3日目に奥穂高岳登頂、4日目上高地へ。

奥穂高岳登山ツアー3日目。

前日の予想では、雨。だったのが、早朝外に出てみると、曇り!晴れは望まない、小雨でもいい、せっかくここまで来たのだからとにかく奥穂高岳に登りたいという前日からの願いがかないそうです。

5時半過ぎには、ほぼ雲で隠れていた山の斜面が、一部だけ雲が切れてオレンジ色に染まり、ほんの少しモルゲンロートが見られました。もっとピンク色系の赤い色を想像していましたが、思った以上に朱色で、写真に撮ると山火事のように見えます。(撮り方の問題?)

3日目は山小屋で朝食をとってからゆっくりと登り、奥穂高岳に登って下りてきてから穂高岳山荘で長めの休憩(昼食)。昼食後、またゆっくりと下り、涸沢小屋の前を通って涸沢ヒュッテに戻る行程です。

ザックは涸沢ヒュッテに置いておき、アタックザックに必要最低限のものを入れて出発。空模様はいつ雨が降ってきてもおかしくないような怪しい感じですが、出発時はとりあえず曇り。雨が降っておらず、背負ったアタックザックも軽いときて、軽快です。前日の雨中のザイテングラート手前までの行程のつらさと段違い。重たいザックを背負わずザイテングラートを通れたのが、かえって良かったような気までしてきます。

といっても出発時は曇りでしたが、奥穂高岳までは常に雨が降ったり止んだりの繰り返し。ザイテングラートでも雨が降り、前日の雨の影響もあって岩が乾いておらず。それでも、朝イチでまだまだ疲れ知らずで気力体力が充実していたので、ツアー参加者は結構難なく通過できました。大きな茶色いナメクジが、のんきにザイテングラートの岩の上を這っていたので、緊張が緩和されたかも。

ザイテングラートを抜けても、雲は厚く、穂高岳山荘はまったく見えません。穂高岳山荘に到着した時も雨が降っていました。ここで登頂前に一休憩ということで、コーヒーを頼んだり、ホットココアやおしるこを頼んだり。わたしはおしるこ(お茶付きで600円だったような?)を注文しました。おしるこに入っているのはお餅ではなく、白玉。お茶は粉茶をお湯で溶いたもののようで、濃厚です。

休憩を取ったら、いよいよ奥穂高へ。山荘の外は濃いガスで覆われています。濃いガスの中、このまま奥穂高岳に向かっていって大丈夫だろうかと、アタックを思いとどまる人たちもいたようでした。なにしろ山荘そばの登りの鉄梯子が、通常なら山荘からよく見えるのですが、ガスが濃くて全く見えません。2~3m位登った人の姿もガスでかき消されているような状態です。

そんな中、ガイドさんがいるツアー参加者は心強いものです。自分では登っても大丈夫か判断できないところでも、ガイドがついているので進むべきか撤退すべきかの判断をお任せできるのですから。というわけで濃いガスの中を突き進んでいきました。ツアー一行の後を個人登山者のグループもついてきます。

事前に奥穂高岳登頂の行程で、注意すべき箇所を教わっていました。山の斜面の出っ張ったところが難所だと。その出っ張ったところの下の方に滑落防止のためのネットがはってあると聞いたのですが、下から登っていく途中や、出っ張ったところに通過する前は、件のネットは見えません。出っ張ったところをほぼ通過し終わる地点に差し掛かると、下方にネットが見えました。(ああ、ここが難所だったのか。)と通過し終わるときに分かったくらいです。かえって通過する前に見えなかったから、変に構えなくて良かったのでしょうか。わたしも含めツアー参加者は怖くて足がすくんで通過できないということはありませんでした。それにしても、滑落防止用のネットと聞いていたので、もっと目が細かいものを想像していたのですが、ずいぶんと目の粗いネットがかかっていました。あれでは落ちた人がひっかかったとしても、荷重に耐えられなくて切れるのではないかと疑問に思います。頼りなさそうに見えても山の設備は結構しっかりしているので、大丈夫なんでしょうね、おそらく。

山頂が近づいてくると、空が少しだけ晴れてきました。ガスが少し晴れて、ジャンダルムも見えてきます。ジャンダルム、ああ、怖そう。さすがに濃いガスの中、ジャンダルム方面から登ってくる人はいませんでした。

山頂の祠の前で、一人づつ記念撮影。順番が回ってくるまで、じっと登山道で待ちます。ツアー参加者の中には、雲のある青空をバックに記念撮影が出来た人、曇天のしたの撮影になった人など、それぞれ。わたしは風が結構吹いているガスが出ている中での撮影になりました。祠前での撮影が終わったら、方位盤があるところに行ってみましたが、ガスのため見事に何も見えませんでした。

下山は慎重に。奥穂高岳から穂高岳山荘までの岩は乾いているので、濡れている石に足をとられることはありません。穂高岳山荘から奥穂高岳の往復は、あまり雨に降られませんでした。下りは登りの時よりガスは若干薄くなっているものの、穂高岳山荘にかなり近くなるまであの赤い屋根はやはり見えませんでした。

穂高岳山荘に戻り、昼食。行きはまだ準備が出来ていなかった食事メニューが提供されていました。味噌ラーメン(1000円)を注文しましたが、登頂してほっとした後のラーメンは美味しい。

2日目に泊るはずで泊れなかった穂高岳山荘ですが、休憩時にチラッと見ただけでも、涸沢ヒュッテより良さそうな雰囲気です。入り口近くの談話スペースは、リスの模様が打ち出されたストーブが置いてあって、ゆったり出来そう。宿泊していれば売店で売っていたタオル(300円位?)を貰えたはずだし。HPを見ると、流しに鏡がついた洗面スペースではなく、洗面台がズラッと設置してあって使いやすそうだし。きっと奥穂高岳には再び登頂しないだろうから、穂高岳山荘にも泊ることはないと思われます。1度泊ってみたかった・・・。

穂高岳山荘を出てからの下りは、けっこうな数の登山者とすれ違いました。すでに午後になっていたので、朝早く横尾あたりから登ってきた人たちでしょうか。

ザイテングラートを抜けると、遠方の景色をみる余裕も出てきます。あれだけ濃かったガスが少しづつ晴れ、遠方の山々が見えてきます。

当初の予定通り、帰りは涸沢小屋に寄りました。ここのソフトクリームは美味しいと評判だそうですが、それ程ソフトクリームにそそられないわたしは食べず。食べた人の感想によると、徳澤園のソフトクリームより濃厚だったそうです。てぬぐいをチェックしようと思っていたのがすっかり忘れ、チェックしそびれたのが心残り。下山時に止んだと思われた雨が涸沢小屋に到着したら、再び降り出してきました。そしてこの雨はその後、夜になっても止まず。

涸沢ヒュッテ2泊目の夕食。夕食は毎日同じメニューと怖いことを言っていた人もいましたが、ちゃんと前日とは違うメニューでした。内容は、白米、お味噌汁、里芋の煮っころがし、鶏の照り焼き、アジフライ、カボチャのてんぷら、千切りキャベツ、ポテトサラダ、漬物。この日も長野県警の山岳救助隊員の方が、安全登山の啓発スピーチを夕食中にしていました。土日祝日だけなのか、平日もやっているのか不明ですが、前日とは違う隊員さんがスピーチしていました。前日は槍ヶ岳近辺で山岳救助に従事していたそうで、傘をさして槍ヶ岳山荘までの登山道を登っていてケガをした人の救助をしたのだとか。傘をさして登山しないようにという注意喚起もありましたが、傘をさして登山なんてしませんって。ですが、確かに8月槍ヶ岳に行ったときに、ザックの横のポケットに長傘を収納して下山している人を2人位見かけて、(なぜ長傘を持ち歩いている?)と不思議に思った記憶があります。あの人たちも雨天時は、傘をさしながら登っていたのでしょうか?

ツアー2日目にあれだけ混んでいた涸沢ヒュッテですが、3日目の混みはそれほどではありませんでした。昨日泊った人たちは、奥穂に行って下山時は涸沢小屋に泊ったり、いっそのこと横尾や上高地まで下りていったりしたのでしょう。それほど混んでいない涸沢ヒュッテは、この日は2部屋借りてめでたく男女別の相部屋に泊れることになりました。一人一布団で寝られます。

ツアー最終日の朝は前日から引き続きの雨。1日目を除き、毎日雨具を身に着けています。(今日も雨か・・・)としょんぼりしながら下山をしていると、涸沢ヒュッテを出発して30分もしないうちに雨が止んできました。この後は、一切雨具いらずで上高地まで下山できました。2日目がこうだったら、どんなにこの登山ツアーが楽だったことかと思わずにいられません。天気がぐっと良くなったので、下から登ってくる人(個人グループ、ツアーの人)が多いツアー4日目でありました。屏風岩もきれいに見えたな・・・。

こんなかんじで、奥穂高岳登山ツアーは終了です。

 

涸沢ヒュッテ

奥穂高岳登山ツアー2日目は、雨のため当初の予定の穂高岳山荘まで行くことはできず、涸沢ヒュッテで足止め。

酷い雨で徳澤園の出発時間を遅らせましたが、雨は弱まらず涸沢ヒュッテに到着です。涸沢ヒュッテで雨の様子を見ながら休憩。冷えた身体におでん(700円)の温かさが染みわたります。個人的には城山茶屋(小仏城山)のおでんより美味しいかと。

山の天気予報では11時過ぎから雨が止むとのことで、涸沢ヒュッテで30分くらい休憩を取ったら再出発です。3日目の方が2日目のこの日より天気が悪いという予報で、2日目のうちに穂高岳山荘まで行き、奥穂高岳にも登ってしまおうということです。

出発して間もなくは、まだ元気。ですが降り続く雨の中、すぐに体力が消耗していきます。

この日は準備万端、立山の時とは違ってスパッツをつけていたので、靴の中に雨水が入ってぐちゃぐちゃにはなりませんでした。ただし、ひどい雨のなか何時間も歩き続けていると、靴に雨水が浸み込んできます。

雨用手袋として使っていたテムレスは、雨が浸透してきます。立山の時もテムレスを使っていて雨が入り込んでた経験があり、今回はきっちり防御するようにつけていましたが、やはり雨が入ってきます。今回の経験で、つけ方の問題ではなく、テムレスは雨が浸透してくるものだということが分かりました。テムレスは弱い雨なら効果があるのかもしれませんが、強い雨には効果がないようです。

そしてテムレス内にたまった雨水が、腕を上げたはずみに肘、脇の下まで流れ込んできて、ウェアが濡れてしまいました。冷たい!雨具のボトムから雨が浸透したのか、汗のせいなのか、ズボンも濡れています。

雨はやむ気配がなく、雨中の行程は通常より体力消耗が激しいです。つらい・・・。ザイテングラートの手前まで行きましたが、予定の11時を過ぎているのに雨足は弱まらず。結局、雨でぬれたザイテングラートは危ないという判断で、涸沢ヒュッテに戻って急遽泊ることになりました。

素人目線でもこの雨は止まないだろうと思いましたが、涸沢ヒュッテに戻る途中も、その後も、強まりはするものの止むことはありませんでした。山の天気予報は当たらない・・・。そんな雨の中でも、徳澤園で一緒だった他の登山ツアーの人たちや2~3名位の個人グループは、ザイテングラートを登っていきました。ガッツあるなぁ。

急遽泊ることになった涸沢ヒュッテ。本来なら3日目朝に奥穂高岳に登り、ゆっくりペースで涸沢ヒュッテまで下りてきて3日目の宿泊地になるはずでした。予定変更したため、2日目涸沢ヒュッテ泊、3日目涸沢ヒュッテから奥穂高岳に行き、戻ってきてまた涸沢ヒュッテに泊ることとなりました。

紅葉の涸沢の画像を見て、憧れていた涸沢ヒュッテ。ですが、憧れは消え去りました。部屋はまだいいとして、トイレの臭いがつらい・・・。ツアー参加者が「これでもきれいになったのよ。前はもっと汚かったんだから。」と言ってましたが、そうなのか・・・。槍ヶ岳山荘のように小屋内にひどい臭いのトイレがあるのではなく、外にあるのでまだいいと思うことにします。ちなみに、トイレの隣が乾燥室になっていますが、トイレの入り口扉をきっちり閉めているので、隣の乾燥室にトイレの臭いは漂ってきません、おおむね。臭い対策には扉をしっかり閉めることが重要なのが、ここでも証明されました。

談話室は居心地良いです。ですが、雨で行き場のない登山者がストーブがあり温かい談話室に集合し、談話室はみっちみち。

泊った部屋は別館の大部屋。男女同室の相部屋で、ツアー参加者スタッフも含めて同じ部屋です。部屋内にカーテンの仕切りがないのがつらいところ。(外のトイレのそばに更衣室があり、そこで着替えはOK。更衣室は一人用らしく、狭いです。)そして、一人一布団ではありません。あらかじめ敷かれた布団一枚につき、枕が互い違いに2つ置いてあり、2人で一つの布団を使う仕様になっています。紅葉シーズンの涸沢だとこれが普通なのだとか。ツアー人数はそれより少なかったので、もう少し余裕はありましたが、一人一布団でふかふかと清潔だった前日の徳澤園との落差が厳しい。夕方の宿泊締め切り時に余裕があれば、もう1部屋使えるということでしたが・・・。

館内探検であちこち行ったり、別館入り口そばの乾燥スペースでウェアを乾かしていると、次から次への登山者がやってくるのを目にしました。この日、上高地に到着してから涸沢ヒュッテまで登ってきた人たちのようです。16時を過ぎてもやって来ます。17時になってもやって来ます。みんなずぶ濡れ。余分な部屋はなくなったようで、結局ツアー参加者は一つの部屋に雑魚寝です。

どの宿泊者もずぶ濡れでやって来ますので、乾燥室、乾燥スペースに空きスペースはほぼなし。きっちきちに隙間は僅少に、ウェアを吊るしています。そのため自分のウェアが乾きつつあっても、新たにかけられたポタポタとしずくがしたたる雨具により、元の木阿弥に。というわけで、乾燥スペースに置いてあるストーブの前に陣取り、ストーブの熱気にあてて地道にウェアを乾かすことにしました。みっちりと隙間なく吊るされた状態より、気長にストーブの前で乾かす方が断然早く乾きます。

夕食メニューは、白米、お味噌汁。がんもどき、ちくわの磯部揚げ、ハンバーグ、ブリの照り焼き、トマト1切れ、千切りキャベツ、漬物。涸沢ヒュッテの食堂では、長野県警の2山岳救助隊員による、安全登山のための啓蒙スピーチを聞きながらの夕食です。2日目に撮った写真は、この夕飯のみ。館内の写真は1枚も撮っていなかったことに、今更気づきました。立山登山ツアーで大雨に降られた時も、写真を撮ったのは夕飯だけだった気がする・・・。雨中の行動で精神的・肉体的に消耗すると、写真を撮る余裕がなくなります。

そんなこんなで、9月中旬奥穂高登山ツアー2日目のメモ、終了。

 

 

 

徳澤園

9月中旬に参加した奥穂高岳登山ツアーで泊った徳澤園についてメモ。

1日目の行程は徳澤園まで。途中危ないところはない道ですが、8月上旬に通れた林道が、その後の台風20号の影響で崩壊した部分が出たようです。そのため林道は閉鎖され、砂利で出来た新たなルートを通りました。新たな道は日影の無い直射日光が当たる道で、暑い・・・。

雨に降られないうちに、ほどほどのペースで歩き、徳澤園へ。ツアー4日間中、雨に降られなかった日はありませんでしたが、初日の行程中は降られずセーフです。

氷壁の宿として有名な徳澤園。小説「氷壁」は読んだことがないので、徳澤園に何の思い入れもありませんが、「徳澤園は山小屋ではなくホテルだ」と聞いていたので、宿泊するのを楽しみにしていました。

確かに、普通の山小屋基準だとホテルです。外観も館内も落ち着いていて、雰囲気があります。生花のフラワーアレンジメントが飾られ、アール・ヌーヴォー調のガレランプが優しく灯をともす。2Fの談話スペース近辺の天井壁紙はウィリアム・モリスでしょうか。ラウンジやエントランスのストーブの火は、見ていて飽きません。1F談話室(?)もビロード生地のソファがあったりして雰囲気があり、登山ウェアで座っていいのかとしばし悩みます。お風呂はシャワー付きの蛇口が設置してあります。そんな徳澤園ですが、やはり山小屋である証拠は乾燥室があること。乾燥室は普通の山小屋より明るいですが、特に特徴はありませんでした。

泊った部屋は相部屋で、2段式のものです。と言っても山小屋によくある1段に何枚も布団が敷いてある2段式のものではなく、1Fは1人用、2Fは2人用の、入り口が六角形なっているのボックスが並んでいる相部屋です。ですから、ボックス入り口のカーテンを閉めるとそれぞれのボックスはプライベートな空間になります。ボックス内は清潔な布団一式、歯ブラシ・タオルが置いてあり、室内灯も設置されています。コンセントもあったので、充電も出来ました。難点と言えば、出入りの時に六角形の端に足をぶつけないように気をつけなければならないこと。急いでボックスから出ようとして、毎度、端に身体をぶつけていました、やれやれ・・・。

徳澤園の相部屋は、どの部屋も入り口が六角形のボックスタイプなのだと思っていたら、どうやら違うタイプの部屋もあるようです。館内で出会った他の登山ツアーの人たちの部屋は、六角形の入り口タイプのものではないと言います。充電スペースが近くにあるので便利だとは言っていましたが。どうせ泊るなら、HPにも載っている六角形のボックスタイプの部屋がいいですよね、という意見には同意します。

徳澤園に到着したのが14時過ぎだったので、荷物の整理もそこそこに、みちくさ食堂へ。もしかしたらプリンがあるかもと期待して行ってみましたが、プリンはありませんでした。ソフトクリームはそれほど食べたい気にならず、ブルーベリーチーズケーキ(確か600円)があったので注文です。

テラス席で待っていると、ケーキが運ばれてきました。チェック模様のお皿に、チーズケーキが盛られ、ケーキのそばにブルーベリーソースが点、点、点とデコレーションされてます。タルト生地の上にチーズフィリング、ブルーベリージャムらしきものがのっており、側面から見ると、チーズの層よりブルーベリージャムの層の方が厚い。テラス席で優雅にケーキを食べる図を想像していましたが、今にも雨が降り出しそうな曇天の下、気が気じゃなくて急いで頬張り、あっという間に完食です・・・。ちなみにお味はブルーベリージャムがたっぷりのせいか、甘いです。

気になる徳澤園の夕食。ステーキが出ると聞いていたので、食堂の開店前に早速並びます。看板にメニューが書き出されていて、相部屋の人(相部屋と個室では食事内容が若干違う)は、主皿:信州牛のサーロインステーキ、焼き魚:岩魚の塩焼き、大鉢:畑の中の宝石箱、小鉢:豆腐~手作り唐辛子味噌をのせて~、汁椀:山菜そば。「畑の中の宝石箱」が謎でしたが、インゲンやプチトマト、鶏肉、その他野菜の洋風煮物でした。名称は忘れましたが、オレンジ色のこりこりした野菜のスライスの小皿もあり。サーロインステーキは柔らかくて美味しく、レタスサラダとデザートとおぼしき一切れのりんごが添えられていました。あぁ、美味しかった。

夕食後も、外は雨が止む気配なく降り続く。翌日の天気が心配でしたが、ボックスタイプの相部屋は眠りやすく、サッサと就寝です。

徳澤園のメモ終了!

 

 

 

 

 

 

横尾山荘、槍ヶ岳山荘、槍沢ロッジ②

槍ヶ岳を登頂したら、槍ヶ岳山荘へ。外はガスが厚く、青空が見えてくる気配がありません。

槍ヶ岳山荘で割り振られた部屋はツアー一行全員同室の2階の大部屋です。山小屋によくある2段式の部屋で、薄い布団が敷いてあります。ツアー人数の関係で、一人につき1つの布団とはいかず、若干身動きに気を使います。

部屋で荷物の整理等をしていると、トイレのにおいが漂ってきます。トイレが近い部屋なので仕方が無いのかもしれませんが、部屋の扉を閉めて多少マシになってもしばらくすると臭ってきます。部屋にこれだけ臭ってくるので、覚悟してトイレに行ってみると、小屋内にあるトイレでは、今まで泊ったことのある数少ない山小屋の中で最も臭う・・・。富士山の山小屋のトイレも臭うというので、富士山に行かないことにしているのに、槍ヶ岳山荘でこんなトイレに遭遇するとは・・・(ちなみに知人が泊った富士山7合目の新しい山小屋(名称失念)のトイレは嫌な臭いは全くなかったそうです。)

おがくずを使った最新式のバイオトイレとトイレ内に掲示してありましたが、これまで経験したことのあるおがくず式のトイレは嫌な臭いはありませんでした。なぜこんなに臭うのだろう?使用後、攪拌するための自動ボタンを押すのですが、そうするとさらに臭ってきます。オーバーユースでバイオトイレの処理能力を超えてしまっているのでしょうか。トイレの窓を開け、トイレ入り口の引き戸をぴったり閉め、大部屋の扉を閉めたら、部屋内に侵入してくる臭いがマシになりました。でも誰かが引き戸を数センチ開けたままにしてしまうと、またひどく臭ってきます。はぁ・・・(溜息)。トイレの臭いが漂ってきにくい部屋に宿泊している人には、トイレの臭いに悩まされないよう引き戸をしっかり閉める必然性が実感しにくいのかもしれません。お願いですから、引き戸をピタッと閉めてください(といっても引き戸には若干隙間がありますが)・・・。

槍ヶ岳山荘の水は天水で、晴天続きのせいかチョロチョロとしか出ません。1F玄関ホールの洗面所しかり、トイレの手洗いスペースしかり。いつもそうなんでしょうか。でも飲料水を無料でわけていただけるのは、ありがたいです。山荘に着くまで暑いので、自販機の飲み物が売り切れの表示が多く、良く売れていたようでした。そしてスタッフの方がせっせと自販機に補充する。

売店について。ツアーメンバーは出発前から山荘で購入するTシャツを楽しみにしていたようで、売店でTシャツ選びに余念がありません。槍ヶ岳山荘への行程で、すれ違った下山者の中には山の絵が描かれたMt.YARIのTシャツや槍Tシャツを着ている人がわりといました。下山者の着ているTシャツを見て、「買うなら槍Tシャツがいい。」と思っていました。が、8月上旬の山荘到着時、槍Tシャツは色、サイズに欠品多し。希望の色は今期中の再入荷は無いといいます。そんなわけで普段なら買わない色の槍Tシャツを購入。ちなみに普段Mサイズの女性は、XSサイズが合います。

 夕食は、これまた写真を見てもうろ覚えですが、白米(ふりかけ付き)、お味噌汁、煮た人参1切れつきデミグラスソース味の煮込み風ハンバーグ、千切りキャベツ、コールスローサラダ(?)、プチトマト1個、フライ、チョコ味の謎のスイーツ。チョコ味のスイーツはカカオパウダーが表面にまぶされているので、見た瞬間「これはスイーツだ」と分かりましたが、おかずの一品だと勘違いしてほおばった人には、予想外の甘さに驚くというトラップつきです。

夜はガスが晴れず、星空観賞は断念。

翌朝もガスは濃い。濃いガスの中、下山していく人の姿があっという間に見えなくなっていきます。そんな中、果敢に槍ヶ岳に登っていく人もいます。がんばれ!

朝食は、白米、お味噌汁、焼き鯖、オクラの和え物、甘い煮豆、卵焼き1切れ、ハム1/2切れ、カットされた水菜など。

3日目の行程は短く、槍ヶ岳山荘から天狗池に行って逆さ槍を見て、槍沢ロッジまで下りていきます。出発時は濃いガスの中でしたが、徐々にガスが消え去り、天狗原に着くころには普通の曇り空の下にいました。天狗原から天狗池までは簡単な道だろうと下調べをせず高をくくっていたら、結構岩々としたルートでした。

天狗池に到着すると、池の9割がたまだ雪に覆われていました。人が歩いても雪面の底が抜けないかツアースタッフさんが検証してから、雪の上を渡って池を横断したい人はスタッフさんに続きます。雪上に踏み跡があっても、それがいつ出来たものか、今渡っても大丈夫か自分では判断できないので、こういうちょっとした冒険をしたい場合はしっかりしたスタッフがいるツアーは良いです。ツアー一行が雪面の池の上を渡っていたら、それを見た登山者グループも続いてきます。

渡ったところで本来なら、池に映る逆さ槍が見えるはずですが、池の表面のほとんどは雪で覆われていて逆さ槍はお預け。と思って付近をぶらぶらしていたところ、池の端のほんの小さく雪が溶けて水面が現れている部分に、逆さ槍が映っていました。ツアー一行が見つけたわけではなく、逆さ槍を撮影しに単独で天狗池まで来ていたらしきアマチュア写真愛好家(?)の方が池を撮影していて、ツアー参加者があんな小さなスペースに逆さ槍が”!と気づいたのです。写真撮影を趣味にしている人って、普通の人では気づかないところを気づくものなのだと尊敬と感謝です。アマチュア写真愛好家(?)の方がいらっしゃらなかったら、気づかず素通りでした。空には雲が多いものの、青空も見えてきて槍ヶ岳も、逆さ槍もきれいでした。

槍沢ロッジには12時過ぎには着き、この日の宿泊者の中では一番乗り。通された部屋は3階です。3階のフロア全部をツアー一行で使えました。ふとんは一人1枚どころではありません。この日はのびのび布団を使えます。

が、3階は暑い!太陽で温められた屋根を通して熱気が降りてきます。換気扇が窓枠に嵌められていて終始稼働していますが、そんなものでは熱気は去りません。試しに2階に下りてみると、全然暑さが違うではありませんか。2階に来た途端、熱気を感じなくなります。2階の談話室も過ごしやすい。3階の熱気は2階までは降りてきません。

槍沢ロッジのトイレと乾燥室は、廊下でつながった別棟にあります。トイレはやはり臭いません。

そしてここにはお風呂もあります。横尾山荘のようなシャワーや蛇口はなく浴槽のみですが、とにかく汗を流したいので浴槽だけでも充分です。

夕食は白米、お麩の味噌汁、唐揚げ、がんもどき(?)、千切りキャベツ、青菜のおひたし(ほうれん草か小松菜だったか?)ひじきの煮物、甘く煮たさつまいも、漬物、デザートのオレンジ1切れ。夕食ではありませんが、1F玄関ホールにお湯のポットが置いてあり、セルフサービスでインスタントコーヒーやスティックタイプのココア、ティーバッグの紅茶がいずれも1杯100円(だったはず)でいただけるのがお手軽です。

就寝時間になると、さすがに太陽からの熱射もないので3階の熱気は治まっていました。窓枠にはめられた換気扇ですが、換気扇本体と窓の縦の長さに差があります。昔、窓枠にはめるタイプのクーラーがありましたが、それはクーラーの縦の長さと窓の縦の長さが合わない場合、建材などで隙間を塞いであったものです。この換気扇もそういった感じで窓枠に嵌っているのですが、窓の縦の長さと換気扇の縦の長さが違うので10センチ以上も隙間が出来ています。その隙間を塞いでいるものは何もありません。雨が降った場合どうなるんだろう(雨が入り放題?)、虫が入ってこないのだろうか。その隙間から入ってきたのか分かりませんが、蛾が室内を飛んでいました。蚊が入ってこないからいいか。

朝食は5時。白米、豆腐の味噌汁、焼き鮭、きんぴらごぼう、オクラの和え物、卵焼き1切れなど。槍ヶ岳山荘でもオクラが出ましたが、槍ヶ岳山荘グループでオクラの和え物は定番?

槍ヶ岳ツアーで泊った施設のメモ、終わり。

 

 

横尾山荘、槍ヶ岳山荘、槍沢ロッジ①

9月中旬に奥穂高岳に登りました。昨年から継続して参加していた登山ツアーの最終回だったわけですが、終わったらやり切った感があって何だか腑抜けた状態です。

奥穂登山ツアーについては気が向いたらメモするとして、8月上旬に槍ヶ岳登山ツアーに参加したときに宿泊した横尾山荘、槍ヶ岳山荘、槍沢ロッジについてメモ。ちょろっと行程メモも。

3泊4日の槍ヶ岳登山ツアーは、松本駅からバスで道の駅の風穴の里に寄った後に上高地まで行く。上高地から初日の宿泊先横尾山荘までは、登山道ではないのでペースは早め。横尾山荘までの行程では、徳澤キャンプ場で猿の集団に行く手を横切られました。上高地の猿は人に慣れ過ぎ・・・。

さて、横尾山荘。横尾山荘までは車が入ってこられるので、山荘内は快適です。

泊ったのは2段ベッドがある部屋です。1スペースに一人で入れて、それぞれのスペースはカーテンがあるので最低限のプライバシーは確保できます。そしてふとんは普通に家庭で使うような厚みのあるタイプで、シーツは新しいものが用意されていて清潔です。登山ツアーの相部屋では熟睡できず、いつも寝不足で翌日の行程をこなすのですが、横尾山荘は一人1スペースだったおかげで熟睡できました。

お風呂は温・冷水のシャワーがあり。シャンプーや石鹸は使えませんが、汗を流せるだけでもありがたい。浴槽はそれなりに大きいですが、次から次へと入ってくるので少々イモ洗い状態?

夕食は、普通に美味しかったです。内容は・・・写真には残っているのですが、忘却の彼方で・・・。写真を見ても、これは何だ?という状態のものもありますが分かる範囲で、白米、味噌汁、焼き魚(鰆か鯖)、れんこんのはさみ揚げ、鳥のフライ、野菜サラダ、野菜と海藻の和え物(?)、豆のサラダ(?)、海老しんじょうと山菜&野菜の煮物、漬物、デザートのりんごゼリー。同じテーブルにアメリカ人3人組が座っていて、ちょっと登山話をしたりして楽しかったなぁ。(この3人組は翌日、槍ヶ岳山荘で再会しました。)

2日目は朝食の時間前に出発するので、朝食は山荘に用意してもらったお弁当です。前日に配られたお弁当は紙袋に入っています。紙袋の中身は、伊藤園の1日分の野菜小型のペットボトルタイプ1本、ベビーチーズ2ピース、ソイジョイ3種のレーズン味1個、毎日クロワッサン(←こういう名称のパン)2個、いちごジャムパン1個。早朝4時台だとまだ胃が起きてないので、ご飯系よりパンの方が食べやすいため、個人的にはパンで嬉しかったです。何だよこれ、と思った人もいたみたいですが。

8月上旬の横尾山荘から槍ヶ岳山荘までの行程はきつい。何しろ天気が良くて行程の途中からは陽を遮るものがなく、日光がガンガンあたって、暑さが半端ではなかったのです。晴れていて景色は抜群に良いのですけどね。途中、槍沢ロッジや沢で冷たいお水を汲めますが、水分をとっても焼け石に水という感じです。槍沢ロッジには槍ヶ岳を見ることが出来る望遠鏡が設置してあり、(あれに登るんだ!)と意気盛んだったのですが、進むうちに盛んだった意気はどこへやらです。

道は思ったより歩きやすく、横尾山荘から槍ヶ岳山荘までは常時ストックを使って登っている人もいたくらい。ただし、見えてからが長い槍ヶ岳槍ヶ岳山荘が見えているのに、なかなか着きません。暑いし、遠いし、酸素が薄くなるしで、心配していた高山病を発症。頭痛がするわ、身体が重いわ、食欲ないわで亡霊のようにフラフラになって槍ヶ岳山荘に到着です。

正午過ぎに槍ヶ岳山荘に到着しましたが、ここに来るまであれだけ晴れていた空が、ガスってきました。登頂時にはかなりガスが湧いてきていて、360度の展望は楽しめませんでした。山頂の祠に置いてある標識を持って記念撮影したら、学生さんの団体が登ってきたので、場所を開けて下山を開始です。山頂にいたのは10分に満たない。結構あっけない槍ヶ岳登頂でした。

続く。

 

筑波山でヤマスタスタンプ集め

今度参加する登山ツアーのために、近場で山登りしなくては。というわけで、ヤマスタのスタンプ集めを兼ねて筑波山に行ってきました。

筑波山に行ってきた感想は、残暑厳しい中、低山に行ってはいけない!バテます。一方で、スタンプを集めるため、今まで存在さえ知らなかったスポットを訪れた面白さがありました。

スタンプ集めのため、今回はつつじヶ丘の方から登ります。つつじヶ丘駅でスタンプを取得したら早速登山口へ。こっちは登り口からしばらく直射日光に当たりながら登っていくので、暑さがつらいです。樹林帯の中の平坦な道、岩を越え、奇岩を巡って、女体山に着くころには、つ・・・疲れた・・・。暑さは確実に体力を奪います。

そんな暑い思いをして登った女体山ですが、雲がかかっていて眺望は良くありませんでした。とりあえず、ここでもチェックインしてスタンプ取得です。

お次はガマ石です。スタンプGetしたら、ガマの口にあたる部分に石を投げ入れてみます。ガマの口の中に石が入ると、金運が上がるらしい。口の近くに当たって、惜しくもガマの口の中には入らず。「何回で入れられればいいのかな。」と見知らぬ親子連れの人たちと言っていたら、これまた見知らぬおじさん登山者が「1回に決まっているでしょ。」とポツリと言って後ろを通り過ぎていきました。そうなのか・・・。

紫峰杉もチェックインポイントです。紫峰杉?初めて聞きました。御幸ヶ原近辺にあるらしいけど、どこにあるのか分かりません。御幸ヶ原をうろうろしていたら、標識が。

観光客があまり来ない細い道を歩いていくと、突き当りに紫峰杉がありました。不思議な曲線を描いて生える苔むした枝。樹齢800年といいます。先客が一人。挨拶すると、「紫峰杉が好きで、筑波山に来ると必ず見に来るのよ。ケーブルカーの駅から近いのにこっちにはあまり人が来なくてゆっくり見られるの。」わたしも今回スタンプ集めをするまで紫峰杉は知りませんでしたが、紫峰杉にいくまでに、男女川の源流もあり、ちょっと足を延ばしてみるのも良いかもしれません。

紫峰杉の次も行ったことがないチェックポイントです。大石重ね。御幸ヶ原のトイレのそばから10分と書いてあります。下っていくと、10分歩いても着きません。道を間違えたかなと思ってさらに歩くと、丸くて表面が滑らかな平べったい石がたくさん積まれた場所に着きました。積まれた石は願い石という。表面にはサインペンでお願い事が書いてあります。下調べしないで何も考えず行ったので願い石は入手していませんでしたが、なるほど、ただ石が重ねてある場所ではない場所ないんですね。

大石重ねの後は立身石と筑波山神社でスタンプを取得すれば終わりです。立身石は以前行ったことがあるので、特に感慨はありません。筑波山ならではの大きな石。

筑波山神社へは御幸ヶ原コースを歩いて下山です。このコースは階段が多くて意外に疲れます。ですが暑い中、疲れた様子で登ってくる人が結構います。つつじヶ丘の方から登っていく人より多いのではないでしょうか。足元はトレッキングシューズをはいて万全の人もいますが、ウォーキングシューズやスニーカー、底の平らなサンダルで登ってくる人も。山頂近くになると階段になりますが、大部分は大きな石があったり、滑りやすい土、木の根の張った登山道です。皆さん根性と体力あるなぁ。

 

自分が履いている靴についてちょっとしたトラブルもあったのですが、筑波山神社に到着。無事に下山できたことを神社で感謝して、神社のスタンプもゲットします。

これでヤマスタの新・筑波山パワースポットスタンプラリーの必要スタンプが集まりました。目指すは筑波山観光案内所。ここでスタンプラリー達成証明のトロフィー画面を見せると名刺サイズの認定証がもらえます。そして先着順でピンズも。わたしが行ったときはピンズの残はまだ余裕がありそうでした。というわけで、無事ピンズもGet。認定証とピンズは同じ絵柄(多少色の出方は違います)で、山とガマガエルの顔がどーん。ガマガエルの打ち出し方がちょっとシュールです。

黒部ダムでゴール

 立山縦走ツアー4日目のメモ。

4日目は五色ヶ原山荘から黒部ダムまで下りていきます。帰りのトロリーバス、立ち寄り温泉、特急の出発時間の関係で、ルートタイムより時間に余裕をもって出発です。

出発は夜明け前。五色ヶ原山荘宿泊者の中では我々ツアー一行が一番先に出発かなと思っていましたが、山の朝は早い。他の登山者グループも出発の準備をしていて、洗面所は結構混雑。玄関口で出発準備をしているとお見送りをしてくれるスタッフの方もいました。朝4時前に山荘スタッフの方にお弁当をもらっている宿泊者もいましたが、皆さんどこに行くんでしょうね。

外に出ると星空が見えていました。前日は星空を見ずに就寝しましたが、出発前に降るような星空を見られて感激です。オリオン座が大きく見え、都市部では見えない他の星々も余すことなく散りばめられた満天の星空。やはりここは天上(雲上)の楽園かもしれません。

ヘッドランプをつけて出発した一行は、まずは平ノ小屋を目指します。テント場の近くを通っても、暗くてどれくらいテントがはってあるのか分かりません。急ぐでもなくかといってのんびり歩くでもなく、足元を気を付けてしっかりとした足取りで木道の上を歩いていきます。40分も歩いていると、山の際が明るくなってきます。まだ夜明けには遠いですが、山が黒くシルエットになり、藍色の夜空が微妙なグラデーションになって白からほのぼのとした曙色に移り変わっていく様子が美しい。

ゆるやかな高原の道を下っていくと、徐々に樹林帯に入っていきます。樹林帯に入るころには日が出ていて、辺りは完全に明るくなっていました。樹林帯の中はほぼ下り一辺倒です。急なところもありますが、手こずるようなところはありません。高原とはすっかり植生が違っていて、コケモモの実や野生の小さなブルーベリーの実がなっていました。

五色ヶ原山荘からかなり歩いて、黒部湖畔の平ノ小屋に到着。長めの休憩を取ります。平ノ小屋には湧き水があって、冷たいお水を汲めます。4日目は標高が下がり暑くなってきつつあったので、冷えた湧き水がとても美味しく感じます。平ノ小屋まで来たらゴールまであと半分くらいかなと思っていたら、まだまだ。この先からアップダウンのある道に入ります。

黒部湖ぞいの平ノ小屋からロッジくろよんまでの道は、フィールドアスレチックにある梯子のような階段が何か所もあります。何の予備知識もない状態でツアー仲間に見せられた画像の階段は、何とも頼りない感じ。そんな階段が長短、いくつもあるといいます。

平ノ小屋方面から最初に階段に遭遇するのは、船着き場近くに降りていくところ。階段は画像で見るよりしっかりした作りで、昇り降りに支障がある感じではありませんでした。ただし手すりが樹皮を剥がされツルツルした丸太なので、手すりに体重をかけすぎると手が滑って危ないかもしれません。

細かなアップダウンを繰り返し、木の階段、川にかかった木の橋も渡ります。道々、黒部湖が目に入りますが、水量が例年より少ないそうで、水面がかなり下がっています。ツアー初日に随分雨が降ったと思いましたが、あの程度ではまだまだらしい。

階段をいくつか通過して歩いていくと、登山道の木々の間から遠目には、昇るのに手こずる簡単な骨組みだけのような階段が見えてきました。まさかあれは昇らないでしょう、というか昇れる状態の階段なのでしょうか。と思っていると、何の躊躇もなくツアー一行は進んでいきます。その階段はこのコースの中で最も長い階段。建物の何階分の高さがあるのか分かりませんが、とにかく長い階段です。いったん下って、また同じ高さを昇ります。滑って先行者を巻き添えにしないように、間隔をあけて下っていきます。

下り終わって平地を少し歩くと、今度は昇りです。木々の間から見えた登りの階段は、近づいてみると今まで昇り降りしていた木製階段と同じ作りだと分かります。遠目には頼りなく見えても、実物を近くで見るとそうでもありません。といっても傾斜が急だし、何しろ長い階段なので、下り同様、前後の人と間隔をあけて登っていきます。

平ノ小屋からロッジくろよんまでルートタイムで3時間。ペースは速くもなく遅くもなく快調に歩いていきますが、下界の暑さがこたえます。途中休憩は開けたスペースではなく、細い登山道の途中で水分補給の立ち休憩のみ。黒部湖を進むガルベ(黒部湖遊覧船)を歩きながら何台見たものか。ロッジくろよんはまだか、トロリーバスの時間に間に合うのか、温泉入浴の時間は今のペースだとどれくらいとれるのだろうかと考えながら歩き続けます。

やっと青い屋根のロッジくろよんが見えてきましたが、ここは素通り。この先のキャンプ場に水場、トイレ、日陰がある開けた場所があるということで、そこで休憩を取ることにします。ここら辺まで来ると道は登山道ではなく歩きやすく整備されていて、黒部ダムからちょっと足を延ばして散策している観光客もいます。

到着したキャンプ場は、こじんまりとしていました。ガイドさんが言っていた日陰でツアー一行10数名が休める場所はなく、日光がさんさんと降り注ぐなかで休憩です。暑い。キャンプ場近くではアサギマダラが飛んでいました。アサギマダラは台湾から飛んできている、いやもっと遠くから飛んできているという話が出ましたが、どうなんでしょう。

橋を渡って、遊覧船乗り場前を通り、黒部ダムに次第に近づいていきます。黒部ダムの観光放水が見えてきます。黒部湖に注ぐ観光放水は迫力があり、虹がかかっています。初めて見る黒部ダムの観光放水に喜んだものの、ますます観光客が多くなり、汗まみれの疲れた様子で大げさな登山の格好をしたツアー一行は、周囲から完全に浮いてます。中には室堂から黒部ダムにやってきたらしき登山者(雄山のお札をザックにくくりつけていたので、雄山に参拝したらしい)もいましたが、我々よりスッキリした感じで、汗臭そうな我々とはちょっと様子が違います。肩身が狭い・・・。早く、早くトロリーバス、観光バスに乗って温泉に行きたいと黒部ダム駅に急ぎます。

トロリーバスは初めて乗りましたが、車内は普通のバスと同じような作り。乗り心地もバスと同じですが、実は鉄道らしい。一度は乗ってみてもいい乗り物です。(2度は乗らな良くてもいいかも。)有名な破砕帯では徐行して、「ここがあの破砕帯か!」と分かりますし、トロリーバスの車体にファンシーな絵が描かれていたのも面白いし。といっても走る場所は変わりませんが、トロリーバスは今年で最後で、来年からは電気バスになるそうです。

こんな感じでツアー最終日の4日目は終わりました。4日目がツアー中一番行動時間が長く、フィールドアスレチック的な階段の連続で疲れましたが、4日間の縦走登山は楽しかったです。ツアー仲間もスタッフの方も良かったし。一つの山に登るのが目的の登山ツアーより、今回のような縦走登山の方が自分の好みに合っていると気づいたツアーでもありました。

 最後に、4日目で驚いたのがガイドさんの到着時間の読みの正確さです。ほぼガイドさんが予想した通りの時間に黒部ダムに到着しました。10数名のツアーだったので途中遅れが発生する可能性もありましたが、時間配分が適切で、疲れはありますが思った以上に楽に歩けました。ガイドさんによると、参加者を疲労させ過ぎずに、あと30分や1時間短縮する歩き方をすることもできるとのこと。どんなもんだい、という自負心が垣間見えました。すごいなぁ、プロの仕事!