くるみ割り人形10/28①(@新国立劇場)

新国立劇場で「くるみ割り人形(イーグリング版)」を観てきました。

今回の版のくるみ割り人形は、新国立劇場バレエ団の2017/2018シーズンのオープニング作品で初演。筋は従来のくるみ割り人形と大きく変わっていません。が、振付が難しかったり、新たなキャラクター付けがありました。あまり期待してませんでしたが、面白くて満足しました。

キイーグリング版には謎の配役があり、キャスト表に「スケートをする人々」、「詩人」、「青年」、「蝶々」。頭に「?」が浮かびます。くるみ割り人形にこんな役の人っていたっけ?疑問を感じながら観劇開始です。

幕が開くと、まずセットが美しくて感激です。クリスマスパーティーに参加する人達がクララの家を訪れる場面では、セットと背景がうまく融合し、舞台に奥行きが感じられます。クララの家は川沿いに建っているようで、隣接した凍った川でスケートをする人がちらほら。「スケートをする人々」とはこれのことか。

イーグリング版ではクララもフリッツもその友人たちも、みんな本当の子供が演じます。大人が子供を演じている無理やり感がなくて良いです。一方で、大人のダンサーが一切いない、子供だけのソロや群舞の場面は物足りなさも感じました。

ドロッセルマイヤーはなぜか顔を白塗りしてます。ロココ風の髪型をしている(かつらを被っている設定?)から、その時代をまねて白塗りなのだろうか。ドロッセルマイヤーが子供たちにプレゼントを贈るのではなく、サンタクロースの起源である聖ニコラス役が出てきていました。

イーグリング版では、ドロッセルマイヤーが出す人形が踊る演出はありませんでした。仮面付けてキルト身に着けて踊っている役の人がいたり、女性1人男性2人のトロワで踊ったりする役の人がいたりしました。謎の役、「詩人」と「青年」は、この場面で踊っていた人たちのことなのだろうか。

パーティーが終わり、クララの夢の中。12時になると、クララとねずみの王様の戦いが始まる場面です。

時計が自然に12時になるのではなく、ドロッセルマイヤーが長時計の中から出てきて、針を12時に合わせます。ギャグっぽくて、なんか普通のくるみ割り人形と違うぞ?

ここで現れたクララは主役の小野さん。夢の中だから大人の姿になったということなのでしょう。クララは兵隊に協力して、ねずみやねずみの王様と戦います。騎兵隊長役の原君の踊りが清々しい。仮面をつけたくるみ割り人形とクララの踊りも、仮面のせいで視界の制限があるなか、リフトがあったり、やはり振付が難しめ。

そして何よりねずみの王様の振付の難易度が高い!普通の版では、ねずみの王様はラスボス感を漂わせるだけで、踊り自体はそれ程難しいことはしません。ですがイーグリング版では、ねずみの王様が踊る、踊る。さらに、くるみ割り人形やクララを、振りや態度で小馬鹿にして、観ていて小憎らしい。踊りの高い技術だけでなく、演技力も必要とされる役になっていました。ねずみの王様を演じているダンサーは誰?と一幕が終わってキャスト表を見ると、プリンシパルの奥村君でした。奥村君なら当然あれだけ踊れて、あれだけ演じられるなと納得です。

クララ達とねずみ軍の戦い。兵隊弱し。大砲から砲弾を発射したものの50センチぐらいしか飛ばず、ネズミ軍にノーダメージ。

このねずみとの戦いの場面は、コント?

砲弾はねずみの王様にちゃっかり拾われて、ホクホクと持っていかれてしまいます。それをクララが「ダメダメ、返して」という感じで追いかけます。やっぱりコント?笑っていいんだよね?一人で笑っていましたが、周りがシーンとしているので、思い切り笑えない・・・。

そんなお笑い場面の次が、冬の樅の林の音楽の場面です。ロマンチックな音楽の中、クララと王子がパドドゥを踊る、大好きな場面です。イーグリング版では倒れたくるみ割り人形ドロッセルマイヤーの甥に変身し、クララと踊ります。さっきのコントを引きずってしまい、ロマンチックな気分に浸れない・・・。なにかまたコントが始まってしまうのでないかと変なドキドキ感がありました。

そんなよけいな心配はよそに、雪の結晶の場面になだれ込んでいきます。雪の結晶は新国立劇場バレエ団の神髄、コールドのスタイルの良さと統一された踊りの美しさが堪能できました。やはりここでも振付の難易度、高いな。

ドロッセルマイヤーが乗る気球に、クララと甥も乗り込み、お菓子の国に向かうところで1幕終了。イーグリング版は船ではなく、気球なんですね。3人が乗る気球が宙に上がって、こっそりとねずみの王様も気球にぶら下がっていました。

 

 

 

 

 

 

 

炭焼き体験

もう10日も前のことですが、檜原村での炭焼き体験に参加してきました。

炭焼き体験といっても、木を切ったり、炭窯に木を並べたり、火をつけたりといったことはなく、ほんの触り。1.5m以上ありそうな長い棒を使って、燃え盛る炭窯の中から出来上がった炭を取り出す部分だけやらせてもらいました。

窯から炭を取り出すといっても、炭窯は道端にあるわけじゃありません。山の斜面の程よいところ(下の舗装道路から10分ぐらい登ったところでしょうか)に釜は作られています。そこまで雨の中、ぬかるんだ道を登っていきます。

登っていくと、山の斜面に炭焼きのための平坦な場所が作られていました。炭窯には数日前から職人さんが準備した炭が焼かれ続けています。

窯の前には4メートル四方ぐらいの木の枠で囲われた炭取り出しスペースがあり、スペースの端の方に灰が盛られています。窯の入り口の正面に立つと、窯から4メートルは離れていると思われるのに、窯から吹き出す火の熱さが伝わってきます。熱さは焚火より少し熱いくらい。

炭焼き職人さんがデモンストレーションで炭を取り出します。全長1.5m位の、先端がカギ型の金属製で持ち手は木製の炭取り出し棒(名称失念)を使って、窯からゴロゴロと大きな炭を次々と取り出していきます。取り出された炭は、中までしっかり火が通っていてオレンジ色。ここで炭取り出しスペースの端に盛られた灰の出番です。高温の炭は、灰を被せて温度を下げるために置かれていたのでした。職人さんの一連の作業は見ている分には、簡単そう。

職人さんのデモが終わったら、体験者が炭窯から炭を取り出す番です。炭を灰に被せる作業までするのは灰だらけになってしまうというので、今回は炭を窯から取り出す作業だけになりました。(雨が降っていたので、既に泥まみれのところ、さらに灰まみれになったら悲惨だったと思います。)

次々に炭焼き体験参加者が窯から炭を取り出していって、わたしの順番が回ってきました。窯の入り口近くにある炭は、先の参加者にあらかた取り出されてしまって、もっと窯の奥にある炭を取り出さなくてはなりません。炭取り出し棒が長いとはいえ、奥にある炭を取り出すには、窯の入り口近くに行かなければなりません。あれ、思った以上に熱い!熱いよ、だけど良い炭を取り出したい、の一心で、窯の近くで炭を取り出します。

大きな良い炭が出てきた、良い炭をたくさん掻き出したい、と思って気が急いて掻き出してみます。と、もろくも一部の炭が崩れてしまいました。しっかりした硬さがあるように見えたのですが、高温の状態ではちょっとした力の入れ加減で、崩れて小さな塊になってしまうようです。職人さんが簡単そうにやっていたことは、経験に裏打ちされたが故のことでした。

炭窯についての話や、毎回同じ窯を使って炭焼きするのではなく、ローテーションで窯を使うこと、木はきれいに立てて並べて焼くことなどの話も興味深かったです。窯を覗くと、本当に丁寧に木が並べられて焼かれていました。窯にポイポイ木を投げ入れて、適当に積みあがった木の山に火をつけて焼いているのかと思っていましたが、良い炭を作るためには手間がかかっているんですね。

炭焼き体験が終わったら、檜原村特産のこんにゃくを食べて、三頭大滝見学をしました。特産こんにゃくは、こんにゃく芋から直接作っているので柔らかで美味しい。三頭大滝への散策路はウッドチップで整備されて足に優しい。三頭大滝は意外に大きくて、紅葉がもう少し深まったらさぞ綺麗だろうな。

 

 

名に負う雨飾山②

山頂で15分ぐらい過ごして、下山開始し始めたら、また雨が強くなってきました。下山ルートは長野県の雨飾高原キャンプ場に下りていくコースです。登りより下りの方が苦手なので、下山が心配です。

山頂からの岩場を下っていたら、我々ツアーより人数の多い団体さんが登ってくるのが見えました。山頂休憩時に出会った年配のご夫婦に「長野県側ルートから団体さんが登ってくるよ。」と教えてもらっていましたが、その団体のようです。こんな雨の日でも登ってくる人は登ってくるんですね、我々のツアーもですが。山頂直下のこんな狭い急坂の岩場ですれ違いは嫌だ、安全な笹平で待っていてくれないものかという願いは空しく、続々と登ってきます。登り優先ですが、先方のツアーの方が人数が多かったためか、下りの我々ツアーを先に行かせてくれました。ありがとうございます。

長野県側ルートは新潟県側ルートほどではありませんが、岩まじりの急坂多く、木の梯子もいくつかありました。

笹平分岐からしばらくは歩きやすい道で、ハイキング気分で楽しく歩けます。そんななか、列の前方から「ナメクジも紅葉するのかしら?」という声が聞こえてきます。えっ、なになに?と下を見ながら歩いていると、道端に黄色いナメクジがいました。体長3~4センチ。帰宅後ググってみるとバナナスラッグという黄色いナメクジがいると知りました。雨飾山で見かけたものよりもっと大きいらしいので、同じ種類のものか不明です。出会ったのは成長過程のバナナスラッグだったのでしょうか?

道が険しくないところでは、列の後方から紅葉トンネルを下っていくツアー仲間の後姿を見る余裕もありました。雨は降り続いていますが、色鮮やかなカッパとザックカバーが緑や紅葉した葉と共演しているようで、きれい。

下っていくと段々とゴーッという音が聞こえてきます。なんでも途中で川を渡るところがあるとのこと。さらに下ると眼下に川が見えてきました。荒菅沢です。思っていたより大きく、流れも速い川です。下流に向かう水量と流れの速さに巻き込まれたら、ひとたまりもなさそう。

川を渡る前に小休憩。 この辺りの紅葉がとてもきれいでした。鮮やかに見える紅葉と雨に煙った景色が幻想的です。緑、黄緑、黄色、明るいオレンジ、朱色、赤に山肌が彩られています。すかさず写真を撮りました。

休憩が終わり、川の流れがあまりない、連なる大きな岩を渡っていきます。雨で濡れた岩で滑らないかと心配しましたが、結構平気でした。ツアー仲間もすいすい渡っていました。

川を渡って、さらにどんどん登山道を下っていくと、ブナの林に入っていきます。この辺りにくると、もう後は厳しいところはなくなるとのことで、一安心です。雨が降っているとはいえ、黄色く染まったブナの林を歩くのは気持ちが良い。

長野県側ルートのいいところはスタートから山頂までの400メートルごとに標識があって、行程の目安になることです。歩いているとどこら辺まで来ているのか分かって、あとひと踏ん張り、二踏ん張りと自分を奮い立たせることが出来ます。新潟県側ルートは「山頂まで180分」の標識と「山頂まで120分」までの標識の間が長く、「山頂まで120分」と「山頂まで60分」までの間が短くて、どういう基準なのか少々戸惑いを誘いました。素朴さとツッコミどころがあって、そんなところは新潟県側ルートの面白いところかも。

気力で歩き続けて14時になる前に雨飾高原キャンプ場に到着。靴はドロドロ、お手洗い前の靴洗いスペースで泥を落とします。面倒くさがらずにスパッツつけとけば良かったです。あとは雨飾荘で温泉に入って、長野駅から新幹線に乗って帰路につきます。

雨飾荘は現代的な和モダンの建物で、温泉は源泉かけ流し。帰りの新幹線の出発時間の関係で、ゆっくりできなかったのが残念。

長野駅の駅ビル2階では、お土産を物色。沢屋や小布施堂のお店も入っていて充実しています。みすず飴本舗では美味しいと噂のジャムも売ってました。

雨飾山は雨乞い祈願の山とのことですが、今回の登山はその威力をいかんなく発揮して、ほぼ雨で終始しました。雨飾とはよく言ったものです。思った以上に厳しい行程でしたが、雨のせいで厳しさが何割も増しました。紅葉の季節の長野県側ルートは大渋滞が発生すると事前に聞いていましたが、山頂直下の岩場での団体さんとのすれ違いを除き、ほとんど行き会うこともなく渋滞に巻き込まれることがなかったのは、雨のおかげですね。

名に負う雨飾山①

雨飾山登山ツアーの2日目は、待望の雨飾山縦走です。

帰りの新幹線の出発時間と立ち寄り湯の関係で、2日目の出発時間は4:30。本来なら朝・昼ともにお弁当のはずでしたが、雨飾山荘の方の好意で朝4時に朝食を用意してくれることになりました。ありがたい!

3時に起きたら、それ程寒くなく、雨は降っていませんでした。これならアウターを着こまなくても大丈夫そう。

4時前に荷物を持って1階に降りてみると、既に食堂の配膳は済んでいました。メニューは、コシヒカリのごはん、あおさ入り味噌汁、サバの塩焼き、納豆、味付け海苔、ひじきの煮物、生野菜サラダ、スライスハム、卵焼き、漬物、ヤクルト風乳酸菌飲料など。宿の方の話だと、昨晩11時ごろ、夜空の星がきれいだったとのこと。就寝前は曇っていたから星を見ようとも思わず、夜中に起きても外も見ませんでした。残念。

食事を済ませて身支度も済ませ、玄関に行ったら、皆がカッパを着始めています。さっきまで雨が降っていなかったのに、いつの間にか降り始めていました。まったくやむ気配がないザーザー降りで、カッパの上下を着て、ヘッドランプをつけます。思いもよらない本降りの雨で、メンバーの身支度に時間がかかって出発が遅れ、4:40過ぎに雨飾山を目指して出発です。

登山口は雨飾山荘の敷地の端にあり、そばに何かのお堂があります。お堂に手を合わせ、登山の安全を祈願します。日の出前の真っ暗闇の登山道をヘッドランプをつけて進みます。岩や石がゴロゴロと埋まった登山道なので、ヘッドランプでしっかり足元を照らさないと危険。急登の連続だと聞いていましたが、初っ端から急登です。雨だし、真っ暗だし、岩が多くて足元危険だしで緊張しながら歩いていたら、前方の人の「足元カエル注意!」声が。見ると、登山道に体長10センチ位の大きさのカエルが座り込んでいます。ヘッドランプでこうこうと照らされても動じません。木の枝で動かそうとしても、てこでも動きません。生存本能が無いのか、多くの人間に凝視され逃げるのをあきらめたのか。目はぱっちり開いてたので、寝ていたわけではないようでしたが。

まだまだ登り始めなのでカエルは放っておいて、行程を急ぎます。だけど行けども行けどもなだらかな道になりません。ずっと急登。1時間も歩くと何となく辺りが明るくなってきました。といってもまだ日の出前の薄明かりです。雨は一向にやみませんが、周囲が少し見えてくると少しばかり安心感が出てきます。

さらに登り続けると日の出を迎えたようで、かなり明るくなってきました。雨が降っていても日が出るとやはり明るい。周囲の紅葉がきれいに見えます。右手に見える山は禿山の部分がまったくなく、上から下までみっちりと広葉樹の紅葉で様々な色に彩られています。こんなきれいなところを歩いていたのか。写真を撮りたい。でも急ぎの行程で、さらに雨の中なのでカメラを出している余裕は無し。撮りたいという願いが通じたのか、すぐに水分補給のための2回目の短い立ち休憩時があり、その時ににやっと撮れました!

中の池のあたりで、やっと平坦な道になりました。これまで木製のはしごやアルミのはしごを登り、急登続きで、ほんの少しばかりなだらかな道があったくらいだったので、ここで人心地つきました。枯れかかってデローンとだらしなくなった、おばけミズバショウが至る所に生えています。ミズバショウの季節は綺麗なんだろうな。

中の池を過ぎたらまた急登。中の池で気を緩めちゃいけません。

そして長野側の登山道と交わる笹平分岐でなだらかな登山道になりました。登山道の両側に笹が生える笹平に出ると、雨もかなり弱まってきて、楽しい稜線歩きになりました。でもガスっていて、素晴らしい眺めは望めません。

笹平を楽しく歩いていると、前方に雨飾山の山頂に進む道が見えてきます。また、岩だらけの急登です・・・。一瞬、陽が差してきて、美しい紅葉と岩稜の混じった雨飾山の山肌が見えると「こんな綺麗な山なのに、簡単に登らせてくれないな」という思いがわいてきます。

山頂までの岩場の水たまりにヒル(人の血を吸わない種類らしい)をみておののきつつ、気力を振り絞って登って、9:10ごろ山頂到着。祠と石仏があります。登頂すると雨がほぼ止み、ここぞとばかり、雨飾山荘で作ってもらった昼食用のお弁当をほおばります。おにぎり2個(昆布の佃煮×1、梅干し×1)、ゆで卵、鶏のから揚げ、ウィンナー、チーズ、しば漬け。デザートのミニゼリーまでついていた!

雨はやんでもやはりガスが湧いていて、視界はききません。雨飾山から白馬三山を眺めるという趣旨のツアーでしたが、目的は達成できませんでした。また登ってこいということか。

 

八方池と雨飾山荘

雨飾山登山ツアーに参加してきました。今回のツアーは夏に登った白馬三山を他の場所から見てみよう、という趣旨のもの。

1日目は八方池までトレッキングをして、八方池に映る白馬三山を見る行程です。

ゴンドラやリフトに乗っていると、周囲に見える山々の紅葉がきれいです。八方池に着いたらどんな景色が広がっているのだろうと期待が高まりますが、晴れているものの雲が多いのが気になる・・・。

八方池トレッキングコースは高をくくっていたら、岩がゴロゴロしていて意外に歩きにくい。スタッフさんから「遠くに見えるあれが不帰キレット」などと教わりながら、ゆっくりペースで登っていきました。

途中で昼食休憩や小休憩を取りながら登っていくと、次第に大きな池が見えてきました。あれが、八方池!こんなところにこんな大きな池があるなんて。寒くも暑くもないいい感じのポカポカとした陽気で、池の周りで昼寝をしている観光客がいます。絶景ポイントでシャッターチャンスを狙っている人もいます。青い空と白い雲と緑の湖面のコントラストが美しい。けれど、晴天に映える白い雲は山頂を隠してしまっている。おまけに湖面にさざ波がたって、観光パンフレットにあるような湖面に映る白馬三山の姿は望めませんでした。午前中なら写真で見るような景色が見られたのかもしれません。自由行動の時間中、時折、雲が切れて、白馬三山の山頂が見られただけで良しとしましょう。

トレッキングの復路では翌日登る雨飾山が見えました。こちらも山頂が雲に隠れたり、見えたり。木々に覆われた山肌の間にゴツゴツした岩が見えます。この時は単純に「わぁ、明日登る山だ!」と浮かれてました。翌日のことなど予想もできなかったので。

うさぎ平ではりんご味とミルク味のミックスソフトクリーム(350円)を買い、展望テラスで食べながら、ここでも雨飾山を眺めました。明日はどんな景色が見られるのだろうと期待しながら。相変わらず、翌日の山行がどんなになるか予想できなかったので。

八方池トレッキングの後は雨飾山登山に向けて、宿に向かいます。今回の雨飾山登山は新潟県側から登って長野県の小谷村側に降りてくるという雨飾山縦走コースです。というわけでお宿は新潟県側の登山口にある雨飾山荘です。

乗り込んだバスで、とてものどかな田園風景が広がった中を雨飾山荘に向かいました。「農業車両優先」と書かれた看板がたっている脇道があったり、人っ子一人いないどころか、行きかう車も一切なかったり、田園風景をそれなりに楽しみました。が、どんどん道が狭くなり、バス一台がギリギリ通れるぐらいの道が続きます。(本当にこの先に雨飾山荘があるのか?)と不安になるような場所を進んでいきます。そんな不安を感じている中、道が行き止まり。と思ったら雨飾山荘に到着しました。周りに民家は一切ありません。

雨飾山荘は、外観は年季を感じる建物でした。みると玄関脇に「明治13年創業」と書かれた木の看板が付いてます。屋内はどうなっているのか気になります。

中に入ると、何となく古民家っぽい作りでした。つやつやとした木の柱や廊下。 雰囲気のある和風の山荘です。

我々ツアー一行の女性陣7名は3つにカーテンで区画を仕切れる、畳敷きの大部屋に入りました。男性陣やツアースタッフ、その他のお客は個室で、大部屋を使うグループは他にいないのでどこを使っても良いとのこと。3つの区画のうち、窓際にある一番大きなスペース(25畳)を使うことにしました。窓の外はきれいに山が見えます(山の名前は不明)。天井を見上げると太くてつやつやとした梁がかけられています。立派な梁で、創業当時からのものなのでしょうか。

この雨飾山荘は秘湯ファンも泊まる宿なようで、温泉の内風呂と露天風呂があります。石鹸、シャンプー、歯磨き粉使用OKで、内風呂にはボディソープ、リンスインシャンプーが置いてありました。ですが、温水の出る蛇口やシャワーはなく、湯船からお湯を汲み取って使うことになります。湯船のお湯は最初「熱い!」と思いますが、入っていると慣れてきました。温泉の成分で湯船の中はすこしぬるぬる。でもいいお湯でした。髪を洗った人用のためか、流しには1台だけドライヤーが置いてありました。

外には露天風呂があります。混浴です。他のお客がいない間をぬって、女性陣で入ってみることにしました。入口は木とガラスで作られていて、ここか露天風呂をのぞくことが出来ますが、入口を離れると露天風呂は樹木の陰になっていて外から見えません。ですが、脱衣スペースが入口のガラス戸を通して山荘や敷地内からまる見え。お湯は内風呂より温度が低く、いつまでも入っていられる感じです。ここも露天風呂内は温泉の成分で少々ぬるついていました。

温泉に入ったら、18時の夕食まで館内を物色しました。入口をはいって右手には畳部屋があり、小熊の敷物、神棚、テーブルの上には旅の思い出ノートがありました。ノートを見ると、登山客だけでなくやはり秘湯ファンも来館しているようでした。お手洗いは簡易水洗ですが、清潔で臭くありません。売店の商品はパッと見た感じ、それ程充実していません。ですが、雨飾山登山のイラストルートマップ(100円)を買っておけば良かったと今頃後悔しています。

18時になって、待望の夕食の時間です。ここも食事が充実してました。コシヒカリの新米ごはん、なめこたっぷりお味噌汁、もつ煮込み、ポテサラと生野菜サラダにトンカツ、お浸し、焼き鮭、刺身三点盛り、漬物、デザートのミカン。ふう、美味しくてお腹一杯になりました。

翌日の天気予報は曇りのち雨。下山が終わるまで天気がもってくれればいいなと願いながら、満腹満足で就寝です。

つみたてNISAを検討中

NISA口座で毎月一定額の投資信託積立をしています。

来年から現行のNISAだけでなく、つみたてNISAという制度が始まるので、今使っているNISA口座からつみたてNISAに移行しようか検討中です。

いまやっている投信積立は、手数料の安いインデックスファンドの積立。相場が上がっても下がっても、一定額を買い続けるドルコスト平均法で買い続けています。

NISAが始まる前からドルコスト平均法で投信積立をしていますが、NISA制度が始まった2014年からはNISAで投信積立をしています。第2次安倍政権が始まってぐんぐん株価が上がり、2014年の段階では既に株価は高くて、これ以降そんなに上がらないんじゃないか、と思っていました。が、株価の波があるなかも地道にドルコスト平均法でインデックスファンドの投信積立をしていくと、少しづつ利益が出てきています。途中で評価損が出た時もあるにはありましたが、現段階では預金利息よりは良い感じです。

現行NISA制度の非課税枠は120万円。わたしの場合、積立預金の代わりに投信積立をしていて、スポットで何かの株を買ったりするわけではないので、1年間に120万円の非課税枠を使い切っていません。ずっと残りの非課税枠がもったいないと思っていました。非課税期間が5年間(最長10年間)というのも短いし。

そんなところに来年からのつみたてNISAの登場です。非課税枠は年間40万円で、非課税期間は20年間。長期投資に向いた、手数料が安かったり毎月分配型でなかったりする一定の要件を満たした投資信託が対象商品です。

いまNISA口座でしている投信積立は年間40万円も使っていないし、対象商品も現在公表されているところでは、ほぼ今積み立てている投資信託かぶっています。なかなか良さそう。つみたてNISA対象商品となっていないものについては、来年以降の積立対象にするか、使っているネット証券で扱っていない場合は証券会社を変更するか、12月までにNISAかつみたてNISAか考えておかなくては。

 

紅葉トンネルの至仏山

尾瀬ケ原・至仏山ツアーの2日目は至仏山登山です。

朝食は5:45で設定されていたので、朝食前に湿原の方に行ってみました。あと少しで日の出という時間帯で、湿原は朝ぼらけの中。前日夜が曇りで、それ程気温が下がらず放射冷却されなかったため、朝靄は見られませんでした。

さあ、もう山小屋に帰ろうと思ったら、同じツアーの人たちがやって来ました。ご一緒してもう湿原にいたところ、日が昇ってきたようです。空は雲で覆われ、日の出は見えませんでしたが、雲の端々が朝日でかすかに赤く染まっています。そして湿原の草紅葉を見たら、さっきより赤い。朝日に照らされて赤みが増して見えます。昨日も湿原に着いたばかりと、夕暮れに向かう陽の光のなかでは違う色に見えた草紅葉でしたが、日の出前と朝日を浴びた草紅葉ではまた色合いが違います。同じ場所でも陽の光の加減によって違う表情を見られるのが楽しい。

急いで山の鼻小屋に戻ったら、隣の尾瀬ロッジの前にはたくさんの人が出発の準備をしていました。山の朝は早い。我々ツアー一行も朝食をとったら、6:30に集合、出発です。

2日目は昼から天気が下り坂とのこと。濡れてなくても滑りやすい蛇紋岩の岩場は、雨が降り出す前に切り抜けたいな、と思いながら至仏山への道を進みました。

1日目の鳩待峠から山の鼻まではそれ程紅葉を楽しめる感じではありませんでしたが、2日目の至仏山登山道は左右の木々が作る紅葉のトンネルが楽しめました。すべてが紅葉しているわけではなく、緑も木もあり、紅葉の色も明るい茶色、赤、黄と色とりどりできれいです。ピィーと聞こえるのは、鳥の声か、鹿の声か。

登山道から振り返ると、草紅葉の尾瀬ケ原と燧ケ岳が目に入ってきます。燧ケ岳の頂上や尾瀬ケ原がガスに覆われたり、しばらくするとガスがなくなったり、またあっという間にガスが湧いてきたりで目まぐるしい。曇り空の下でも尾瀬ケ原の池塘が鏡のように見えてきれい。湿原を見下ろすのにちょうどいいベストなところにベンチが設置してあるのが親切です。

 至仏山頂上へ向かう道は、木道と木の階段と大小の岩。大小の岩がいくつもゴロゴロしているところは規模や岩の質は違えど、筑波山っぽい。木道や木の階段は順番に更新しているとのことで、破損している部分も。表面がプスプスとうがったようになっているのは、アイゼンで傷つけられてしまったためらしい。

森林限界を超えたら、岩の上に一羽の鳥が見えました。ホシガラスとのことです。ハシブトガラスのようにカーカー大声で鳴くこともなく、静かな鳥でした。

登り切って至仏山頂上に到着。下界はガスで覆われています。頂上間近で見えた、登山道とは比べ物にならない位のゴツゴツした岩で構成された山肌を写真に収めようと思っていたのに、ガスで見えなくなっちゃったじゃないか。

サクッと¥「」お弁当のおにぎり1個を食べて、雨が降り出さないうちに早めの出発。小至仏山までの稜線歩きは、天気の良い日だと気持ちよさそうです。といっても、至仏山への登りではそれほど気にならなかった蛇紋岩が、小至仏山に向かう道ではその威力をいかんなく発揮していました。

表面がツルツルな大きな岩があり、一体どこに足を置けばいいのか。無理に足場を見つけようとせず、これはお尻で滑った方が合理的では?いくらなんでもツルツルすぎるだろう、という岩がいくつも出てきます。小さな岩も油断なりません。ぬれてなくても滑るのだから、雨の時はかなり怖いはず。

至仏山に登頂したら、いよいよ雲行きが怪しくなってきました。山頂も狭いし、雨が降りそうだしで、ここでもゆっくりできません。鳩待峠に向けて下って下って下りまくれ。

オヤマ沢の辺りは湿原が広がり、雨が降りそうな天気のためか、湿原の上に靄がかかっていて幻想的。靄がたちこめる尾瀬ケ原ってこんな感じだったのかも、と朝見られなかった朝靄もどきを思わず見られて、なんだか得した気分でした。

途中、赤く紅葉したチングルマの葉がそこ、ここにたくさん生えていました。チングルマって、花弁が落ちた後の白い綿毛にもこれがチングルマ?と驚きますが、葉の紅葉の鮮やかさにも驚かされます。

さらに下って、鮮やかな紅葉が目に入る開けた場所にさしかかりました。やはりベストスポットらしく、ベンチが設置してあります。天気が良ければ、きっとここら辺でいい景色が広がっていて、小休憩もできたんだろうな。

至仏山への登りと違い、小至仏山から鳩待峠に向かう登山道に設置されている木道や木の階段は、比較的新しいものが敷かれていました。木道や木の階段の端にはTEPCOのマークが刻印されていました。普段すっかり忘れてますが、尾瀬の多くの部分は東電が所有しているんですよね。国立公園の維持管理費が国から全額助成されているのか、一部の補助なのか知りませんが、わざわざTEPCOと刻印しているぐらいだから、全額国費負担というわけではないのでしょう。新しめの木道は、登りの崩壊しかかった木道・階段より歩きやすかったです。東電、ありがとう。

木道を下っているとポツリポツリだった雨が、ポツポツとした雨に変わってきたのでカッパを着こみます。カッパを着ると、とたんにうつむきがちになってしまう。フードがいけないのだろうか、首の動きを妨げているような気がします。

周りの景色を楽しむ余裕もなく、樹林帯に入っても雨は止むどころか強くなっていきます。ツアー一行はひたすら鳩待峠を目指して、黙々と歩き続けます。雨って本当にテンション下がる・・・。

やっと鳩待峠に着きました。鳩待峠の方が登山道より雨が強い気がします。樹林帯では木によって雨が遮られていたのかな。あとはバスに乗り込み、立ち寄り湯(望郷の湯)で汗を流してさっぱりするだけです。

ふう、1日目の尾瀬ケ原は天気が良くて最高でしたが、2日目の至仏山は景色の美しさを堪能することが出来ず少々残念でした。蛇紋岩地帯で雨に降られなかったので、良しとしますか。