赤岳鉱泉①

7月上旬に赤岳鉱泉に泊ったので、赤岳鉱泉についてメモ。

本当は岳登山ツアーに参加したのですが、1日目登山開始から雨が降り始め、2日目赤岳登山の予定が豪雨により登山中止になってしまいました。というわけで、赤岳には登頂できず、登山口から赤岳鉱泉へ往復(赤岳鉱泉宿泊)ハイキングになりました。

1日目、特急停車駅の茅野駅に降りたつと、空模様は怪しいもののまだ雨は降っていません。何とか天気が持ってくれと願いながらツアー一行はタクシーに分乗して、八ヶ岳山荘前の駐車場まで進みます。

八ヶ岳山荘前で登山準備を整えて、美濃戸口から登山開始。小雨が降っているのでカッパの上を着て出発です。

ゆるやかな林道を歩いていきますが、だらだらとした林道は歩くのが楽しくありません。標高が上がっている感があまりないし、単調で飽きてきます。おまけに雨だし、テンションだだ下がりです。

50分ほど歩くと赤岳山荘に到着し、こちらで持参した行動食を持ち込んで昼食です。山荘内でお茶と野沢菜(休憩代100円)をいただきながらの昼食でホッと一息。野沢菜おいしい!ゴアテックスのカッパとはいえカッパを着ていると蒸れ、しょっぱいものが食べたくなっていたので、ちょうど良いです。

昼食取ったら出発です。雨はこれから勢いを増しそうなので、カッパの下も履きこみます。

まだまだ林道は続きます。山の神のところでまた休憩。カッパを着て雨の中での行動なので、普段より休憩は早め早めにとっているようです。山の神の付近は苔がたくさん。ギンリョウソウが密集して生えていて、雨の中、ぼんやりと白く浮きあがって見えます。

山の神を過ぎてしばらく行くと、やっと林道から登山道になります。林道は退屈でしたが、同じ雨の中の行動でも登山道に入ると変化があって、楽しい。

沢沿いを赤岳鉱泉までいくつもの木製の橋を渡り、渡渉をして行きます。木製の橋は途中で数えるのをやめたので正確な数は分かりませんが、10以上あります。1日目の渡渉は水たまり程度、たいしたことありません。

それにしても、雨はそれほど酷くありませんが、沢を流れの勢いがすごいです。これ、平時でも橋から落ちてこの流れに飲まれたら危ないんじゃないの?と思います。とはいっても木製の橋は腐食して抜け落ちそうなところはなく、しっかりとした作りです。落ちるとしたら、滑るか、沢の流れの勢いに気を取られて注意力散漫になって足を踏み外すか、というところでしょうか。

そして、沢のゴロゴロとした大きな岩石は、赤茶色に染まっています。沢の水は澄んでいるようですが、岩石が赤茶色になっているので、一瞬赤茶色の水が流れているように見えます。水に鉱物が多く含まれているのでしょうか。

滑らないように、でも遅れすぎないように頑張って歩いて14:45頃、赤岳鉱泉に到着です。休憩込みで4時間弱の行程でしたが、雨の中頑張って歩いたので、背中が汗でぐっしょりです。赤岳鉱泉はお風呂がある山小屋なので、こんな日はお風呂に入れるのはありがたい。

さて赤岳鉱泉ですが、この日の宿泊客はわれわれ登山ツアー一行以外いませんでした。翌日が豪雨であることは事前に分かっていたので、個人の登山者は好き好んでこんな日に泊りに来ることはないのでしょう。というわけで、特別なはからいなのか、けっこう良い個室に宿泊できました。

廊下の明かりはステンドグラス風の笠がかかっていて、個室内の明かりにもステンドグラス風の笠。日が暮れて明かりがともると、ステンドグラス風の笠が、アンティーク風でかわいらしさと温かさを増して良い感じです。このステンドグラス風の笠がかかった廊下で記念写真を撮っているツアー参加者もいました。撮りたくなる気持ちも分かります。

早く入りたかったお風呂。時間制で男女交代です。この日の到着時は男性入浴可タイムで、女性入浴時間は16時~18時(だったと思う。)。

お風呂に入れる時間に間があるので、館内探検開始です。事前に「女子更衣室に行くべし」という情報を得ていたので、乾燥室に濡れた衣服を干しに行ったついでにウロウロしてみました。

ミレーの商品が置いてある「下の棟談話室」の先にお手洗いがありますが、そのさらに先にまた階段があります。その階段を上がった先が、女子更衣室です。

扉を開けると、女子更衣室すごいです。更衣室の中にさらに個室の着替えスペースが2か所(3か所?)あり、大きな鏡、全身が写る姿見、ソファ、水が出る大きな鏡付きの洗面台3台あります。狭苦しくなく、変なにおいもなく、清潔でゆったりしたスペースです。

洗面台にはそれぞれ電球がついているので、暗くて身だしなみがうまく整えられないということもありません。実際2日目の早朝行ってみると、まだ点灯前の時間帯は宿泊していた個室内の電球はつきませんでしたが、女子更衣室の洗面台の電球は点灯しました。お手洗い前の流しにも大きな鏡がありますが、ここは流し全体で電球1つだけなので薄暗い。それに比べたら女子更衣室洗面台は、段違いの明るさです。登山中もおしゃれでいたい女子には最適なのではと思います。

館内探検して、売店では雨の日限定バッジ(600円)を購入したり、部屋で荷物整理をしたりしていると、お待ちかねのお風呂の時間です。山小屋なのでシャンプーや石鹸は使用禁止で、お湯をかけて浴槽につかるだけですが、汗を流せるだけでも嬉しい。浴槽は3~4人入ればいっぱいになってしまうというので、交代で入ることに。

お風呂は簡素な作りです。脱衣所のすぐ隣がお風呂です。脱衣所とお風呂の間には間仕切り等はありませんが、段差があるので浴室のお湯が脱衣所に流れてくることはありません。お風呂の温度はけっこう高い。外からお湯を沸かしているようですが、温度調節のためのお水が出てくる蛇口が浴槽に設置されているので、熱い場合はお水を注入。こういう山小屋でお風呂につかると思い出すのは、去年の白馬鑓温泉小屋のお風呂です。内湯だけしか入りませんでしたが、いつか機会があったら満点の星空の下、露天風呂にも入ってみたい。

そして、夕食。豪華だという噂のお楽しみの夕食です。メニューは入り口近くに掲示されていましたが、実際この目で見るまでどんなものなのかよく分かりません。さて・・・。

リハビリメニュー

腿の外側(外側広筋?)の肉離れをしたのですが、ケガして1週間ぐらいは歩くのは脚を引きずりながら、階段を昇り降りするのが困難な程度でした。2週間経過した時点では、痛みは1週間目より減って、歩いている見た目は普通だけれど、早歩きや走ることはできない状態。そして患部の近くはボコッと筋肉が腫れています。

そんな状態のときの整形外科でのリハビリメニュー。

リハビリメニューの開始は、患部の温めです。温めてある中身がゲル状のもの(アイスノンみたいなもの)を患部にあてて、バンドで固定してじんわりと温めます。時間は、計ったことがないので分かりませんが、5分ぐらいでしょうか。

患部が温まったら、次は電気を流します。流れる電気の刺激の強さは調節してもらえますが、どの程度の刺激が患部にくればいいのか、毎回悩みます。「電気の強さはこれくらいでいいですか?」と聞かれて、「はい、それで結構です。」と答えてますが良く分かっていません。電気を流しているのは5~10分ぐらいですかね。

電気が終わったら、ベッドに行って軽い筋トレとストレッチメニューです。

長座になり、ケガしている方の脚の膝裏に手をあてて、ひざ下の曲げ伸ばし✖10回。

次にまた長座で、ケガしている脚の膝下にまくらを置いて、枕つぶし✖10回。枕つぶしは膝を伸ばした時に、前腿に力を入れること。足首の角度をダランとするのではなく、天に向けて直角になるようすると、より前腿に力が入るとの理学療法士さんのアドバイスあり。

ひざ下曲げ伸ばしと枕つぶしを1セットにして、それを3セット。やっていて痛みが出たら、ほどほどに。

それが終わったら、ベッドに仰向けに寝て、両脚のひざを90度位の角度にたて、両脚を合わせて左右にパッタン、パッタンと倒す✖10回。理学療法士さんによると、このリハビリはストレッチの効果があるとのこと。

両脚パッタンパッタンが終わると、理学療法士さんによる施術です。患部や痛みを見極め、硬くなっている組織をマッサージして、硬さを取っていきます。ある程度硬さを取ったら、自分一人ではできない理学療法士さんとの一対一の、患部に効く筋トレです。なんとも説明しづらいのですが、理学療法士さんが効かせたい部分の筋肉の動きに制限をかけるように力を加え、その力に抵抗するように力いっぱい脚を動かします。どこに効かせたいのか施術を受けている側は分からないので、これを一人でやることは無理。でも施術をされたあとは痛みが少なくなるし、動きも良くなります。(ケガして1週間目は患部の痛みが強すぎて、理学療法士さんとの筋トレは無く、患部を除いた患部周辺の硬くなっている部分のマッサージのみ。)

理学療法士さんの施術を受けているときが、リハビリメニューその他の疑問を聞くチャンスです。

「触っただけで、肉離れを起こしている部分がよく分かりますね。肉離れをしていない部分の筋肉が腫れているから、パッと見は腫れている部分が患部だと思いそうなものですが。」と聞いてみたら、

「肉離れを起こした部分は陥没しているので、触ると分かります。腫れには惑わされません。」

失礼いたしました・・・。

こんな感じでリハビリメニューは終了です。肉離れをおこしてもうすぐ3週間ぐらいたつので、筋肉の腫れや患部の痛みがかなり減ってきました。次回あたりリハビリメニューの内容が変わるかもしれない。

 

 

 

 

 

サービスのいいカレー屋

脚のケガをしてリハビリ中で、ここのところ、ある下町の整形外科に通っています。整形外科から駅に向かう途中に商店街がありますが、リハビリが終わった後に商店街をぶらぶらするのが楽しみ。リハビリが終わって、商店街に着いたのは11時半過ぎで、そろそろお昼ご飯に良い時間。商店街の飲食店は店先にランチメニューを掲示しています。

そんなわけで商店街の飲食店でお昼ご飯を食べようと物色していると、カレー屋さんが目につきました。カレー屋さんが目についたのは訳があります。店から漂うカレーの香りに誘われただけでなく、無印良品の3種の唐辛子とチキンのカレーを買おうか前日に無印の店舗で迷っていたから。結局、3種の唐辛子とチキンのカレーは相当辛いらしいので買いませんでしたが、カレーのことが頭の隅にずっと残っていました。

店先でランチメニューを選んでいると、すかさず「ハイ、イラッシャイ。」と店の窓から愛想のいいインド人(らしい)店員さんが声をかけてきました。もともとカレーに傾いていたので、声掛けされたのを契機に入店してみました。

選んだランチは日替わり。チキンのカレーとサラダ、ドリンク(マンゴーラッシーにしました)、ナン(又はライス)で700円。下町だし、まあこんなものでしょう。ナン(又はライス)はおかわり自由とのこと。

グルメリポーターではないので味がどうのということは言いませんが、普通に美味しいカレーでした。辛さもほど良く、極端に辛いものは苦手なわたしでもペロリといただける味です。ナンはサクサクしたところとモチっとしたところがあって、美味しい。入店前は気づきませんでしたが、「当店のナンは炭火で焼いています。」と掲示されています。炭火だとやはり美味しさが増すのでしょうか。焼き鳥やウナギのかば焼きも炭火焼だと味が違うというし。

カレーと一緒に運ばれてきたナンを食べ終わった頃合いを見て、先ほど声をかけてきたインド人店員さんが「ナンノ、オカワリハ、イリマスカ?サイズハ、フツウ?チイサイノ?」と声をかけてきます。お代わりもらおうかな、でも忙しく働いている店員さんに声をかけづらいし、という迷いがあったのですが、良いタイミングで聞いてきてくれました。忙しく働いていても、客への目配りはしっかりしているんですね。小さいサイズのナンのお代わりをオーダーします。

ナンは注文を受けてから焼いているようで、焼きあがるのに少々時間がかかります。待ち時間があったので、店内を見ていると、さっきの店員さんが厨房でナンの生地を伸ばしています。この店員さん、呼び込みも、会計も、注文も、給仕もしていて店のマネジャーのような感じなのですが、ナンを焼く担当でもあったようです。お店にいるスタッフはすべてインド人(国籍を聞いていないので詳細は不明)のようで、給仕・注文受付のおじいさん、厨房のコックさん、そして多岐に渡る働きをするマネジャー風の店員さんの3名。必要最小限の人員で、効率よく元気に働いています。

ナンが焼けるまで店内で待っている、お持ち帰り客もいます。そんなお客さんにはマネはー風店員さんがラッシーを振舞っています。気が利いているなあ。

店内の掲示物に日本語で商品などの説明文が書かれていますが、その日本語が怪しくない。外国の人がやっている庶民的なお店の掲示物やメニューに書かれている日本語は、意味は分かるけれど怪しいものになっているのが大抵のこと。日本語が怪しくないし、文章もきちんとしているし、一体どうやってこの掲示物を作ったのか。

そして掲示物にはナンの写真もあります。このお店、ナンの種類が豊富なようで、他のお店でも見かけるチーズナンやガーリックナンだけでなく、キーマカレーが中に入ったキーマカレーナンやチョコレートが中に入ったチョコレートナンなどもあります。変わり種ナンがちょっと気になりましたが、写真の画質があまりよくなく美味しそうに見えません、残念ながら。これらの変わり種ナンは、カレーパンやチョコレートパンのようなもので、普通のパン屋さんの菓子パンのイメージで単品で楽しむもののようです。そういえば、あんこナンもあったから、やはり菓子パンのイメージなのかも。

8分ぐらい待って、おかわりのナンを持ってきてくれました。見た瞬間、デカッ!小さめのナンを頼んだはずですが、普通サイズの2/3ぐらいの大きさです。小さめというので1/2か1/4ぐらいのサイズだと想像してましたが、予想を超えてました。今あるカレーの残量(かなり少ない)で、このナンを食べきれるのか?食べきりましたよ、銀色のカレー容器がピカピカになるくらい、一滴たりともカレーを残さずにして。

お代わりナンを食べているときに、マネジャー風店員さんがラッシーを1杯サービスで持ってきてくれました。理由は、お代わりナンの提供が遅くなったからとのこと。

近くの席の常連さんらしき人にも、ラッシーの追加サービスをしています。学生時代に何度か通い社会人になってから2、3年ぶりに訪れたという人には、顔を覚えていて話しかけ、これまたラッシーのサービス。とりあえず、急いでいない人には、それぞれが喜びそうなタイミングをみてラッシーをサービスするようにしている?

それなら最初から「ランチドリンク以外に、ラッシーを1杯サービスします」とメニュー表に書いておけばいいではないか、というと、ちょっと違います。演出、サプライズが客の心を動かし、掴む。最初から1杯サービスしてもらえると分かっていたら、感激は薄れていたはず。客の心の掴み方のうまさが勉強になったカレー屋でした。

眠り3回目

無線Wi-Fi親機設定の予備日として空けておいた日曜。Wi-Fi設定がサクッと終ったので、空いた日曜日は新国立劇場の「眠れる森の美女」を観に行きました。

この日は木村・渡邊組の日です。今回の眠れる森の美女は初日(米沢・井澤組)、2日目(小野・福岡組)と続いて、3回目。といっても初日は前日の寝不足で、2幕の幻影の場から目覚めのパドドゥまで寝落ちしてしまったので、見足りない気分で3回目に臨む。

最終日を観ての簡潔な感想は、「3回観た中で、デジレ王子は渡邊君が一番良かった。」

3キャストとも全然別の席で観たので、まったく同じ条件での感想にはなりませんが、渡邊君は身体にキレがあり、演技面でも物語を感じさせました。ジャンプは軽いし、ピルエットは軸がブレない。そして演技からは台詞が聞こえるようでした。

幻影の場でリラの精からオーロラ姫の幻影を見せられ、「なんて美しい人なんだろう」と心に姫の姿をしっかり刻む。もう一度オーロラ姫の姿を目に焼き付けようと振り返ってみると、既に姫の幻影は消えている。姫の姿を見せてくれるよう、リラの精に懇願する姿が、作りものじゃない自然さを備えていました。

オーロラ姫の幻影を目にする前後で、踊りの質も違います。随行の狩りの貴族たちと離れ、ひとり物思いにふけって踊る姿は、憂いを抱えている人物。憂いを抱えているときは憂いがサマになる。そして、オーロラ姫の幻影を目にした後に踊る姿は、自分の欲するものが明確になり、喜びと内に秘めた情熱を持つ人物。表面は静かだけれど、内面から情熱がにじみ出てくる。演技と踊りが分断されているのではなく、自然に物語の中の人物の雰囲気が漂っています。艱難辛苦(?)を乗り越えて実物のオーロラ姫にまみえると、やっと会えたという感慨深さと一瞬でも目を離したくないほど惹かれているデジレ王子の心の動きがこちらにも見えてきます。

最終日のリラの精は寺田さんです。個人的には寺田さんのリラの精が一番好き。カラボスと対するとき、決して険しい表情は見せず、終始穏やかな表情。カラボスが作った緊張感高まる場面を、一瞬で春の柔らかな空気に変える。笑みをみせた穏やかな表情だけれど、カラボスの横暴に一歩も引かない内面の強さや高潔さ。

そして幻影の場では、冷静にデジレ王子の人品を見極める。デジレ王子を完全に見極めるまで、王子がオーロラ姫の幻影に近づくのを優し気な表情で何度も阻止するリラの精。寺田さんのリラの精は、柔らかくて強い、毅然として聡明でした。何より容姿が美しいのもポイント高し。

オーロラ姫は、木村さん。木村さんは舞台人に最も必要な「華」を持っている、天性の主役ダンサーです。華がなければ、どんなに上手くても容姿が美しくても誰も見てくれません。といっても木村さんはテクニックも強い。

オケの速い音に合わせて、音に遅れることなく、破綻することなく素早いパで舞台を一周する。オケの音が速いので、踊りが音に外れてしまうかとハラハラしながら見ていましたが、ダンサー側の要望で速いリズムだったのかもしれません。ローズアダージオではアティテュードバランスの強さをいかんなく発揮していました。

木村さんも渡邊君もフレッシュなダンサーなので、2幕の目覚めのパドドゥが初々しい。何度も舞台を踏んで主役を演じて円熟した踊りや演技をモノにする一方、ともするとフレッシュさは失われていくことがあるので、今しか見られないだろう2人のフレッシュさを味わいました。2人の目覚めのパドドゥを見た若い女性は、キュンっとするのではないでしょうか。

他のダンサーについて。群舞で同じ踊りを踊っていても、ダンサーによって違いがありますね、当然ですが。オーロラ姫の友人役、研修所出身の益田さんと加藤さん。並んだ2人の同じ踊りが、加藤さんは「シュッ、ピタッ!」、益田さんは「ふわっ、ピタ」。ちょっとした違いですが、生身の人間だからどうしても踊りに個性が出てしまうのが面白い。

中家君の式典長。貴族のする化粧というより歌舞伎役者の白塗りに近い。白塗りの白さ加減が強くて、周囲から浮きまくりです。なまじ長身で体格が良いものだから、3幕冒頭のマントを翻して舞台中央を歩く姿なんて、特撮ヒーローものの悪役が登場したように見えます。人類の範疇に入っていない感が強い。

フロリナ王女の池田さんは、回転系が安定しています。この日も男性ファンに大人気で、声を限りに叫んでいるようなブラボーが多かったです。色白、童顔でかわいらしいから人気があるのも分かります。

 

 

 

意外に簡単だったWi-Fi設定

うちには通信契約のないタブレットが1台あります。もとはドコモと通信契約を結んでいたもの。通信業者をMVNOに変えてスマホも新しく買ったので、今まで使っていたタブレットはお役御免となりました。

まだ使えるのに使っていないのはもったいないと思っていたところ、格安プランのMVNOを使っている知人からアドバイスをもらいました。

「自宅では無線Wi-Fiで電波を飛ばせばいいよ。有線LANも繋げる無線Wi-Fi親機が売っているから、有線でPCと繋いで、無線でタブレットスマホを繋ぐこともできるし。」と。それを聞いたのが去年の11月。

有線も繋げる無線Wi-Fiの親機を購入したのが、去年の12月。

重い腰をあげてやっとWi-Fi親機の設定をしたのが昨日。

半年間、ほったらかしにしていました。

その間、開封さえされていないWi-Fi親機の箱が、視界にチラチラと入ってました。ですが「デジタル機器に詳しくないから、時間かかりそうだし。」、「設定に失敗してネットに繋がらなくなったら嫌だし。」と色々言い訳をして、いつまでも取り掛かからず。

いい加減、視界にチラチラと入って「Wi-Fiの設定しないの?」とプレッシャーをかけられる(と勝手に自分で感じている)のも疲れたため、昨日の夜に設定開始しました。翌日を予備費としてあてることを考えて。

結果、意外にもあっさりWi-Fi設定が完了しました。PC、スマホタブレットの設定してすべて動作に問題なく、所要時間は30分未満。通信契約のあるスマホQRコードから読み込んでサックリ設定完了、通信契約のないタブレットは簡単な手入力でこちらもすぐに設定完了。

設定が完了した今となっては、半年間も伸ばし伸ばしにしていた期間が何だったのかという感じです。デジタル機器に詳しくないから設定に時間がかかりそう、なんて杞憂だったし。今どきのデジタル機器はテクノロジーが発達しているから、出来ない人でも容易に設定できる仕組みになっているのかもしれません。

衣装が気になる

衣装について、独り言。

イーグリング版の「眠れる森の美女」を観ていて、気になるものに衣装があります。

気になる衣装の一つ目は、リラの精の衣装です。2014年の初演の初日に見たときに、色もデザインもきれいなのに、なぜモッサリ見えてしまうのだろうと不思議でした。

今回素人目線で分析すると、

① スカート部分が4段重ねのフリル状になっており、動くときにそれぞれが広がってしまう必要以上に膨らんでしまう。(他の妖精やオーロラなどのチュチュは下部はギャザーの寄ったレースですが、その上に被さる部分がレースを押さえて変な広がり方をしません。)

② 中途半端な丈と広がり方の袖。

③ スカート部分他のキャラのものより長く、傘状で下に広がっているように見える。(他のキャラのスカート部分は、下方より横に広がっている。)

④ 後頭部にかけてリラの花をたくさんつけた頭飾りのデザインになっていて、頭が大きく見える。

ここら辺りがモッサリ見えた原因なのかと。

ただ、今回の「眠り」のリラの精にキャスティングされている木村さん、細田さん、寺田さんは長身スレンダー、手足の長いダンサーなので、モッサリ感はありません。着る人を選ぶ衣装のようです。

気になる二つ目、頭に目立つ飾りをつかたがる。

以前上演していたマリインスキー劇場版では妖精やワルツのダンサーがかつらを被っていて、「うーん・・・」と思っていました。

イーグリング版ではワルツのダンサーの植物の冠や、2幕幻影の場のオーロラ姫の花冠、3幕のフロリナ王女の羽毛の飾りが「うーん・・・」と感じます。

日本人ダンサーはヨーロッパ系ダンサーと頭の形が違うので、目立つ頭飾りをつけてしまうと頭が強調されてしまう。といっても、無ければないで、何か物足りなく感じるかもしれませんが。

気になる三つ目、王様と王妃様の衣装がトリコロールを強調しすぎ。

王様と王妃様はトリコロールを強調した色の衣装、帽子をつけています。王妃様はまだいいとして、一幕の王様の帽子周りにつけられた羽毛のような毛皮のような紅白のフワフワ。帽子の青色とのコントラストが強くて、洗練されているのかそうじゃないのか、微妙に感じます。

気になる四つ目、幻影の場の森の精の衣装。

はっきりした緑色の衣装で、もう少し淡い色の方が個人的には好み。そして、あの裾広がりの衣装の形が不思議ですが、モミの木や杉をモチーフとしたものでしょうか?

気になる五つ目、2幕のデジレ王子の衣装の胸元開きすぎ。

デジレ王子の衣装は、白いレース(?)の襟がついてますが、その襟が深いVの字に開いていて、大胸筋が見えています。

男性ダンサーの衣装で、胸元が大きく開いているのは、2幕のデジレ王子と村人、3幕のゴールドと青い鳥。

村人と青い鳥は王子の衣装と別系統ということで、これらはこういうものと納得しますが、デジレ王子とゴールドの衣装の胸元の開き方が不思議です。熱さ対策でしょうか?

2幕の狩りに参加している貴族たちで、胸元が大きく開いた衣装を身に着けている人はおらず、デジレ王子の衣装だけ胸元が開いています。ネットで西洋の服飾史を見てみましたが、胸元が大きく開いた貴族の服は見つからず、なぜ一人だけ違うのか疑問が解決しません。

2幕の目覚めのパドドゥで、薄く軽やかな衣装(ネグリジェ?)を身に着けているオーロラ姫との釣り合いで、デジレ王子の胸元に軽やかさを出しているとか?

劇場のホワイエに衣装のデザイン画が掲示されていましたが、デザイン画では細かいところは分かりませんでした。

どういった意図でデザインされたのか解説があれば、疑問点が解消されたかも。

 

 

 

6/10眠れる森の美女(@新国立劇場)

「眠れる森の美女」(6/9@新国立劇場)を観ました。

この日の主役のオーロラ姫とデジレ王子は、小野さん、福岡君。簡単な感想は「やはり小野さんはいい!」(←毎度感想はこればっか)です。1幕から3幕を通して、踊り方が違いました。

1幕、オーロラ姫の16歳の誕生日。王・王妃や姫の求婚者などが主要な人物が待ちわびている中に、オーロラ姫が登場します。

舞台袖から登場した瞬間、小野さん演じるオーロラ姫は「あ!」と発するように大きく口を開け、笑顔を見せます。舞台を観ている観客に向けての笑顔というのではなく、オーロラを待っている王・王妃他大好きな人たちの姿を遠方から見つけたことによる嬉しさにから自然に出てきた動作という感じです。舞台袖から登場したほんの短い時間の演技なのですが、出てきた瞬間から小野さんのオーロラ姫の演技は始まっているようです。そして大好きな人たちの元に早く駆け付けたくて小走りになり、舞台中央に登場という流れ。

演技や踊りから、1幕の小野オーロラ姫は両親の愛情をいっぱい受けて、明朗で快活、そして愛らしさを持つ人物に見えます。ローズアダージオは大抵のバレリーナは緊張するようですが、小野さんの場合も慎重にしている感じを受けました。アティテュードプロムナードの連続で、早く支え手をつかみたいのに、優雅さを失わずキープしながら一人の求婚者から次の求婚者の手をそっと取らなければならないなんて、酷な場面です。

2幕、幻影の場。幻影のオーロラ姫がデジレ王子と邂逅する。この場面の小野オーロラ姫は1幕の踊りとは様子が違い、現実感がありません。眠っているんだろうな、オーロラ姫はデジレ王子と出会った夢を見ている、夢うつつなんだろうなという感じです。

目覚めのパドドゥ。ロメオとジュリエットのバルコニーのシーンのようで別に無くてもいいんじゃないかと個人的には思いますが、オーロラ姫の恋心の芽生えを描く場面として必要なのかも。激しく恋心を燃え上がらせるのではなく、デジレ王子に少しづつ心を寄せていくオーロラ姫。

3幕の小野オーロラ姫も1、2幕とは踊りの質が違います。両親に庇護されている娘っぽさがなくなり、自覚を持った大人の女性を感じさせる踊り。そして足先、指先だけでなく全身で音楽を奏でているような踊りです。きらきらとした姫オーラと幸せオーラが満載。

福岡君のデジレ王子はノーブルで、包容力がある感じです。マネージュは若々しさと健康、力強さを表していました。

グラン・パ・ド・ドゥのアダージュでフィッシュダイブ(?)が3回ありますが、3回目で盛大な拍手が沸き起こりました。フィッシュダイブで拍手したことがありませんが、した方が良いのでしょうか。

他のダンサーについても少し。6人の妖精について。6人の妖精の感想は6/9の初日のものです。(最初、6/9の感想を書いていて、6/10に書き直してたときに、6人の妖精の部分だけ、6/9のものを残してしまっていました。)

寛容の精の飯野さん。このダンサー、良いなと思うといつも飯野さん。言い方は失礼かもしれませんが、名バイプレイヤーです。

喜びの精の五月女さんは、いつも確かなテクニックで安心して観れます。

勇敢の精の奥田さん。勇敢の精、個人的に指差し確認の精と呼んでますが、ピシッと決まるパが観ていて気持ちが良い。良いダンサーです。

気品の精の寺井さんは、顔立ちは大人っぽいですが、女性らしい踊り。

式典長の菅野さんは気の小ささが随所に見られる演技。カラボスに対する動揺ぶりや、編み針を庶民女性から取り上げたものの、王様から問い詰められるとすぐ白状してしまう際の演技に、小心者のキャラをのぞかせていました。

カラボスの本島さんは存在感、演技が抜群。踊りもかっこいい。本島さんの演技からは台詞が聞こえてくるようでした。「それじゃあひとつ、わたしからも贈り物をしてやろうかねぇ。」と。重苦しい場の空気を一身に受けて、観客の注目を決してそらさせない存在感が光ります。

フロリナ王女の米沢さんはとても可愛らしく、青い鳥の渡邊君は力を入れない軽やかで高いジャンプが目を引きました。