存在感や雰囲気が違います。手足も長くて、絵になります。(イーグリング版も2幕はお菓子の国という設定だったのに、今気づきました。あやしい雰囲気のアラビアの踊りや蝶々という謎の存在から、お菓子の国ではなく、どこかの異世界の設定なのかと思ってましたよ・・・)

木村さんのきらびやかさは置いといて、この日の一番のポイントは、木村・渡邊ペアの進化です。リフトもサポートも一段とスムーズになっていました。

イーグリング版は女性ダンサーが男性ダンサーの方に飛び込み、サッと男性がリフトする振付があり、全体的に難易度が高め。タイミングが合わないとパ・ド・ドゥが台無しになってしまうような振付が多いです。そんな振付を踊りの勢いを殺さず、あくまで優雅に何でもないことのように踊り続ける2人。

以前の舞台鑑賞時に、木村さんの背の高さは、渡邊君がリフトやサポートをするには少し高いのか、もう少し背が低いダンサーとの方が良いのかもしれないと思ったものです。が、2人は進化していて、その懸念は払しょくされました。渡邊君は新国立劇場バレエでは長身に分類されるダンサーですが、自身が長身でも、長身の女性ダンサーをサポートするのは大変なはず。(以前ゼレンスキーがインタビューで、長身女性ダンサー(ロパートキナ)をサポートするのは大変だと言っていた。)木村・渡邊ペアは、どんな過程を踏まえて、難易度の高い振付をこともなげな雰囲気で披露できるようになっていったのでしょうか。興味がわいてきます。

こんな感じで12/21の舞台鑑賞メモは終わりです。

トータルとしての完成度の高さの小野・福岡ペアも良いし、進化し続ける木村・渡邊ペアは益々見逃せなくなってきそうです。一つだけ観るならどのペアがいいか、選ぶのが難しくなってきました。